2018年の12月からオリコンミュージックストア独占3ヶ月連続配信シングルをリリースしてきた藤家和依のソロプロジェクトACT ONE AGE。12月3日リリースの「KatharSiS」、11月27日に配信となった「WINNER」に続く最終章「Beautiful life」。藤家はこの質感の異なる3種の作品を“3ヶ月連続配信企画だったからこそ魅せることができたACT ONE AGEの個性”だと語る。無意識にステップを踏みたくなる軽やかなサウンドは、ロックというジャンルに囚われない最高の音楽スタイルだ。「Beautiful life」を通して伝えたいACT ONE AGEという形とは――?
――3部作の最終章となる「Beautiful life」は、私が知る限り、ACT ONE AGEとしてはあまりない珍しいアプローチの楽曲だなと。
「そうですね。確実に新しいものを魅せたくて作った曲でしたね。第1弾、第2弾とACT ONE AGEっぽい、ライブが見える感じの路線でやって来たし、次は5周年を迎えるにあたって新しいACT ONE AGEの一面を見せられたらいいなと思ったんですよね。」
――自分の中にはイメージはあったの?
「こういう曲調にしようというのは、「Lady Girl」(2016年6月リリース)を作った頃から自分の中にはあって。「Lady Girl」の反応がすごく良かったっていうのと、個人的にもライブ以外でも聴ける音楽っていうのをやってみたくて。ファンのみんなも早く「Lady Girl」や「Music Lover」みたいな曲作ってほしいって言ってくれていたし、いつかまたそういうの作りたいなと。今までの曲は、全部ライブのことを考えて作っていたので、自然と高揚する様なセクションを意識して作っていたんですよね。でも、今回は本当に自分が気持ちいい様に作ったというか。」
――分かるなぁ。
「んふふ。そうでしょ(笑)。なんか、歌ってて楽しい感じにしたかったんだよね。楽しいっていうか、心地いいって言った方がいいかな。」
――そうね。委ねる感じというか。
「そうそう。今まではメッセージを伝えるためにあった曲でもあったというか。思いっきり発してたし、歌い方も歌というよりも叫びという感じだったし。自分自身、それがロックだと思っていたし。今回はカラオケでもいい様な感じというか。」
――え? カラオケで歌ってる感じはちょっと違う気がするなぁ。こういう曲、カラオケで歌える人少ないと思うよ。
「え? そかな(笑)? どういうこと?」
――カラオケで歌う曲って言ったら、それこそもっとAメロBメロサビっていうのが分かりやすくハッキリしてるポピュラーな構成の曲だと思うけど、「Beautiful life」は、脱力感のある特殊な歌い方の難易度の高い曲だと思うから、これを上手く表現出来る人は少ないと思うよ。
「そうなのかなぁ(笑)? でも、まぁ、確かにね(笑)。歌ってるというより、曲の一部みたいに歌があるみたいな感じだからね。俺の中には体に入ってる感じだからさ。」
――一つの形としてボワ〜ンと入ってくる感じというか。
「たしかにね。車の中でBGMで聴ける感じにしたいなって一緒に曲を作ったknotと話してた。キー的にも少し低くしたし、ファルセットもすごく使っているしね。普通に歌うっていう感じじゃないかなって。「Beautiful life」っていうタイトルにも込めたように、歌い方も美しく聞こえる様に細かく意識したんだよね。息遣いとかも、喉の鳴らし方とかも細かく決めてレコーディングしたし。歌詞もそんな感じに響くようにしたしね。サウンド感もすごく意識したんですよ。最初はアコギでknotと作ってて、最終的にテレキャスみたいな感じに変えて。」
――うんうん。この曲はギターの音色とピッキングが肝でもあるからね。
「そう。アコギはアコギで好きだったんだけど、この曲にはテレキャスがあってる気がして。サウンドも洋楽的な要素を入れて。空間系な感じに落とし込んだんだよね。いろいろシンセミックスして合わせていったの。自分の声をボコーダーで変えて、ずっと自分の声をサウンドの一部として流れている状態にして、自分の声が演奏になっているから、すごく馴染んだのかなって思う」
――なるほど。だから声もサウンドの一部として聞こえてくるんだね。
「本当に新しい挑戦だった。ベースとかも後ろ寄りというか。海外のベーシストが胸の高い位置に構えてベース弾いてるイメージ(笑)」
――分かりやすい表現(笑)。
「うん(笑)。ジャジーな感じというかね。それプラス、スーパーローを入れてる。今までは人の耳には聞こえないハイとかローって削ってたんだけど、最近は敢えてスーパーローなところを出していくのが海外でも流行ってるらしいってのを知って、あ、なんかそれ面白そう! って思ったんで、そこも取り入れてチャレンジしてみたんです。確かに、洋楽のローって前々から気になってて。すごく深いところにいるというか」
――さすが元ベーシスト。確かに、ローが深いと奥行きが出て気持ちいからね。
「そう。前々から海外のローの使い方は気になってた。どう出してるんだろう? って。よく聴かないと分からないかもしれないけど、ライブハウスだとよく聞こえる。ボーカルが口だとして、ギターが胸の位置だったりすると、バスドラとベースはその下にいる。そこにさらにその下にスーパーローのシンセベースを入れる。だからベースがぶっとい感じに聞こえるんだと思う。今までACT ONE AGEの音はギターを分かりやすくドロップC♯のチューニングで作ってたんだけど、今回はそこをガラッと変えてみた。」
――ドロップC♯にこだわっていたのはどうして?
