オリコンニュース

「椿屋四重奏、ここに見参!」 オリジナルメンバーで鳴らすデビュー20周年の祝砲

 シンガー・ソングライターの中田裕二率いるロックバンド・椿屋四重奏二十周年が8月27日、東京・昭和女子大学 人見記念講堂で『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』を開催した。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

この記事の写真はこちら(全10枚)


 本公演は、ロックバンド・椿屋四重奏のデビューミニアルバム『椿屋四重奏』のリリース20周年記念のスペシャルライブ。“椿屋四重奏二十周年”という名のもと、オリジナルメンバーの中田と小寺良太(Dr)に加え、11年以降の中田のソロ活動を支えてきた奥野真哉(Key/ソウル・フラワー・ユニオン)、隅倉弘至(Ba/初恋の嵐)、カトウタロウ(Gt)がステージに臨んだ。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

■12年経っても変わらない熱量 現在のスキルで描かれる色鮮やかな音像

 万雷の拍手と歓声に迎えられながら「プロローグ」「幻惑」でオープニングを飾った後、中田は「12年間さまよい続けた“椿屋四重奏の幻”に引導を渡しに来ました」と宣言。ハッとするファンに向けて「…というか、お礼をしに来ました」といたずらっぽく笑い、「みなさんに対する『椿屋感謝祭』といったところでしょうか。存分に楽しんでいっていただきたい。この夏の、最高の大人な思い出を作りましょう」と呼びかけた。

 3人組バンド・mokes(s)での活動に加え、さまざまなアーティストのサポートやドラム講師としても活躍している小寺は、持ち前のオールラウンダーっぷりを存分に発揮。ルーツミュージックのエッセンスも練り込んだ「共犯」、繊細なゴーストノートで深みを与えた「不時着」など、“アンサンブルの屋台骨”という枠に収まらないカラフルなドラミングを披露した。

 中田はソロ活動を通して高めた表現力を見せつけていく。終盤で「『フィナーレ』はキツかったです。誰だよ、あんな曲を作ったやつは…。あのときの中田裕二に文句を言いたい(笑)」とこぼしていたが、楽曲のキーやピッチへの順応はもちろん、ビブラートの長さや楽曲を彩る多彩なフェイクといった歌唱テクニックも織り交ぜ、当時以上の彩度で楽曲を描き出す場面も。さらに、「共犯」などでは椿屋四重奏時代通りの語尾の処理も聴かせて沸かせた。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

 本公演は“椿屋四重奏二十周年”をバンド名として冠したライブということで、カトウ、隅倉、奥野は原曲を忠実に再現するようなアプローチに徹する一方で、「手つかずの世界」に盛り込まれたオルガンなど新たな風を吹き込むプレイでも魅せた。

 本編中、小寺は中田からの「椿屋四重奏、小寺良太!」というメンバー紹介を受けて、「俺は元気だったぞ!目いっぱい楽しんで帰ってください。俺が一番楽しいかもしれないけど」とあいさつ。さらに「スミくんとできるのもうれしい」と、椿屋四重奏結成前にメロディオンズのバンドメンバーとして切磋琢磨していた隅倉との共演も喜んだ。

 バンド結成に至るストーリーも感じさせつつ、ライブ本編は中田の「ベスト・オブ・ベストの椿屋四重奏」という言葉通り、インディーズ時代の楽曲を中心としつつ、メジャーデビュー曲「LOVER」や事実上のラストシングルとなった「マテリアル」まで、新旧を網羅したセットリストを展開した。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

■“椿屋四重奏二十周年”から“椿屋四重奏”へ ファン歓喜のサプライズ

 本編が「空中分解」で締めくくられると、ステージ上は再び暗転。そして、アンコールを求める拍手が強まる中、暗闇の中で白色のFender Jazz Bassとベースアンプが持ち込まれたことに気づいたファンがざわつき始めるが、その声はメンバーの“3人”が「銭形平次」を入場SEとしてステージに現れた瞬間、悲鳴にも近い歓声へと変わった。

