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JASRAC、最高裁で主張認められず「率直に言って残念」 使用料率の見解については明言避ける

 音楽教室のレッスンで楽曲を演奏する際、著作権使用料を徴収できるかどうかをめぐって争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)は24日、生徒の演奏に対しては徴収できないとした二審の判断を支持し、日本音楽著作権協会(JASRAC)側の上告を棄却した。これを受け、同日にJASRACが会見を開き「JASRACの主張が認められず残念」と受け止めを語った。

(左から)JASRACの伊澤一雅理事長、田中豊弁護士 (C)ORICON NewS inc.

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 2020年2月の一審・東京地裁の判決では、JASRACは教師と生徒から使用料を徴収できるとしていた。21年3月の二審・知財高裁の判決では、教師の演奏については使用料を徴収できるとした一方で、生徒の演奏は徴収の対象にならないと判断。上告審では「生徒の演奏が徴収の対象になるか」が争点だった。今回の判決を受け「教師の演奏からのみ徴収できる」とした知財高裁の判決が確定した。

 一連の裁判を経て、JASRACの伊澤一雅理事長は「これにより音楽教室における演奏利用について、著作権が及ぶことが確定した」と評価。生徒の演奏に対して使用料を徴収することができないとした最高裁の判決については「JASRACの主張が認められなかったことは率直に言って残念」としつつ、教師の演奏については徴収できることから「ライセンスを取って使いましょうということが確定した。この点に関してはホッとしている」と語った。

 JASRACはこれまで、音楽教室に対して年間受講料収入の2.5%を使用料として徴収するという方針を発表している。今回の判決を踏まえ「使用料率を変更するかの答えは持ち合わせていない」と回答するが、「(使用料率を)にわかに変更しなければいけないという風にも考えていない」とも語った。

 また、音楽教室の事業者などで組織する「音楽教育を守る会」は同日、最高裁判決を受けてコメントを発表。「今後、JASRACとは、音楽教室における講師の演奏と録音物の再生演奏についての適切な著作物使用料率を求める協議を始める所存です」と方針を明かした。

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  • (左から)JASRACの伊澤一雅理事長、田中豊弁護士 (C)ORICON NewS inc.
  • JASRACの伊澤一雅理事長 (C)ORICON NewS inc.
  • 田中豊弁護士 (C)ORICON NewS inc.

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