「“みぞおち”あたりを刺激するサウンド感を重視していたから。自分がそれが好きだったからね。それはそれでもちろん今も好きなんだけど、今回は敢えてギターを軽くしてみたんだよね。だから、自分にとってはすごく挑戦で。空間も意識したんだよね。けど、やっぱりどうしても埋めちゃう癖があってさ(笑)。いろいろと試行錯誤したんだけど、軽いギターとすごく低いベースっていうのがこの曲のポイントになったと思う。」
――なるほどね。この3ヶ月があったからこそのチャレンジでもあった?
「本当にそうだね。いいチャレンジの場になったよね。いつかやってみたいとは思っていたけど、なかなかタイミングがなかった中で、すごくいいきっかけになったというか。3曲でACT ONE AGEというものを見せていく中で、すごくいいチャレンジが出来たと思ってる。もともと自分自身、こっち系のサウンドが好きだってとこもあるからね。ザ・チェインスモーカーズとか大好きで。もちろんロックも好きなんだけど、EDM界隈のアーティストが作る空間的なサウンドがすごく好きなんだよね。だから、そっち系の音はACT ONE AGEでも作りたかったから。
でも、今までのロックの流れの中で、いきなりそういうのが入ってくるのもどうなのかな? って思っていて。ライブの流れを考えたときにも、どう魅せていくべきかなってとこでもあったし。ACT ONE AGEでやり続けるのはロックなのかな? って思っていたけど、この3ヶ月企画が、そういう概念を取っ払ってくれた気もしていて。ACT ONE AGE=藤家和依だから、なんでも出していけたらいいなと思って。」
――そうだね。今回の3ヶ月企画は長男・次男・末っ子っていう3兄弟だって言ってたしね。
「そう。血は同じだけど、それぞれの個性が全く違う感じにしたかったからね。それもあって「KatharSiS」のジャケットは3兄弟をイメージしてたから。『KatharSiS』が長男で、『WINNER』が次男で、『Beautiful life』が三男っていうイメージ」
――三男が一番大人っぽくない?
「いや、実はそんなことないんじゃない(笑)? メッセージ的にはやっぱり『KatharSiS』が一周してる感じが一番大人っぽいと思うからね。『WINNER』は正義感が強くて荒々しいって感じだけど、みんなを惹き付ける魅力があって。三男の『Beautiful life』は、『花より男子』の花沢類みたいなイメージ(笑)。ちょっと甘い感じのね。」
――なるほど(笑)。「Beautiful life」の歌詞はどういうところから?
「これはね、ニコ生でデモを流して、みんなから似合いそうなワードを募ったの。今年の1月くらいに。そしたらみんなたくさんワードを寄せてくれて。みんなかなりのポエマーで(笑)。ドライブで聴けそうな、爽やかで、一人の女性に歌った恋愛ものの歌詞を描きたい、っていう俺のイメージの基盤をもとにみんながワードを出してもらって。」
――すごいチャレンジだね! 面白い。
「そう。だからね、ファンと一緒に作った曲っていう感じが強いんだよね。今までの歌詞には夢とか希望っていうワードが多くて、その中に愛というものがあったんだけど、今回はドストレートなラブソングにしたくて。今まで開けてなかった引き出しだったから、一気に書けたというか。こういう歌詞、実はすごく好きなんだよね。でも、なんていうかな、やっぱちょっと照れくさいのもあるし、時期を見てたとこもあったというか。」
――今だから歌えた曲でもあった?
