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放送60年を越えて「みんなのうた」らしい名曲を「これからも愚直に作り続けていく」

 NHKで放送されている『みんなのうた』。1961年4月3日の放送開始から昨年(2021年)60年を迎え、21年2月から“「みんなのうた60」プロジェクト”として特集番組やイベントを展開してきた。それも、Eテレで5日に放送される『みんなのうた60フィナーレ〜みんなと共にこれからも〜』(後7:00〜7:55)をもって区切りをつけ、4月から61年目に突入する。プロジェクトを統括してきた関山幹人氏(NHKエンタープライズ)に「みんなのうた」らしさに向き合った周年事業を経て、次へと向かう意気込みについて訊いた。

Eテレで3月5日、午後7時から放送『みんなのうた60フィナーレ〜みんなと共にこれからも〜』 (C)NHK

Eテレで3月5日、午後7時から放送『みんなのうた60フィナーレ〜みんなと共にこれからも〜』 (C)NHK

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――「みんなのうた60」プロジェクトでは、オープニングタイトル(10秒)を約20年ぶりにリニューアルしたり、小田和正さんによる記念ソング「こんど、君と」が生まれたり、音楽特集番組『みんなのうた60 フェス』の生放送もありました。そして、期間中、番組ホームページで「うたの思い出」を募集していましたね(募集は終了しています)。

【関山】はい、1万通を越える投稿をいただきました。しかも、その一つひとつのエピソードが濃く、楽曲に対する思い入れがとても熱い。募集を始めた当初から、皆さんの思いを受けとめ、応え、どう並走していったらいいのか、それを考え続ける「みんなのうた60」イヤーになりました。

『みんなのうた60』オープニングタイトル(C)NHK

『みんなのうた60』オープニングタイトル(C)NHK

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――1月に放送された特集番組では、寄せられた 「うたの思い出」の全メッセージをAIデータ分析して、どのような思いを抱いているか紹介していました。

【関山】過去の周年記念特番を振り返ると、40年の時はNHKホールでの公開収録がメインイベントでした。50年、10年前はクロマキー合成使ったバーチャルスタジオからお届けしていました。半世紀の歴史ある「みんなのうた」と先端テクノロジーを用いたバーチャルを融合させていた。その時の放送・番組を楽しんでいただくことが第一なんですが、長く続いている番組ですと、節目、節目で振り返ることがあるので、後年「みんなのうた60」の番組を観た人に今の2020年代初頭の時代の雰囲気も伝わるような番組にしたいな、と意識していました。AIの活用のほかにも、「みんなのうた」事情通アバター・皆野歌夫を登場させたのもその一つです。

「みんなのうた」事情通アバター・皆野歌夫(C)NHK

「みんなのうた」事情通アバター・皆野歌夫(C)NHK

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――インターネット上のホームページから集めた人間では処理しきれないほどの膨大で多様なビッグデータの処理にAIを活用するというのは、確かに今(2020年代初頭)っぽいです。AI分析から気づいたことは?

【関山】視聴者の皆さんの思い出と、その時のうれしかったり、切なかったりした気持ちと、楽曲がものすごく結びついているということです。新曲としてリアルタイムで聴いている人もいれば、再放送でたまたま耳にして、その時の自分にすごくフィットして思い出に残っているという人も。粛々と制作・放送してきた5分番組ですが、60年で1500曲以上を放送していると、視聴者の方それぞれのその時の気持ちに刺さる、沁みる歌が何かしらあるもんだな、というのを実感しました。多くの方の思い出と結びついて、時を経ても色褪せない名曲が生まれて、60年番組が続いてきたんだということを改めて感じました。

――3月5日放送のしめくくりとなるフィナーレ特番では、1000曲以上の歌詞データをAIで分析するそうですね。

【関山】はい、今回は歌詞をAIで分析してみました。1960年代、70年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代と、10年ごとに6つに区切って紹介していきますが、歌詞の傾向からも、時代の“空気感・気分”が伺えて、それぞれの時代に寄り添って歩んできた「みんなのうた」の60年が見えてくると思います。

――「みんなのうた」のこれからについて思うことは?

【関山】60年イヤーでは隔月5分1枠だった新曲が、4−5月から5分2枠(最大4曲)に戻ります。新曲でご紹介できる楽曲数が増える分、多種多様な楽曲を、いかに視聴者に届けていけるか、ということに真摯に向き合い続けるしかない。さらに、番組が始まった当時から時代が変わって、今は誰でもSNSで作品を披露できる総クリエイター時代ですので、「みんなのうた」にふさわしい楽曲、映像は何なのか――年齢を問わずより多くの人の心に響く、いつ聴いても色褪せない、ロングテールな楽曲、つまり、いま発信できる「みんなのうた」とは…?を、自問自答しながら愚直に作り続けていく、ということだと思っています。

『みんなのうた』統括・関山幹人氏(NHKエンタープライズ)

『みんなのうた』統括・関山幹人氏(NHKエンタープライズ)

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――「みんなのうた」61年目のスタートとなる4-5月の新曲アーティスト・楽曲は、Eテレで5日放送の『みんなのうた60フィナーレ〜みんなと共にこれからも〜』(後7:00〜7:55)内で発表。これからもその時々の気持ちにぴったり寄り添ってくれるような楽曲との出会いを期待しています。

■『みんなのうた60フィナーレ〜みんなと共にこれからも〜』

放送:3月5日 後7:00〜7:55  Eテレ(※NHKプラス見逃し配信あり)
再放送:3月6日 後2:30〜3:25
出演:井ノ原快彦(みんなのうた60アンバサダー)、林田理沙アナウンサー
ゲスト:荻野目洋子ヒャダイン百田夏菜子ももいろクローバーZ) ※50音順
スペシャルゲスト:芹 洋子(「おもいでのアルバム」歌唱)
スペシャルパフォーマンス:おしりかじり虫(声:金田朋子
VTR出演:小田和正、谷山浩子Perfumeボニージャックス南家こうじ

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  1. 1. 賛否両論あるから「みんなのうた」 放送60年、変わることと変わらないこと
  2. 2. 放送60年を越えて「みんなのうた」らしい名曲を「これからも愚直に作り続けていく」
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