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高橋みなみが語る盟友・前田敦子の存在…インタビュー【1/3】

 今月8日、東京・秋葉原の専用劇場がオープン10周年を迎えたAKB48。その1期生であり、300人を超すAKB48グループの総監督として強力なリーダーシップを発揮してきた高橋みなみが、自身の体験を語った『リーダー論』(講談社、12月24日発売)を出版する。女性だけのグループを生き抜くために身につけたコミュニケーション力、スピーチ力、そして、比類なき統率力の成り立ちを聞く。

ORICON STYLEのインタビューで本音を語った高橋みなみ (C)ORICON NewS inc.

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――リーダーになったきっかけが2つあり、一つ目は「あこがれのあゆ姉(同期の折井あゆみ=07年1月卒業)みたいになりたかった」から。折井さんはどんなリーダーでしたか。

【高橋】ひと言で言うなら“歌のお姉さん”。本当に優しかった。1期生は年齢差がすごく邪魔していたんです。私は14歳、中学2年で入ってきて、同い年の前田敦子板野友美をはじめ同年代の子と固まっていましたし、お姉さん同士も固まっていました。でも、20歳で最年長だったあゆ姉が年少組に「みんなやるよ〜」と優しく言ってくれたり、「みなみ、大丈夫?」と気遣ってくれたり。年少組は「あゆ姉、あゆ姉」と慕って、歌のお姉さんの周りではしゃぐ子どもたちのようでした。あゆ姉をきっかけにお姉さん組との関わりの輪が広がっていきましたが、あゆ姉がいなかったらそれも難しかったと思います。

――もう一つのきっかけが、「前田敦子にはなれないと気づいてしまった」からと本の中で語っていました。そもそもAKB48のシングルの初代センターは高橋さんでした。インディーズ1stシングル「桜の花びらたち」(06年2月発売)でセンターに指名された状況を振り返っていただけますか。

【高橋】ただ淡々と、前田1番、高橋0番(センター)とか、(立ち位置の)番号を言われて、そこに立ったら真ん中だった(笑)。高橋はこういう理由で0番なんだよという説明はなかったんです。人気がある、かわいいといった誰もが納得する理由がある人がセンターなら「そうだよね」ってなりますけど、私は劣等生でした。ダンスもできないし、背も低いし、何もいいところがない。それなのになぜか、大事な曲のセンターに立たせてもらって。今だから面白話として言えますが、ともちん(板野友美)やみぃちゃん(峯岸みなみ)は、もともとダンスをやっていたのでスキルが高かったのに、なぜかダンスが下手くそな私が真ん中にいるから、「えっ? なんで?」って(笑)。

――インディーズ2枚目「スカート、ひらり」で前田さんとWセンターとなり、メジャーデビューシングル「会いたかった」から次第に「前田敦子=センター」というイメージが定着していくことにショックなどはあったんですか。

【高橋】徐々に空気として“このグループは前田敦子をセンターに置くことを選んだんだ”というのがわかってくるんです。それを受け止めなきゃいけなかったのが苦しかったですね。もう敦子のいるポジションに私がなることはないんだと、子ども心にもわかりました。

――嫉妬はなかったんですか。

【高橋】敦子はセンターをやりたかったわけではないけど、独自の輝きを放っていました。それに、一緒にやってきた同期の仲間なので、自分はセンターではなくなったんだな、役割が違ってきたんだという受け止め方でした。でもこのままだと下がる一方で、もしかしたら楽曲の選抜にも入れなくなってしまうかもしれない。グループの中で生きるため、選抜に入るためには、何を求められていて、どの個性を伸ばさないとここにはいられないのかを考える必要がありました。そのときに、自分の適性はセンターではなく、グループを引っ張ることなのかもしれないと気づき始めました。

――以前は“すべりキャラ”としていじられていたのが、いつからかガラッと変わった。

【高橋】これは、言い訳みたいに聞こえちゃうかもしれないんですけど(笑)。さっきも言った“グループの中で生きていくため”というのが私の中でずっとあって、すべることもそのうちの一つだと思っていました。これやったら空気変わっちゃうな、これを言ったら空気凍るなというのはもちろんわかっています(笑)。でも、それをやる人がいない。場をかき乱したり、何か印象として残すメンバーがいなかったから、だったらひとまず何か言ってみて、すべるところまでいってしまったほうがいじってもらえるかもしれないと。

――役割としてすべっていたんですね(笑)。

【高橋】はい。私はそのつもりです(笑)。でもある時から自分に求められていることがそこではなくなったんです。引っ張ることやライブのサプライズでまとめることを求められたときに、もうすべるのは邪魔になるからやめようと。

――スピーチを上達させるために練習し、名言集などもよく読んだそうですが、書き留めたネタ帳のようなものはあるんですか。

【高橋】もとから『ワンピース』や『NARUTO』といった少年漫画が好きなんです。主人公は読者を惹きつける太文字になるような言葉を言う。だから次のページ、次の巻を読みたくなる。太文字がないと聞いていてもだらけるので、基本、太文字になる言葉を意識してしゃべっています。書き留めてはいませんが、漫画だったり、スティーブ・ジョブズさんのスピーチ、いろんな人の名言集などを読んで、頭に入れておきます。そうすればいつか自分の言葉になって出てくる時があるんです。漫画はすごく緻密に計算されているので、個人的にはすごく勉強になると思います。私はしゃべっているとき、マンガのコマ割りのように見えているので、ここは間を作ろうとか、頭の中で構成を考えています。

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