サザンオールスターズや福山雅治、星野源らを擁する芸能事務所・アミューズが、創業45周年となった今年、創立記念日の16日に山梨県・西湖に新本社『AMUSE VILLAGE（アミューズ・ヴィレッジ）』をグランドオープン。中西正樹社長、山梨県知事・長崎幸太郎氏が登場し、オープニングセレモニーを行った。

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　同社は、昨年7月に山梨県河口湖町・西湖に本社移転することを発表。コロナ禍のなかで発表してから1年3ヵ月、長い構想期間を経てのグランドオープンとなった。今後は、東京・渋谷にあるオフィスやリモートワーク、この『AMUSE VILLAGE』を3拠点とし、連携しながら業務を行っていくという。

　『AMUSE VILLAGE』は、モノづくりの強化、チームの結束力を高める環境施設となるオフィスで、もともとはホテルだった場所。社員たちとディスカッションを重ねながら、構想を進めていったという。体育館として使われていた建物をリノベーションした開放的なラウンジ空間、ホール、撮影スタジオ、レッスンルーム、ギャラリー、宿泊施設、アートを配した芝生広場エリアなどが、自然あふれる広々とした敷地内に配されている。中西社長は、「渋谷は勝負の場所、ここは育んで創っていく場所。心と体の健康を第一に、インスピレーションとコミュニケーションが生まれる場所で、感動を作っていきたい」とコメント。「想像力を高め、社員とアーティストが心を通わせる場に」と今後への抱負を明かした。

　また、エンタテイメント分野のみならず、山梨県との連携にも臨む。今年6月に、山梨県と地域経済の活性化に向けて包括連携協定を締結した同社は、すでにアドベンチャー事業、テーマパーク・富士すばるランドでのプロデュースなどを展開。中西社長は、「マネジメントで45年やってきたが、プロデュース力の本当の意味合いは作品作りだけでなく、いろいろなものへの企画や発想。大自然を1つのIPとし、文化や観光などの面でより魅力的に広がっていってほしい。エンタメだけでなく社会課題にも目を向けていく」と決意を表明。

　山梨県知事・長崎氏も「山梨の様々な課題を一緒に解決していこうとの話をいただき、大変心強い。山梨にもっとも必要なものは、ワクワクする楽しさ。力を合わせていきたい」と今後への期待をにじませた。

　構想、建築の段階から、地元・山梨の人々から多大な協力があったという『AMUSE VILLAGE』。この日は、同社社員や家族、関係者だけでなく、地元からも多くの参加があった。ツリーハウスもある芝生広場エリアは今後、地元の子どもたちに開放したいという希望もあるとか。「魅力的なコンテンツがたくさんある山梨について学び、研磨していく。地元の方々と山梨を、日本を盛り上げて、世界に発信したい」と中西社長。最終的には山梨で音楽イベントなども構想しているそうだ。

　大手芸能事務所の本社移転により、さまざまな面で地元が盛り上がることは間違いないだろう。エンタテイメントと地域活性が融合し、これからどんなものを生み出していくのか、楽しみだ。