ステージ4の原発性腹膜がんであることを告白し、闘病中の歌手・葛城ユキ（72）が17日、千葉・成田国際文化会館で行われた夢グループのコンサート『夢スター春・秋』に出演。昨年4月29日に無観客で行われた音楽フェス『NAONのYAON2021』以来のステージ復帰で、夜公演前に取材に応じた。

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　葛城は、昨年4月に夢グループを通じて、ステージ4の原発性腹膜がんであることを告白。同29日の『NAONのYAON2021』に出演し、5月から入院。昨年には2度の手術を受けていた。

　車いす姿ではあったが、この日の昼公演で葛城はステージにカムバック。闘病の日々を振り返ると「数えると早いもので。1年ぶりにステージに帰ってきた。一生懸命、戦っているうちに月日が流れた。あっという間だったような気がしますし、ある面では長く長くかかったような気がします。基本的には1年早かったな。その分、一生懸命だったんでしょうね」と心境を明かした。

　今年2月には「現状から逃げ出したい気持ちになったことも幾度となくありました」と、葛藤も告白していた。「コロナの時期で面会者もいませんし、しゃべる人もいません。看護師さん、主治医としゃべるだけ。精神的な苦しみと体の痛みと戦うことで、ちょっともう逃げ出したいような…」とぽつり。それでも「自分が頑張らないと、乗り越えないといけない。わかっている。私は復帰宣言していましたから帰る義務と責任がある。それで頑張れました」とする。「『必ず帰ってきて。待っているから』という声が頭から離れませんでした。だから頑張れた」とファンに感謝した。

　久しぶりのステージで口に出たのは「やっぱりステージはいいね」だったそう。「歌うために生まれてきたと、いつも言っていたし、思っていた。水を得た魚のような気がしました」とにっこり。目指すは2時間のワンマンライブ。この日は1曲だけの歌唱だったが「ちょっと遠いですけど。でも、急には帰れない。少しずつ、1歩ずつ歩み寄っていきたい。それ（ワンマンライブ）が早く来ることを願うだけ」と思いを口にしていた。

　最後はファンに向けて「この度は、ご心配をおかけして…。そして、大変たくさんの励ましのメッセージをいただきました。おかげさまで心の支えになりました。この苦しみを乗り越えて、また新しい自分の世界があるんじゃないか、新しい景色が見えてくるのかなと思います。こういう境遇におられる方、私も頑張りますので、頑張って乗り越えましょう」と呼びかけていた。

　また、この日は今年3月に脳梗塞で緊急入院していた歌手・あべ静江（70）も出演した。