ORICON STYLE

2005年12月28日
THE STROKES
PV
21世紀のロックのゼロ地点、新章突入! ニューアルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』
 ロックンロールとは進化するものであるのだと、ザ・ストロークスが再び証明してくれた。世界の音楽シーンを一変させたデビュー作から5年、最新作となる『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』がついに完成。約10ヶ月かけてじっくり制作されたこのアルバムからは、個性的な音階を使いつつシンプルなリフレインを多用した曲作りと、繊細なサウンドのピースが緻密に構築されてゆくさま、そしてこれまでの彼らにはなかったダイナミックな演奏とが、驚きとともに迫ってくる。1回聴くだけで心を掴むようなメロディーの魔法もある一方、何度聴いても新たな発見のある曲作り・アレンジのために飽きさせないのもすごい。21世紀のロックのゼロ地点でもあるザ・ストロークス、その新章がここで幕を開ける。

「ヴィジョン・オブ・ディヴィジョン」は、疲れるくらい難しいんだよ(笑)

――今作はとにかくサウンドの響き方がこれまでと全く違います。特にギターは、アルペジオの使い方だったり音階の展開の仕方が、いわゆるロックの典型的なそれとはまた違うわけですが、アレンジにあたってクラシック音楽とかからの影響もあったんですか?
【ニック・ヴァレンシ(G)】 いや、別にクラシック音楽から拝借してきたわけではないんだ。こういう音は、これまでのロックの歴史の中でも使われてきたものだと思うしね。もしかしたらジュリアン(・カサブランカス(Vo))やアルバート(・ハモンドJr.(G))はクラシックに詳しいかもしれないけど、僕はむしろずっとロックに夢中だったし。とにかく、こういうギター・サウンドを今回これほどフューチャーした理由は、別にクールにしたかったからではないのは確か。

――ギターはどれも演奏が難しそうですね。
【アルバート・ハモンドJr(G)】 「ヴィジョン・オブ・ディヴィジョン」は、疲れるくらい難しいんだよ(笑)。
【ニック】 あれは本当にな。どうしようもないくらい難しい。なにしろ、曲全体が簡単にめちゃくちゃになるんだ。つまり、ダルく演奏して音符を1個か2個でも抜かしてしまえば、全てがダメになる。だから、完璧な形で聴こえるべく、完璧な演奏をしなきゃいけない。

ロックンロール・スピリットは“自由な魂”と“成熟”

――では、そんな音のアルバムだからこそ伝えられる現在のザ・ストロークスの“ロックンロール・スピリット”といえば、どういうものだと思いますか?
【ニック】 いい質問だね・・・ロックンロール・スピリットか・・・。今作で僕らは、これまで以上にみんなに「僕たちがどんなことをやっているか」を聴いて欲しいと思っているんだ。つまり、音楽そのものを感じて欲しいというか。そういうことを意識しながらレコーディングしたから、実際にどういうことが起こっていたかを、詳細に至るまで聴き取ることが出来るアルバムだと思う。そういう意味では聴いてくれる人に、この作品に対してどうでもいいと感じたり、怒らせたり、グラマラスだとかセクシーだとか、そういった感情を喚起させたいとは思ってない。むしろ、音楽的な意味でここで何が起こっているのかを、しっかり感じ取ってもらえればと思うね。

――なるほど。
【ファブ・モレッティ(Dr)】 君が何を質問したいか、僕はすごくよくわかる。個人的にはこのアルバムは、僕らのミュージシャンとしての信頼度だったり、成長を伝える乗り物みたいなものだと思っているんだ。上手く言えないけど、ある種のリスペクトみたいなものともいうか。つまりこのアルバムは、聴いてくれる人々にとってこれまで以上に楽しめる音であると同時に、実はとても内省的な側面も持っているんだよ。だから、中心になっているロックンロール・スピリットは“自由な魂”と、それから“成熟”だね。
(文:妹沢奈美)
RELEASE
ファースト・インプレッションズ・オブ・アース
ザ・ストロークス
2006/01/01[アルバム]
\2,548(税込)
BMGファンハウス
BVCP-21454
CDを購入する
ジュースボックス
ザ・ストロークス
2005/12/07[シングル]
\1,260(税込)
BMGファンハウス
BVCP-29048
CDを購入する
PROFILE
1999年ニューヨークにて結成。メンバーはジュリアン・カサブランカス(Vo)、ニック・ヴァレンシ(G)、アルバート・ハモンドJr.(G)、ニコライ・フレイチュア(B)、ファブリツィオ・モレッティ(Dr)の5名。
2001年1月に3曲入りEP「THE MODERN AGE」をリリースすると本国アメリカよりも先にイギリスで
その人気が爆発、2月にはイギリスにてデビュー・ツアーを敢行する。
2001年、アルバム『イズ・ディス・イット』でデビュー。
2002年2月、来日公演開催。
2003年、2ndアルバム『ルーム・オン・ファイア』をリリース。総合アルバムチャート6位を獲得。
2005年11月18日、緊急来日し、1日だけのスペシャル・ギグを東京・SHIBUYA DUO MUSIC EXCHANGEにて開催する。
2005年12月7日、ニューシングル「ジュースボックス」をリリース。
2006年1月1日、ニューアルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』をリリース。
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