ORICON STYLE

2005年09月21日

胸にグッと迫ってくるもの

 星空、それはとても深遠で神秘的な匂いを醸し出す世界。だから人はそこにドラマを見出し、望みを託したりもする。その星空も季節とともに姿を変える。秋の星空にはロマン、あるいはセンチメンタリズムがいつも以上に光り輝く。
 「プラネタリウム」という言葉には魔法のような響きがある。それは実際の星空を眺める以上にロマンチックなものだ。きっと、そのクローズドなロケーションや人工的な息遣いがもたらすイベント性が人々の心を揺り動かすからだろう。
 大塚 愛の新曲はその「プラネタリウム」。でも人工的な“天体観測ルーム”のことではない。心の中に映像として残っている“あの日2人で見た星空”のことだ。だから、タイトル以上に情景描写がこまやかで、胸にグッと迫ってくるものがある。メロディラインは基本的にフォーク。そこに器楽曲にも似たユニークな譜割が入りこむことで彼女のソフトなボーカルと溶け合い独特のテイストを醸し出している。歌詞はロスト・ラブ(無くしたのか、亡くしたのかわからないけれど)。淡々とした展開がサビで一気に情感を顕にする。その淡く色褪せた心の情景に花火が色を添える(クライマックスでの花火のSEも効果的だ!)。そのコントラストが鮮やかで、ちょっとファンタジックだったりもする。カップリングの「drop.」は、ほのぼの系ハッピー・ラブ・ソング。ちょい古めのフォーク・ロック的なリズムに「何とも言えなくて好きよ」という歌詞がキュートに映える、こちらはファンならメロメロになってしまうナンバー。

どんなシチュエーションでも、心に何かを残してくれる

 うまく言えないけれど、このところの大塚 愛には明らかなサウンドの進化を感じる。飛んだり跳ねたりしなくても、彼女のキャラクターをはっきりと打ち出せる構成と心にすんなり溶け込んでくる情景描写(心情描写)はほとんど隙なし状態。泣きたいとき、心を落ち着けたいとき、誰かに会いたいとき・・・etc.。シチュエーションを選ばずに聴けるというよりも、どんなシチュエーションでも、心に何かを残してくれるんだから、こりゃすごい。
 「ネコに風船」はたまらなく愛おしいシングル。そして、この「プラネタリウム」は胸キュン状態を保ちながらも、心にひとつ深呼吸をさせてくれるシングルとでも言えるだろうか。イマジネーションをフル稼働させてくれる“大塚 愛・秋の新作コレクション”のはじまりだ。

(文:田井裕規)
RELEASE
   
 
大塚愛「プラネタリウム【CD+DVD】」
プラネタリウム【CD+DVD】
大塚 愛
2005/09/21[シングル]
\1,890(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-30768/B

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  大塚愛「プラネタリウム【CD】」   プラネタリウム【CD】
大塚 愛
2005/09/21[シングル]
\1,050(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-30769

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PROFILE
1982年9月9日生まれ、大阪府出身。O型。
4歳からピアノを習い始め、中学生時代から弾き語りをするように。
2003年9月、シングル「桃ノ花ビラ」でデビュー。
以降、シングル「さくらんぼ」「甘えんぼ」「Happy Days」「大好きだよ。」等、次々とヒットを記録。
2004年3月31日、アルバム『LOVE PUNCH』で3位獲得。
2004年11月17日、アルバム『LOVE JAM』で首位獲得。
2005年5月11日、シングル「SMILY/ビー玉」で首位獲得。
2005年9月21日、シングル「プラネタリウム」をリリース。
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