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AIが創る音楽の未来を予想 「AIは所詮道具」「使っていく人も増えると思う」…J-WAVE主催のイベントレポート

 23日に東京・六本木ヒルズにて開催されたJ-WAVE主催「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」の公式レポートが到着した。アーティストのNOA、agehasprings 取締役の関口夏光、株式会社TMIK CTO / 株式会社PARTY 執行役員 Tech Leadの梶原洋平、株式会社TMIK COOの齊藤悠貴が登壇し、作曲AI FIMMIGRMの開発背景と、これを使用して制作し、NFTとしてリリースされた楽曲NOA「言葉にできない」について語った。

「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」の様子

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 NFTを活用した次世代アーティスト発掘&育成プロジェクト「CHINTAI presents J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」から生まれた楽曲、NOA「言葉にできない」は、作曲AIであるFIMMIGRM(フィミグラム)で生成したメロディを使用。歌詞は「人の弱さや情けなさ」「人には言えない本当の気持ち」「みなが抱える共通の苦しみ」など、「Twitterやインターネット上に浮かんでいる人々の気持ち」をテーマに、一般公募で集まったフレーズをagehaspringsグループのクリエイターがつむぎ歌詞にしている。

質問:「実際にAIとコラボされてみていかがでしたか?」

NOA「何の違和感もありませんでした。スッと入ってきたというか。それはFIMMIGRMがいろんなヒット曲をもとに生成できるようになっているからなんだけど、だから余計に焦りました(笑)。自分はメロディを作るのにすごく時間がかかっているから、AIがこんなに聞きやすくて刺さるメロディをすぐに作ってくれるとなると焦ります(笑)。びっくりしましたね」

齊藤「FIMMIGRMは“AIで、オリジナル曲を、みんなの手に”というコンセプトで、agehasprings 代表の音楽プロデューサー・玉井健二プロデュースのもと開発されました。ヒットソングを学習したAIです。AIで作ると似たような曲ばかりになると思われますが、FIMMIGRMはメロディの特徴を散らすという技術を使っています。この技術で特許を取得していて、似通った曲ができないようになっています」

質問:「今回はメロディをFIMMIGRMが生成し、歌詞は公募するという作り方でした」

関口「J-WAVEリスナーの皆さんから歌詞にして欲しいフレーズを募集しました。NOAさんとリスナーの距離を縮めるような作り方をしたかったので。リスナーに寄り添うことを大事にしたかった。募集するにあたり、NOAさんから出てこなさそうな、言わなそうな言葉、あとは人の弱みや、人に言えない心の奥底の言葉や苦しみ…SNSに浮かんでいるような言葉をリスナーさんから送ってもらいました。短いフレーズだったり、概念だったり、そういったものです。それをagehaspringsグループのクリエイターが歌詞にしました」

質問:「人間とのコラボであっても、自分にない引き出しと出会うという意味では同じだと思いますが、違いはありましたか?」

NOA「確実に、AIの方が速いです。的確なものを与えてくれますね。人間と作るのも、その場でしか感じられない楽しさがある。でも(人間同士なので)悩むこともあります。AIは的確に速くドンッと」

梶原「良いか悪いかの判断に時間がかからないです。時間をかけて作る前に判断したいこともあるので、まずAIを使って出てきたメロディをサッと歌ってみて、いいか悪いか判断する方が早いですね」

関口「(今回のNOAとの制作は)ものすごいスピード感でした。1ヶ月内ぐらいでできました」

質問:「今回のAIとコラボを通して、未来はどんなふうに変わっていくと思いますか?」

NOA「これからはいろんなアーティストが増えそうです。AIを使っていく人も増えると思う。僕は基本的には自分で作るけれど、またAIの力を借りるかもしれません。進化には終わりがないので僕も追い付かないと。最新のものを取り入れていきたいですね」

梶原「AIは所詮道具です。人間が作るものを取り巻くツールのひとつ。今回もNOAさんの声が乗って、パフォーマンスがあって、それで初めて命が宿りました。ツールをうまく使ってほしいです」

関口「音楽を創る上で、本当に大事なのは『なぜその曲を作ろうと思ったか』という、この原点が一番大事で、こういったテクノロジーが進化していっても、原点の『なぜ』の部分は変わらないと思います。agehaspringsはこれからもクリエイター、アーティストの方々、そしてテクノロジーとともに、世界に向けて素晴らしい音楽を創っていきたいと思います」

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