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福岡出身なのに北海道でブレイク 話題の“演歌男子”山内惠介とは?

 「歌謡ポップスチャンネル」の番組『演歌男子。』をきっかけに、注目を集めている若手の男性演歌・歌謡曲歌手。最近では“演歌男子”という言葉自体が広がりを見せており、メディアでもたびたび特集が組まれている。そのブームを作るきっかけとなった一人が、デビューから15周年を迎えるイケメン歌手、山内惠介だ。他の演歌男子たちと違い、キャリア的にはすでに中堅とも言えるが、実は本格的にセールスを伸ばしてきたのはここ5年ほど。昨年発売の「恋の手本」は最高9位と念願のTOP10入りを果たし、『メレンゲの気持ち』『徹子の部屋』などテレビ番組で見る機会も多くなった。メディアではブレイクの理由として、握手などでの丁寧な対応ぶりがたびたび取り上げられているが、その下地には、演歌・歌謡曲の歌手としては珍しい“エリア発”のブレイクがある。

念願のTOP10入りを果たした「恋の手本」。写真は9月発売の“紅盤”

念願のTOP10入りを果たした「恋の手本」。写真は9月発売の“紅盤”

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■福岡出身、異例の北海道ツアーも開催

 山内は2001年、高校生のときにデビュー。氷川きよしらと同じ作曲家・水森英夫氏の門下生で、デビュー作「霧情」でいきなり総合TOP100入りしていたことから、当時の注目度の高さがうかがえる。その後のシングルも一定のセールスを確保していたものの、2008年発売の「恋する街角」まではセールス面では停滞期が続いていた。飛躍的に知名度を伸ばすきっかけとなったのが、『NHK歌謡コンサート』をきっかけに2008年、北川大介、竹島宏とともに結成した演歌・歌謡曲ユニット「イケメン3」。3人で『歌コン』出演やキャンペーンを重ね、情報番組でも取り上げられるなど話題を集めた。

 そしてその人気を決定づけたのが、2009年9月に発売したシングル「風蓮湖」。北海道・根室半島に実在する“風蓮湖”を舞台にした同曲では、ラジオやキャンペーンなど北海道でのプロモーションを重点的に実施。その結果、何と北海道地区では最高3位を記録。現在では福岡出身でありながら、道内のラジオやテレビでレギュラー番組を持ち、道内ツアーの開催のほか、札幌ドームでのプロ野球公式戦では演歌歌手として異例の国歌斉唱を果たすまでに。「白樺の誓い」「釧路空港」など、その後のシングルでも北海道で突出したセールスを記録していることからも、その人気の定着ぶりが窺える。

 とはいえ、特定の土地を舞台にした作品を歌い、その土地でのプロモーションに注力している歌手は他にもたくさんいる。いわゆる“ご当地ソング”にとどまらず、エリア人気を獲得したのはなぜか? まずは「風蓮湖」以降も継続して北海道プロモーションを実施し、現地メディアでのレギュラー番組を持っていることが強みとして挙げられるだろう。そしてその根底にあるのが、彼の親しみやすい人柄。最近ではファンへの丁寧な対応が様々なメディアでも取り上げられているが、スタッフやマスコミなど、誰に対しても分け隔てなく真心をもって接する。北海道でのラジオ出演の際には毎回1人で出向き、現場スタッフとも良好な関係を築いているというエピソードからも、その人柄が内面からにじみ出ているものだということがわかる。

■北海道エリアでの人気が全国へ

 そしてその人柄の魅力を如何なく伝えられる場所が、デビュー当時から大事にしてきたキャンペーンだ。特に「風蓮湖」以降はショッピングモールでのキャンペーンに力を入れており、これが北海道にとどまらない全国規模でのブレイクの下地となっている。その本数は年間100本以上にも及ぶほどだ。山内自身も「キャンペーンにかける思いは人一倍強い。キャンペーンで歌っているときが一番輝いている気がします。自分の原点なんですよね」と話す。そして「人格が歌を作る」と続ける。

「ファンの方は様々なジャンルの歌を聴いてきて演歌にたどりついていますから、彼らに支持していただくというのは、テクニックでどうにかなるものではないんです。うまいけどなんか違うなって、そういう部分が見えてしまう。いかに31歳の人間としてどうあるべきかというのは常に考えていますね。よく水森先生に言われたのが、お前はデビューが早かったし、内弟子生活もそんなに長くなかったから、お客様に磨かれて育ててもらうんだなって。この言葉をもらって長くなりますけど、本当にその通りだと思うんです。狙ったり、なれ合いでやってたりすると、すぐばれますし、ファンの方に喜んでもらえる歌を歌っていくにはどうすればいいのか、いつも追求しています。キャンペーンは本当に磨かれる場所ですね」。

 2015年は勝負の年。2月18日には、デビュー15周年記念の第1弾シングル「スポットライト」の発売も控えている。テレビ番組への出演を通してお茶の間にまで魅力が知られつつある今、どこまでセールスを伸ばしていけるか、まずは初週の動向に注目したい。

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