「そう。なんか、こういう歌詞を最初に出しちゃうと、印象が強く残りすぎちゃう気もしていたしね。ロックは『KatharSiS』、『WINNER』で聞かせたし、ロックだけじゃなく、日常に寄り添った感じの曲でこういう歌詞を歌いたかった。今までの歌詞は神話的なところから引っ張ってきてたりもしたからね。今回は日常にしたかった。日常と言ってもお味噌汁とか出てきちゃう日常ではなくね(笑)。みんなが普段から意識できる言葉は入れていきたかったんだよね。」
――なるほどね。そこも一つの成長なのかもね。でも、気になったのはアートワーク。逆に日常的ではなく幻想的じゃない?
「Bメロ部分の歌詞に、“姿や愛(カタチ)は変わっていくけど、君は僕のprincess”っていう表現があるんだけど、シワが増えても、形が老いても、永遠に自分の中で特別な人なんだよっていうことが伝えたくて。それをアートワークに落とし込んだんだよね。ジャケットの場所って廃墟なのね。古いものだったり、ボロボロなものだったりの中で撮りたくて。古いもの=汚いもの。朽ちたもの、っていうことじゃなく、古いからこその美しさみたいなのを出したくて。長い年月を経たからこそ美しさを表現したかったの。
恋愛してたら、時にぶつかったりもするだろうし、いろんなことがあると思う。でも、本当に美しいものって、見た目じゃなくて、一緒に過ごした時間だったり、目に見えないものだったりするんじゃないかなって。この場所も廃墟だけど綺麗に見えるでしょ。ベースもおいてあるんだけど、あれもよく見ると弦が切れてたりするの。決して弾けるものではないんだけど、やっぱりそこにある思い出が美しいものだったりするんだよね。ベースというのは僕にとって過去のことなのかもしれないけど、それも今の僕にとっては美しい思い出だしね。」
――素敵なテーマが隠されている曲でもあるんだね。5年続けてきて思うこと、ここから5年先に思うことは?
「5年じゃやり切れなかったことってたくさんあるなって思うし、5年の中では頭の中にあるものはまだやれないことが多かった気がしてる。【Beautiful life】という形の表現も5年やってきてやっと出来たことだったし。頭の中に思い描いている事なんて言い出したらたくさんありすぎるくらい。でも5年の中でやれることは精一杯やってきたと思ってる。
ここまでの5年って、まず続けることが大事だったんだよね。やっていく上で見えてくることもあったし、続けていくことこそが全てだったんですけど、この先の5年はまたちょっと違ってくるのかなって。今までの5年は絶対にみんなのこと裏切れないっていう思いがすごく強くて、そこが自分の原動力になっていたりもしたんだけど、わからないことだらけの中、手探りだったけど、本気は見せられたとはっきり言える。でも、全然満足はしていないし、何も目標をクリア出来ていないと思うから、次の5年は自分が掲げた目標をクリアしていくという5年にしたいと思ってる。
具体的には、箱(ライブハウス)を目標としていけたらなと思っていて。凄いありきたりなんだけど、今までは箱を目標にしたことってなかったから、そこを一つの目標としていくのもありなのかなって。本当は人が集まったら箱を上げていくっていうことをイメージしていたんだけど、5年の中ではそれを形に出来なかったとこもあるから、箱という具体的なところを目標として置いて進んでいけたらいいなと思ってる。今、音楽が0円の時代になってきてたりするから、どうやって音楽を魅せていけるのかって、すごく考えなくちゃいけないって思うよね。」
――音楽だけ、という時代じゃなくなるのかもね。
「そう。だから、やらないで後悔してるよりプライド捨ててでもやれるものは全部やりたい。ただただ音楽だけをやるんじゃなく、役者もやるし、ニコ生にも、YouTube配信もどんどんやっていきたいと思ってる。とにかくみんなの目に触れることをやっていけたらいいなって思ってる。どこでどう出逢ってくれるか分からないからね。
音楽を続けられてHappyじゃなくて、どうせ進むんだったら、もっともっとみんなにACT ONE AGEを知ってほしい。一番導きたいACT ONE AGEの音楽を繋げるために全てやっていきたいと思う。ミュージシャンだから役者をやっちゃいけないということではないし、ギタリストだったらギターしか弾いちゃいけないというわけじゃないでしょ。僕は僕。ACT ONE AGEは何をやったとしても全然ブレてないし、昔からそう育ってきた。ACT ONE AGEで在り続けるなら、誰が決めたかわからない固定概念で小さくまとまりたくない。僕は僕のやり方で、この先も精一杯ACT ONE AGEであれたらいいなと思っています。」
ライター:武市尚子
――3部作の最終章となる「Beautiful life」は、私が知る限り、ACT ONE AGEとしてはあまりない珍しいアプローチの楽曲だなと。