 そんな歓声を切り裂いたのは、デビュー作『椿屋四重奏』のオープニングナンバー「群青」。中田がかき鳴らすソリッドなギターリフ、エッジとパワーを兼ね備えた小寺のドラム、そしてうねるようなラインを紡ぐ永田貴樹(Ba)のベースだった。

 永田は2011年のバンド解散とともに引退を表明し、今回の限定復活でも不参加とアナウンスされていた。それを受けてのサプライズ出演、そして中田の「立派な四十代になりました、椿屋四重奏、ここに見参!」という名乗りは、ファンの笑顔と涙を誘うのに十分すぎる衝撃を持った出来事だった。

 バンド結成時と同じく作務衣に身を包んだ3人は、そのまま互いの近況などについてトーク。永田が地元・熊本で保育士として働いていると明かすと、中田は「僕らみたいなふざけた商売と違って、きちんと地に足をつけている」と小寺に視線を送り、小寺は「太鼓1本でなんとかやっていまーす!」と叫ぶ。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

 そんなアットホームな会話をメンバーもファンも楽しみながら、中田は「3人の生存確認ができてよかったな」としみじみ。そして「貴樹からのリクエストでもあります」と紹介し、「群青」と同じく『椿屋四重奏』収録の「かたはらに」を3人だけのピュアなアンサンブルで届けた。

 再びの暗転の後、ダブルアンコールに応えたメンバーたち。今度は本編を走りきった5人に永田を加えたフルメンバーでの登場となった。そんなメンバー1人ひとりを改めて紹介し、中田は「最初、このプロジェクトは不安もあった。だけど正直…楽しかったです。昔の自分との対話というかね。発見もあったし、刺激になった」と振り返る。

 続けて「これからもみなさんの応援が必要だなぁ」と言い、「君…」と語りかけた瞬間、ファンはさらに熱を高めて声を上げた。そして曲名でコール&レスポンスを交わし、この日のラストナンバー「君無しじゃいられない」を合唱。

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

 最後には出演した6人、そしてオリジナルメンバー3人でも記念撮影を行い、中田は「またいつできるかわからないからさ」とポツリ。何気ない一言だったが、多くのファンにとってはこの言葉こそ最も聞きたかった一言だろう。ファンはこの言葉を“一夜限りの幻”で終わらせない約束として胸にしまいながら、ロックバンド・椿屋四重奏二十周年の熱演にこの日一番の拍手を送った。

■『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』セットリスト
01. プロローグ
02. 幻惑
03. LOVER
04. 手つかずの世界
05. 成れの果て
06. 導火線
07. 共犯
08. 紫陽花
09. アンブレラ
10. シンデレラ
11. 小春日和
12. 不時着
13. 踊り子
14. フィナーレ
15. マテリアル
16. ランブル
17. 螺旋階段
18. いばらのみち
19. 恋わずらい
20. 空中分解
En1. 群青
En2. かたはらに
En3. 君無しじゃいられない

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

写真ページを見る

オリコンニュースを優先ソースに追加してGoogle検索に頻繁に表示させよう

関連写真

  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)
  • 『椿屋四重奏二十周年記念公演 “真夏の宵の夢”』の模様 Photo by 笹原清明(L MANAGEMENT)

オリコントピックス

求人特集

求人検索

デイリーCDアルバムランキング2026年06月10日付

  1. HOME

    1位HOME

    BOYNEXTDOOR

    発売日:2026.06.10

  2. 7TH YEAR:A Moment of Stillness in the Thorns

    2位7TH YEAR:A Moment of Stillness in the Thorns

    TOMORROW X TOGETHER

    発売日:2026.04.14

  3. CLASSIC WAVE

    3位CLASSIC WAVE

    ROIROM

    発売日:2026.06.10

    1. 4位以下を見る

  • オリコンニュースを優先ソースに追加してGoogle検索に頻繁に表示させよう

メニューを閉じる

 を検索