深刻化する「チケット高額転売とネットダフ屋行為」の抑止に向けたシンポジウム『チケット高額転売問題』が6日、都内で行われた。パネルディスカッションには、ミュージシャンの岸谷香、デーモン閣下、元陸上選手でDEPORTARE PARTNERS代表の為末大氏、日本音楽制作者連盟の常務理事・野村達矢氏が登壇し、意見を交わした。
昨年4月に同議員連盟が法整備に向けた報告会を行ったほか、6月には日本音楽制作者連盟など業界4団体がチケットの定価取引を仲介するリセールサイト「チケトレ」をスタート。11月8日にはオークションサイトの「ヤフオク!」が転売目的で入手したチケットを出品禁止としたことを発表するなど、課題解決へ向けた取り組みが各所で進められた。
この日のシンポジウムでは歌手のさだまさし、5人組バンド・サカナクションの山口一郎がそれぞれビデオメッセージを寄せた。さだは「できるだけクオリティの高いステージをできるだけ安い料金で楽しんでもらうというのが僕らの夢。それを転売するためだけにチケットを購入するというのは、一番許せない」と呼びかけ、山口も「以前からチケット転売問題は、悪影響を与えるのではないかと非常に危惧していました。文化と文化の間に関係のない人間が入っていることに、非常に憤りを感じていましたし、何とかしてこういう状況をクリアにしていくため、皆さま方のお知恵をお願いします」と訴えた。
その後に行われたディスカッションで、まずデーモン閣下が「フハハハ…笑いごとではない話が進んでいると、1年くらい前から各方面より説明を受けていた。先ほど、さださんがおっしゃっていたように、アーティストはみんなが思っているほど(ライブで)お金をもらっていません。主催するのは、ほぼノーギャラと言ってもいいくらい。それはなぜかと言うと、老若男女いろんなファンの方に楽しんでもらいたいというのと、それが将来の投資につながるから。そんな思いでやっているのに、本来行きわたるべきではないところにお金がいっているというのと、転売会社がやっていることが、悪いことだと思っていない人が非常に多いのが問題だと吾輩は思っている」と論点を整理した。
為末氏はアスリートの立場から「競技場がいっぱいになっている時とスカスカになっている時のパフォーマンスは確実に違う。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ライブへの希少性も高まっていく中で、何が現実的にできるのか考えていきたい。オフィシャルのチケット譲渡、テクノロジーを上手く使いながら、ファンとアーティストが直接つながって、アーティストに利益が還元されるような仕組みを考えていくことが大切だと思います」と言葉に力を込めた。
岸谷は、自身の子どもがフェスのチケットを転売サイトで購入しようとしていたと明かし「子どもが『めちゃくちゃ人気のあるフェスだから正規の値段で買えなくて、うんと高い値段で買った』と言っていて、本人は全然悪びれている様子はなかったんです」と認識のズレがあることを指摘。「ライブでは一番前の人から後ろにいる人まで、みんなに楽しんでもらえるようにステージも工夫しながら作っています。それなのに、転売されて一番前の席がすごく高い値段になっていて、結果的に誰も買えなくて、その席がポツンとなっているのを見ると本当にさみしい」と早期の改善を訴えていた。
その後の議論では、転売対策として曜日に応じてチケットの値段を変える仕組みを打ち出すことなどが提案された。
昨年4月に同議員連盟が法整備に向けた報告会を行ったほか、6月には日本音楽制作者連盟など業界4団体がチケットの定価取引を仲介するリセールサイト「チケトレ」をスタート。11月8日にはオークションサイトの「ヤフオク!」が転売目的で入手したチケットを出品禁止としたことを発表するなど、課題解決へ向けた取り組みが各所で進められた。
この日のシンポジウムでは歌手のさだまさし、5人組バンド・サカナクションの山口一郎がそれぞれビデオメッセージを寄せた。さだは「できるだけクオリティの高いステージをできるだけ安い料金で楽しんでもらうというのが僕らの夢。それを転売するためだけにチケットを購入するというのは、一番許せない」と呼びかけ、山口も「以前からチケット転売問題は、悪影響を与えるのではないかと非常に危惧していました。文化と文化の間に関係のない人間が入っていることに、非常に憤りを感じていましたし、何とかしてこういう状況をクリアにしていくため、皆さま方のお知恵をお願いします」と訴えた。
その後に行われたディスカッションで、まずデーモン閣下が「フハハハ…笑いごとではない話が進んでいると、1年くらい前から各方面より説明を受けていた。先ほど、さださんがおっしゃっていたように、アーティストはみんなが思っているほど(ライブで)お金をもらっていません。主催するのは、ほぼノーギャラと言ってもいいくらい。それはなぜかと言うと、老若男女いろんなファンの方に楽しんでもらいたいというのと、それが将来の投資につながるから。そんな思いでやっているのに、本来行きわたるべきではないところにお金がいっているというのと、転売会社がやっていることが、悪いことだと思っていない人が非常に多いのが問題だと吾輩は思っている」と論点を整理した。
為末氏はアスリートの立場から「競技場がいっぱいになっている時とスカスカになっている時のパフォーマンスは確実に違う。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ライブへの希少性も高まっていく中で、何が現実的にできるのか考えていきたい。オフィシャルのチケット譲渡、テクノロジーを上手く使いながら、ファンとアーティストが直接つながって、アーティストに利益が還元されるような仕組みを考えていくことが大切だと思います」と言葉に力を込めた。
岸谷は、自身の子どもがフェスのチケットを転売サイトで購入しようとしていたと明かし「子どもが『めちゃくちゃ人気のあるフェスだから正規の値段で買えなくて、うんと高い値段で買った』と言っていて、本人は全然悪びれている様子はなかったんです」と認識のズレがあることを指摘。「ライブでは一番前の人から後ろにいる人まで、みんなに楽しんでもらえるようにステージも工夫しながら作っています。それなのに、転売されて一番前の席がすごく高い値段になっていて、結果的に誰も買えなくて、その席がポツンとなっているのを見ると本当にさみしい」と早期の改善を訴えていた。
その後の議論では、転売対策として曜日に応じてチケットの値段を変える仕組みを打ち出すことなどが提案された。
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2018/02/06