「そうですね。確実に新しいものを魅せたくて作った曲でしたね。第1弾、第2弾とACT ONE AGEっぽい、ライブが見える感じの路線でやって来たし、次は5周年を迎えるにあたって新しいACT ONE AGEの一面を見せられたらいいなと思ったんですよね。」
「こういう曲調にしようというのは、「Lady Girl」(2016年6月リリース)を作った頃から自分の中にはあって。「Lady Girl」の反応がすごく良かったっていうのと、個人的にもライブ以外でも聴ける音楽っていうのをやってみたくて。ファンのみんなも早く「Lady Girl」や「Music Lover」みたいな曲作ってほしいって言ってくれていたし、いつかまたそういうの作りたいなと。今までの曲は、全部ライブのことを考えて作っていたので、自然と高揚する様なセクションを意識して作っていたんですよね。でも、今回は本当に自分が気持ちいい様に作ったというか。」
――分かるなぁ。
「んふふ。そうでしょ(笑)。なんか、歌ってて楽しい感じにしたかったんだよね。楽しいっていうか、心地いいって言った方がいいかな。」
――そうね。委ねる感じというか。
「そうそう。今まではメッセージを伝えるためにあった曲でもあったというか。思いっきり発してたし、歌い方も歌というよりも叫びという感じだったし。自分自身、それがロックだと思っていたし。今回はカラオケでもいい様な感じというか。」
――え? カラオケで歌ってる感じはちょっと違う気がするなぁ。こういう曲、カラオケで歌える人少ないと思うよ。
「え? そかな(笑)? どういうこと?」
――カラオケで歌う曲って言ったら、それこそもっとAメロBメロサビっていうのが分かりやすくハッキリしてるポピュラーな構成の曲だと思うけど、「Beautiful life」は、脱力感のある特殊な歌い方の難易度の高い曲だと思うから、これを上手く表現出来る人は少ないと思うよ。
「そうなのかなぁ(笑)? でも、まぁ、確かにね(笑)。歌ってるというより、曲の一部みたいに歌があるみたいな感じだからね。俺の中には体に入ってる感じだからさ。」
――一つの形としてボワ〜ンと入ってくる感じというか。
「たしかにね。車の中でBGMで聴ける感じにしたいなって一緒に曲を作ったknotと話してた。キー的にも少し低くしたし、ファルセットもすごく使っているしね。普通に歌うっていう感じじゃないかなって。「Beautiful life」っていうタイトルにも込めたように、歌い方も美しく聞こえる様に細かく意識したんだよね。息遣いとかも、喉の鳴らし方とかも細かく決めてレコーディングしたし。歌詞もそんな感じに響くようにしたしね。サウンド感もすごく意識したんですよ。最初はアコギでknotと作ってて、最終的にテレキャスみたいな感じに変えて。」
――うんうん。この曲はギターの音色とピッキングが肝でもあるからね。
「そう。アコギはアコギで好きだったんだけど、この曲にはテレキャスがあってる気がして。サウンドも洋楽的な要素を入れて。空間系な感じに落とし込んだんだよね。いろいろシンセミックスして合わせていったの。自分の声をボコーダーで変えて、ずっと自分の声をサウンドの一部として流れている状態にして、自分の声が演奏になっているから、すごく馴染んだのかなって思う」
――なるほど。だから声もサウンドの一部として聞こえてくるんだね。
「本当に新しい挑戦だった。ベースとかも後ろ寄りというか。海外のベーシストが胸の高い位置に構えてベース弾いてるイメージ(笑)」
――分かりやすい表現(笑)。
「うん(笑)。ジャジーな感じというかね。それプラス、スーパーローを入れてる。今までは人の耳には聞こえないハイとかローって削ってたんだけど、最近は敢えてスーパーローなところを出していくのが海外でも流行ってるらしいってのを知って、あ、なんかそれ面白そう! って思ったんで、そこも取り入れてチャレンジしてみたんです。確かに、洋楽のローって前々から気になってて。すごく深いところにいるというか」
――さすが元ベーシスト。確かに、ローが深いと奥行きが出て気持ちいからね。
「そう。前々から海外のローの使い方は気になってた。どう出してるんだろう? って。よく聴かないと分からないかもしれないけど、ライブハウスだとよく聞こえる。ボーカルが口だとして、ギターが胸の位置だったりすると、バスドラとベースはその下にいる。そこにさらにその下にスーパーローのシンセベースを入れる。だからベースがぶっとい感じに聞こえるんだと思う。今までACT ONE AGEの音はギターを分かりやすくドロップC♯のチューニングで作ってたんだけど、今回はそこをガラッと変えてみた。」
――ドロップC♯にこだわっていたのはどうして?
