音楽プロデューサーの亀田誠治氏、ポルカドットスティングレイのボーカル・雫が1日、東京・六本木ヒルズ アカデミーヒルズで開催されたTHECOO（ザクー）事業戦略発表会『The Insight 2022 〜Right here, Right now〜』にゲストとして登壇した。

【写真】その他の写真を見る

　THECOOは、タレントやアーティスト、インフルエンサーら3000組以上が利用しているファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」を展開。昨年12月、東京証券取引所マザーズ市場に上場した。

　発表会の第1部では、亀田氏とTHECOOの代表取締役CEO・平良真人氏が「新しい時代の音楽体験とは」をテーマにトークセッション。平良氏は2019年に亀田氏が立ち上げた、トップアーティストからニューカマーまでジャンルレスなアーティストのライブを入場無料で観ることができる『日比谷音楽祭』に共感し意気投合したという。

　音楽メディア、テクノロジーの変遷について亀田氏は「アナログレコードから始まって、20〜30年に1回くらいメディアの変化がありますが、僕たちはテクノロジーのイノベーションの恩恵を受けているというふうに感謝したほうがいいんじゃないかと思って」と切り出した。

　「僕はアナログレコードからCD、CDからダウンロード、サブスクを経ていますけど、どの時代にも最高のアーティストやヒット曲があって、最高のクリエイターたちが生まれていて、それを聴いて育ったリスナーの方がいる。起こるべくして起こったイノベーションは全部受け入れていくべきだと思う」「新しく生まれてくるものに対して検証する必要はあるけれど、常に是とする、肯定していく姿勢が大事なんじゃないかな」と語り、イノベーションをフル活用してこそ、その先に今は想像もできないことが起こると期待した。

　続けて「クリエイティブって、いいものを作ったからそれでいいということではなくて、いいものを受け止めてくれる人がいて、それに対して消費行動が起きるというのが一番すてきな循環だと思っています」と語った亀田氏は、「今はその循環が立ち行かなくなっているところがあって、そこを広げていくことが50代の僕の使命のような気がします」とも。アーティストとリスナーの出会いの場として立ち上げ、今年も6月4〜5日に東京・日比谷公園で開催する『日比谷音楽祭』への思いを伝えていた。

　第3部では、「Fanicon」を実際に活用しているポルカドットスティングレイの雫と、「Fanicon」事業本部長の星川隼一氏がトークセッション。もともとバンドのファンクラブアプリはあったものの、「ブログ、動画、絵しりとりなど、インタラクティブ性のない投げっぱなしのコンテンツばかりで、ファンが感想を言ったり、ファン同士の交流の場がなく、月額を払っている意味のない空間になっていた」（雫）という。

　「Fanicon」を活用するようになってからはファン同士のコミニュティーが生まれ、「生配信もできるし、みんながツッコんでくれたり会話ができるのでインタラクティブ性がすごい。こっちも助かりますし、みんなも楽しい」といい、バンドにもファンにもメリットがあることを喜んだ。運用で気をつけていることとしては「文章でも写真でも絵でも、感想を言いたくなるよう、発言しやすくするように、投げかけ形式にしたり、ツッコミどころを作るようにしています」と明かした。

　雫は現在、NFT（非代替性トークン）に興味を持っているといい、「ちゃんと理解して、仕組みを使いこなせるようになったら、無限にやることを思いついて無限にやっちゃうと思う」と告白。

　「物を普通に所有するのとは感覚が違うので、まずは一緒に慣れていきたいし、地盤を作りたい。私が関わってNFTのプロジェクトをやってみて、みんながどういうところに疑問を持って、どういうところを面白がってくれるのかをすごく知りたい。最終的には、うちのベースのウエムラユウキって“画伯”なんですけど、メタバース上でユウくんの絵の“競り”がやりたいですね」と笑い、「アートワークもめっちゃ面白いことができそう。楽しくやれそうだな。こういうの大好き」と胸を高鳴らせていた。