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ヒット作を生む話題の“サラリーマンアーティスト”DJ和って!?

 アーティストのDJ和が、『ノイタミナ10TH ANNIVERSARY BEST』(7月2日発売)と『A GIRL ↑↑2』夏限定ジャケット(7月21日発売)の新装盤を発売。洋楽や日本のHIP HOPやR&Bが主流となるミックスCDの世界で、ほぼ唯一の存在として、J-POPばかりを選曲してヒット作を連発。ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズの業務委託社員でもある、サラリーマンDJが生み出すヒット作の秘訣を探った。

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◆レーベル社員でもあるからこそできた、細かなリサーチや分析

 デビュー作となる『J-ポッパー伝説』を始め、『J-アニソン神曲祭り』、『A GIRL ↑↑』などDJ和関連作品の売り上げが28.5万枚を記録(オリコン調べ)。こうしたミックスCDは、都会よりも、生活の足として車が欠かせない地域で、特に売れる傾向にあるそう。『J-ポッパー伝説』は、いちばん売れたのが広島で、それに続いて北関東で特に人気があったと言う。どこで、どんな風に、誰と聴くのかをイメージすることが、ヒットにつながっているのではと、DJ和は自己分析する。

 「車ユーザーに近いお店と密着した何か新しいことができないかと話をしていて。いわゆる王道のミックスでありながら、北関東や地方型の新しい企画CDを出そうということで生まれたのが『A GIRL↑↑』です。大きな駐車場を完備したショッピングモールで、車で買い物にやって来て、買ったCDを聴きながら帰るという、地元の方の生活リズムを想像して作りました。地方では、あまりオシャレすぎるものよりも、ストレートに今ヒットしているものの方が好まれる。本場のHIP HOPやR&Bに寄りすぎず、お茶の間感やドライブ感がありながら、みんなで楽しくワイワイとアガれる、そういうコンセプトで選曲しました」

 実際に『A GIRL↑↑』がもっとも売れたのは、鹿児島のショップだったそう。そうした細かなリサーチや分析をした上での企画やプロモーション戦略を練ることができたのは、DJ和がソニーの社員でもあることが大きい。DJ和として活動しながら、2010年から業務委託でソニー・ミュージックアソシエテッドレコーズ A&Rルーム1に籍を置く。レーベル側の意見はもちろん、アーティストの意見、ユーザーの意見、すべてが集約されるレコード会社にいることのメリットは大きいと話す。

 「DJだけやっていたときでは、決して分からなかったことをたくさん学んでいます。CDをリリースすると、毎日のようにバックオーダー(入荷待ちになっている注文)が何枚とか、デイリーランキングで何位とか、様々な情報が入って来る。それにアンケートはがきという形で、ユーザーの意見を聞くこともできます。何か企画を考えたときも、同じ社内でのことなので、物事が非常にスピーディーに動く。デメリットは考えつかないですね。ただ何か悪いことがあったときに、僕が直撃を食らうくらいです(笑)」

◆気になる給料体系は……!?

 サラリーマンDJということで、きっと誰もが気になるのが、印税を含む給料体系のことだろう。そのあたりは、いったいどうなっているのか?

 「僕の場合は、自分で作詞・作曲しているわけではないので、印税みたいなものはありません。アーティスト契約のみでやっていたときは、活動に応じてギャランティーが入るという形でしたので、ギャランティーが給料に代わったような感じです。あとDJ和としてイベントに出演することもあるので、そのときは別にギャランティーが出ます。とは言えイベントはたいてい休日なので、そのぶん休みが減るんですけどね(笑)」

 ミックスCDは、インディーズからも有名なヒット曲を扱ったものが数多く出ているが、そういう場合はたいていカバーで、打ち込みの曲を無名のアーティストが歌っていたりする。その点オリジナルの原曲を、そのまま使用できるのは、メジャーレーベルがリリースするからこその強みだろう。そこに籍を置くことで、楽曲使用の許諾申請が通りやすくなるメリットもあると話す。『A GIRL↑↑2』のように、ソニーミュージック所属のアーティストだけでなく、FUNKY MONKEY BABYSやももいろクローバーZなど、多彩で超人気のアーティストばかりを収録できたのは、サラリーマンDJのDJ和だからこそできたと言える。

◆フットワークの軽さもヒットの要因か――

 DJになった当初は、クラブで洋楽のHIP HOPやR&Bをかけており、たまにお遊び的にJ-POPをかけていたが、あるときからJ-POPのほうに新鮮味や新しさを感じて、J-POP専門DJになった。しかしJ-POPというくくりは非常に幅広く楽曲数も多いため、そのなかから売れる切り口を見つけるのは至難の業。「常に企画のネタはメモしています」と日々ネタを考えたり、リサーチすることを決して怠らないそうだ。

 今も毎日欠かさずCDショップに足を運び、購入やレンタル、試聴したり、何店舗も回って音源収集を行っているという。実は、足を使った仕事は多いそうで、『ノイタミナ10TH ANNIVERSARY BEST』のリリース時も秋葉原のゲーマーズの店頭に立ち、自ら販促イベントを行った。また、各地のサービスエリアに車で行って即売会を開催し、1000枚売ったという記録も持つ。

 「けっこうドロ臭く、コツコツとやっています。買ってもらうのを待っているだけじゃダメだと思うんですよね」と少しでも買ってくれそうな人がいたら、そこに自ら出向いて行く、フットワークの軽さもヒットの要因かも。本人の言うところの“ドロ臭い営業”で、DJ和は今日も全国を飛び回っている。

(文:榑林史章)



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  • “サラリーマンアーティスト”DJ和
  • アルバム『A GIRL↑↑2 mixed by DJ和』サマージャケット
  • アルバム『ノイタミナ10th Anniversary BEST mixed by DJ和』
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