「“みぞおち”あたりを刺激するサウンド感を重視していたから。自分がそれが好きだったからね。それはそれでもちろん今も好きなんだけど、今回は敢えてギターを軽くしてみたんだよね。だから、自分にとってはすごく挑戦で。空間も意識したんだよね。けど、やっぱりどうしても埋めちゃう癖があってさ(笑)。いろいろと試行錯誤したんだけど、軽いギターとすごく低いベースっていうのがこの曲のポイントになったと思う。」
――なるほどね。この3ヶ月があったからこそのチャレンジでもあった?
「本当にそうだね。いいチャレンジの場になったよね。いつかやってみたいとは思っていたけど、なかなかタイミングがなかった中で、すごくいいきっかけになったというか。3曲でACT ONE AGEというものを見せていく中で、すごくいいチャレンジが出来たと思ってる。もともと自分自身、こっち系のサウンドが好きだってとこもあるからね。ザ・チェインスモーカーズとか大好きで。もちろんロックも好きなんだけど、EDM界隈のアーティストが作る空間的なサウンドがすごく好きなんだよね。だから、そっち系の音はACT ONE AGEでも作りたかったから。
でも、今までのロックの流れの中で、いきなりそういうのが入ってくるのもどうなのかな? って思っていて。ライブの流れを考えたときにも、どう魅せていくべきかなってとこでもあったし。ACT ONE AGEでやり続けるのはロックなのかな? って思っていたけど、この3ヶ月企画が、そういう概念を取っ払ってくれた気もしていて。ACT ONE AGE=藤家和依だから、なんでも出していけたらいいなと思って。」
――そうだね。今回の3ヶ月企画は長男・次男・末っ子っていう3兄弟だって言ってたしね。
「そう。血は同じだけど、それぞれの個性が全く違う感じにしたかったからね。それもあって「KatharSiS」のジャケットは3兄弟をイメージしてたから。『KatharSiS』が長男で、『WINNER』が次男で、『Beautiful life』が三男っていうイメージ」
――三男が一番大人っぽくない?
「いや、実はそんなことないんじゃない(笑)? メッセージ的にはやっぱり『KatharSiS』が一周してる感じが一番大人っぽいと思うからね。『WINNER』は正義感が強くて荒々しいって感じだけど、みんなを惹き付ける魅力があって。三男の『Beautiful life』は、『花より男子』の花沢類みたいなイメージ(笑)。ちょっと甘い感じのね。」
――なるほど(笑)。「Beautiful life」の歌詞はどういうところから?
「これはね、ニコ生でデモを流して、みんなから似合いそうなワードを募ったの。今年の1月くらいに。そしたらみんなたくさんワードを寄せてくれて。みんなかなりのポエマーで(笑)。ドライブで聴けそうな、爽やかで、一人の女性に歌った恋愛ものの歌詞を描きたい、っていう俺のイメージの基盤をもとにみんながワードを出してもらって。」
――すごいチャレンジだね! 面白い。
「そう。だからね、ファンと一緒に作った曲っていう感じが強いんだよね。今までの歌詞には夢とか希望っていうワードが多くて、その中に愛というものがあったんだけど、今回はドストレートなラブソングにしたくて。今まで開けてなかった引き出しだったから、一気に書けたというか。こういう歌詞、実はすごく好きなんだよね。でも、なんていうかな、やっぱちょっと照れくさいのもあるし、時期を見てたとこもあったというか。」
――今だから歌えた曲でもあった?
