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中島みゆき

中島みゆき

なかじまみゆき

4.2.3.の歌詞

4.2.3.

発売日 1998年03月18日
作詞 中島みゆき
作曲 中島みゆき

食べていくための仕事にひと休みして 私はTVをつけた
眠らぬ旅のあれこれを 生まれた街で癒そうと試みていた

明日にはこの街にも雪がちらつくだろうと 季節はずれの天気予報が流れていた
明けきった5時半の空に目を細めて チャンネルを変えた

中継という文字 そして私の瞳に爆風が噴きつけて来た
長い間に見慣れてしまっていた白く平たい石造りの建物から
朱色の炎と石くれが噴きあがる瞬間だった
ゆらゆらと熱のかげろうはあがり
やがて白い煙から土色の煙となって建物から噴き出していた

昨日までと今日は違うものなのだと
人はふいに思い知らさせるのだね

蟻のように黒い人影が走り込む 身を潜める 這い進む 撃ち放つ
どうせTVの中のことだと考えることもできず 考えないわけにもいかず
ただ私は誰が何を伝えようとしているのか
それだけに耳を傾けた それだけに耳を傾けた

大きな救急車が扉を広く開けて待ち構え続けている
担架に乗り 肩にかつがれ 白い姿の人々が運び出される

日本人が救けられましたと 興奮したリポート
ディレクターの声もエンジニアの声もいり混じっている

人質が手を振っています元気そうです笑顔ですとリポートは続けられている
そのときひとかたまりの黒い姿の人々が担架を囲んでとび出して来る

リポーターは日本人が手を振っていますとだけ嬉々として語り続ける
担架の上には黒く煤けた兵士

腕は担架からぶら下がり 足首がグラグラと揺れる
兵士の胸元に赤いしみが広がる
兵士の肩に彼の銃が ためらいがちに仲間によって載せられる
担架はそれきり全速力でいずこかへと運び出されてゆく

日本人が元気に手を振っていますとリポーターは興奮して伝え続ける
黒い蟻のようなあの1人の兵士のことはひと言も触れない 一言も触れない

日本人の家族たちを喜ばせるためのリポートは 切れることなく続く
しかしあの兵士にも父も母も妻も子もあるのではなかったろうか
蟻のように真っ黒に煤けた彼にも 真っ黒に煤けた彼にも

あの国の人たちの正しさを ここにいる私は測り知れない
あの国の戦いの正しさを ここにいる私は測り知れない

しかし見知らぬ日本人の無事を喜ぶ心がある人たちが何故
救け出してくれた見知らぬ人には心を払うことがないのだろう

この国は危い
何度でも同じあやまちを繰り返すだろう 平和を望むと言いながらも
日本と名の付いていないものにならば いくらだって冷たくなれるのだろう

慌てた時に 人は正体を顕わすね

あの国の中で事件は終わり
私の中ではこの国への怖れが 黒い炎を噴きあげはじめた

4.2.3.・・・・・・ 4.2.3.・・・・・・
日本人の人質は全員が無事
4.2.3.・・・・・・ 4.2.3.・・・・・・
4.2.3.・・・・・・ 4.2.3.・・・・・・

情報提供元うたまっぷ.com

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