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マドンナも絶賛!“歌う修道女”シスター・クリスティーナとは

感動的な歌声は26歳の現役の修道女だった……。まさに“リアル”映画『天使にラブソングを…』を実践し、世界中で話題になっているシスター・クリスティーナが大ヒット中のアルバムを引っ下げて緊急来日! 修道女になったいきさつやデビューのきっかけとなったオーディション番組出演の感想など、彼女が語る言葉はその歌声同様、美しく純粋で力強く真っすぐ胸に刺さってくる。そこにこめられた普遍的な愛のメッセージをぜひ受け取ってください。

心の中で常に歌いたいと夢見ているような普通の女の子だった

――シスター(修道女)というと、もの静かなイメージがあるのですが。クリスティーナさんはとても元気(笑)。エネルギッシュで明るくてびっくりしました。
クリスティーナ 私が特に元気なわけではなくて、他にも活き活きとしたシスターや修道士は大勢いますよ。でも、聖職者はみんな暗くて悲しい……というイメージがみなさん、あるんでしょうね(笑)。それをわかってもらうための私たちの努力が足りないからだと思いますが、シスターの生活はみなさんが思っているより楽しくて嬉しいものです。なぜなら私たちは世の中で一番、大きな愛、つまり神に愛されながら生きているから。そして、神は私たちから、何も取り上げはしません。むしろ自分が持っている資質を隠すことなく、何倍にも大きく豊かにしなさいと教えてくださっているんですよ。

――自分の元々の性格や持ち味は変える必要はないと。
クリスティーナ そう。だから私もこうして大好きな音楽を通して、みなさんに奉仕することができるんです。

――クリスティーナさんはシスターになる前から、音楽が好きだったそうですね。
クリスティーナ 音楽が大好きで、心の中で常に歌いたいと夢見ているような普通の女の子でした。その一方で、敬虔な信者である両親から、キリスト教の価値観を小さい頃から教わっていたので、私の生活の中には音楽と信仰が自然に共存していました。でも青春時代の一時期は教会から離れていたことがありまして。一種の反抗期で「どうして信仰を持たなくてはいけないの? ミサに行くってなんなの?」って、葛藤しました。その間は大好きな歌に専念して、友人たちとバンドを組んでバールや結婚式で歌ったり、生活の中心は音楽。生きていくための原動力は歌でした。

――そのまま音楽の道へ進まず、シスターになったのはなぜですか?
クリスティーナ 大学に行こうか進路を決めなくてはいけない年齢になったとき、教会のシスターが私の親に「ミュージカルの公演があるので、お嬢さんにどうですか?」と声をかけてくれまして。そのミュージカルの内容は教会の創設者の女性の生涯を描く物語だったんですが、人生のすべてを投げ打って神に仕え、隣人のために生きる道を選んだ彼女の人生に非常に感銘を受けました。特に「あなたはすべてを捨てて、神に仕える勇気がある? 隣人のために尽くせる?」というセリフに感動しました。それまで、私は常に自分のことしか考えていなかったけれど、初めて神に呼ばれたと感じて、修道女になる道を選んだんです。

修道女になることは、もちろん勇気がいるし、葛藤もあった

――後戻りのできない信仰の道に進むことに、葛藤はなかったんですか?
クリスティーナ もちろん勇気がいりましたし、葛藤も非常にありましたよ。ごく普通の女の子がそれまで持っていた将来の夢をあきらめる。つまり人生すべてがひっくり返るわけですから。

――恋愛もできないんですよね?
クリスティーナ もちろんです。自分自身をキリストに捧げるわけですから、純潔と清貧の教えに従わなくてはならない。でも、それはすべての人々を差別することなく愛するということで、みなさんがおっしゃる恋愛とは違うかもしれませんが、神が私たちに与えてくださる愛というのは絆で縛りつけるものではありません。むしろ自由な愛なんです。

――シスターとして、イタリアのオーディション番組『The Voice』に出演したきっかけは?
クリスティーナ 私が所属する修道会の院長からの勧めで出演しました。

――それも意外です。修道院長さんなら「テレビなんて不謹慎」と、反対しそうな気がするのですが。
クリスティーン むしろ院長は私たちに外へ出る勇気を持ちなさいとおっしゃっていました。そして「音楽の才能を持った若い女の子がすべてを捨ててシスターになった。でもそれよりも大きなものを神からいただき、こんなに楽しく幸せに生きているという私自身の姿をテレビを観ている人たちに示しなさい」。その言葉で番組に出ることを決めたんです。

――緊張はしませんでした?
クリスティーナ とても緊張して、ステージに上がる前は気絶しそうでした(笑)。テレビに出たことなんてなかったし、自分の出演がどういう風に受け入れられるのか不安でもあったので。しかも私はこう見えて、普段は臆病で引っ込み思案な性格なんですよ。

――堂々とした歌いっぷりで、そんな風には全然見えなかったですよ。
クリスティーナ 舞台に出ると変わるのかもしれません。私は話すことは得意じゃないけど、歌を通して何かを伝えられる力を持っていると思うので。

――オーディションの初戦は目隠し審査で、歌を気に入ったら振り返るというものでしたが。振り返った瞬間の審査員たちの驚く顔も感動的でした。
クリスティーナ 私もあの瞬間は忘れられない。みなさんに歌で何かを与えたいと思っていましたが、エネルギーや力を相互に与え合うという美しい瞬間でしたね。

(文:若松正子/撮り下ろし写真:草刈雅之)

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