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2002年10月の衝撃のデビューから4年、ついに一青 窈のベストアルバムがリリースされた。凛として、「ふふふ」と笑って、でもどこか物悲しげで、懐かしさの裏側をくすぐってくるような、安心感にも似た心地よさと喪失感にも似たやるせなさが、ない混ぜになって押し寄せてくる16の詩小説。YO(よう)のBESTだから『BESTYO』(べすちょ)だって。この言葉遊びだけで泣きたいほどうれしくなってしまう。
かつて、歌謡曲を表現するときによく使われた言葉がある。歌は3分間のドラマ。それに則るなら、歌い手は俳優であり、シンガー・ソングライターは脚本家をも兼ねることになる。
一青 窈の歌を聴いているとふとそんな表現を思い出してしまう。天性の脚本家にして希代の名優。聴き手の心のスクリーンに色鮮やかな映像を映し出してくれる。歌詞カードの“行換え”や“句読点”の絶妙な配置に、良質な文学の匂いさえ漂ってくる。
でも、決して背伸びすることはないし、予備知識を入れておく必要もない。心ひとつで正面から触れることで、彼女の世界に知らず知らずのうちに引き込まれてしまう。
子どもの頃に見た夕焼けや、心を躍らせた祭りのにぎわい、友だちと遊んだ空き地、食卓の匂い・・・。そんなものが五感を刺激しながら通過していく。大人であればあるほど、頬を熱いものが伝わっていくことだろう。
『BESTYO』。文字通り、これまでに一青 窈が発表してきた作品からの“特選集”である。デビュー曲「もらい泣き」から「指切り」までの全シングル・タイトル曲に、アルバム未収録だった「翡翠」「あこるでぃおん〜Long ver.」、ミサワホームのCM(松井秀喜出演)でおなじみの「さよならありがと」、このアルバム用にレコーディングされた「てんとう虫」など、歌える曲、耳なじみのある曲、ここで改めてその歌詞の深さに涙してしまう曲がぎゅ〜っと詰め込まれている。
とはいえ、これはアーティスト一青 窈の足跡をなぞっているだけのアルバムではない。一青 窈という女性の思い出のアルバム(写真集)を開いて、その写真の1枚1枚の中に込められた思いを感じる作品だと言える。
たとえば、このアルバムに収められた「大家(ダージャー)」。シングルでリリースされたバージョンとは1ヶ所だけ歌詞が違う。それは“よみうりランド”という固有名詞が出てくるところ。小学校2年生のときに父親を、高校時代に母親を亡くした彼女にとって、家族との思い出の象徴がこの遊園地だったという。しかし、ラジオでオンエアした際の影響を考えて、シングルでは“あの遊園地”という歌詞に差し換えた経緯がある。それを今回のベストでは原詞に復活させたのだから、このエピソードだけでもただのベストではないことがわかってもらえるだろう。
表立ったリリースのなかった2006年の淋しさを補って余りあるこの充実感。16篇の小説をここでも鮮やかに演じてみせてくれる一青 窈。まずは12月3日のよみうりランド無料ライブで、BESTYOを体現する彼女をみれるが、そこから飛翔したあと届けられるであろう17篇目の詩小説を一刻も早く聴いてみたいものだ。
(文:田井裕規) |
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『BESTYO』一青 窈
2006/11/29[アルバム]
\3,150(税込)
コロムビアミュージック エンタテインメント
COCP-34052
 | 【着うた】 一青 窈の着うた&着うたフル配信中!!
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デビュー5周年のファンへのビッグなプレゼント!会場のよみうりランドは入園無料!!
『BESTYO Free CONCERTYO(べすちょ ふりー こんさーちょ)』
2006年12月3日(日)東京都稲城市・よみうりランド内オープンシアターEAST
受付開始/9:00 開場/13:00 開演/14:00
※雨天決行、荒天中止
・12月3日(日)はよみうりランド入園料も無料となります。
・受付開始時刻より専用受付にて座席整理券を配布いたします。
イベント観覧には座席整理券が必要となります。
・満員の場合は入場をお断りすることがございます。
・駐車場は満車となり、周辺道路も長時間の渋滞が予想されます。
ご来園は電車・バスをご利用ください。
※ イベントの詳細はこちら |
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