「そう。なんか、こういう歌詞を最初に出しちゃうと、印象が強く残りすぎちゃう気もしていたしね。ロックは『KatharSiS』、『WINNER』で聞かせたし、ロックだけじゃなく、日常に寄り添った感じの曲でこういう歌詞を歌いたかった。今までの歌詞は神話的なところから引っ張ってきてたりもしたからね。今回は日常にしたかった。日常と言ってもお味噌汁とか出てきちゃう日常ではなくね(笑)。みんなが普段から意識できる言葉は入れていきたかったんだよね。」
――なるほどね。そこも一つの成長なのかもね。でも、気になったのはアートワーク。逆に日常的ではなく幻想的じゃない?
「Bメロ部分の歌詞に、“姿や愛(カタチ)は変わっていくけど、君は僕のprincess”っていう表現があるんだけど、シワが増えても、形が老いても、永遠に自分の中で特別な人なんだよっていうことが伝えたくて。それをアートワークに落とし込んだんだよね。ジャケットの場所って廃墟なのね。古いものだったり、ボロボロなものだったりの中で撮りたくて。古いもの=汚いもの。朽ちたもの、っていうことじゃなく、古いからこその美しさみたいなのを出したくて。長い年月を経たからこそ美しさを表現したかったの。
恋愛してたら、時にぶつかったりもするだろうし、いろんなことがあると思う。でも、本当に美しいものって、見た目じゃなくて、一緒に過ごした時間だったり、目に見えないものだったりするんじゃないかなって。この場所も廃墟だけど綺麗に見えるでしょ。ベースもおいてあるんだけど、あれもよく見ると弦が切れてたりするの。決して弾けるものではないんだけど、やっぱりそこにある思い出が美しいものだったりするんだよね。ベースというのは僕にとって過去のことなのかもしれないけど、それも今の僕にとっては美しい思い出だしね。」
――素敵なテーマが隠されている曲でもあるんだね。5年続けてきて思うこと、ここから5年先に思うことは?
「5年じゃやり切れなかったことってたくさんあるなって思うし、5年の中では頭の中にあるものはまだやれないことが多かった気がしてる。【Beautiful life】という形の表現も5年やってきてやっと出来たことだったし。頭の中に思い描いている事なんて言い出したらたくさんありすぎるくらい。でも5年の中でやれることは精一杯やってきたと思ってる。
ここまでの5年って、まず続けることが大事だったんだよね。やっていく上で見えてくることもあったし、続けていくことこそが全てだったんですけど、この先の5年はまたちょっと違ってくるのかなって。今までの5年は絶対にみんなのこと裏切れないっていう思いがすごく強くて、そこが自分の原動力になっていたりもしたんだけど、わからないことだらけの中、手探りだったけど、本気は見せられたとはっきり言える。でも、全然満足はしていないし、何も目標をクリア出来ていないと思うから、次の5年は自分が掲げた目標をクリアしていくという5年にしたいと思ってる。
具体的には、箱(ライブハウス)を目標としていけたらなと思っていて。凄いありきたりなんだけど、今までは箱を目標にしたことってなかったから、そこを一つの目標としていくのもありなのかなって。本当は人が集まったら箱を上げていくっていうことをイメージしていたんだけど、5年の中ではそれを形に出来なかったとこもあるから、箱という具体的なところを目標として置いて進んでいけたらいいなと思ってる。今、音楽が0円の時代になってきてたりするから、どうやって音楽を魅せていけるのかって、すごく考えなくちゃいけないって思うよね。」
――音楽だけ、という時代じゃなくなるのかもね。
「そう。だから、やらないで後悔してるよりプライド捨ててでもやれるものは全部やりたい。ただただ音楽だけをやるんじゃなく、役者もやるし、ニコ生にも、YouTube配信もどんどんやっていきたいと思ってる。とにかくみんなの目に触れることをやっていけたらいいなって思ってる。どこでどう出逢ってくれるか分からないからね。
音楽を続けられてHappyじゃなくて、どうせ進むんだったら、もっともっとみんなにACT ONE AGEを知ってほしい。一番導きたいACT ONE AGEの音楽を繋げるために全てやっていきたいと思う。ミュージシャンだから役者をやっちゃいけないということではないし、ギタリストだったらギターしか弾いちゃいけないというわけじゃないでしょ。僕は僕。ACT ONE AGEは何をやったとしても全然ブレてないし、昔からそう育ってきた。ACT ONE AGEで在り続けるなら、誰が決めたかわからない固定概念で小さくまとまりたくない。僕は僕のやり方で、この先も精一杯ACT ONE AGEであれたらいいなと思っています。」
ライター:武市尚子
2019/04/04





