ORICON STYLE

夏の終わり、ギリギリのリリース。「焦って夏休みの宿題やってるみたいな……」

『8月32日へ』
『8月32日へ』

――ニューアルバム『8月32日へ』は、夏の終わりにぴったりの哀愁と、きらめきのあるアルバムになりましたね。 【みさこ】 まず夏にアルバムを出すというのが目標でした。でも、そう言い出したのがギリギリのタイミングだったので、8月31日のリリースに間に合うかどうか…焦って夏休みの宿題やってるみたいな感覚もありました。無事間に合って良かったです(笑)。

――どうして夏に出すことにこだわったのですか? 【みさこ】 かまってちゃんの全作詞・作曲をしている中心人物の「の子」さんが、「テレビに出たい」って言っていて。テレビを通じてメジャーな存在としてかまってちゃんを認識してほしい、今回のアルバムはそのきっかけになれば良い、と。それでなるべく早く、まだ勢いのあるうちに出したいということで。
【mono】 「テレビに出たい」というのは、の子自身刺激を欲しがってるのだと思います。出てどうなるか結果はどうであれ、僕らも刺激を受けるし、視聴者にも僕らの存在を知らしめることができるし。

――以前の作品より聴きやすくなった感じがするのは、それもあってのことかもしれませんね。 【みさこ】 そうですね。聴く人を無視して世界観を重視するのではなく、もっと外に向けた作品。自分たちの音を知ってもらいたいという気持ちが強く出ています。

――『8月32日へ』というタイトルが秀逸です。夏休みが終わってほしくないという切ない感じが、曲の雰囲気と合っていると思いました。 【みさこ】 20代半ばで、夏休みも何もあったもんじゃないですよね。しかも、どの歌詞でも一切夏休みらしいことが出て来ないし。その何とも言えない自堕落感が、かまってちゃんっぽいなぁと思います(笑)。
【mono】 僕が言うのもおかしいけど、夏休みらしい夏休みを送れてない人もわりといると思うので、そういう人たちに向けたメッセージになったら良いかなって。

――「死にたい季節」と「23才の夏休み」は、1stミニアルバム『友達を殺してまで。』に収録していたものをマイナーチェンジしていますね。 【みさこ】 かまってちゃんは、そういう曲が多いんです。たいていの曲が、ネットに上がってるかライブでやってるかしていて。それで、CDに収録するときは必ず歌詞やアレンジを新調するんです。
【mono】 その都度アレンジや歌詞が違ってたりするので、その違いを楽しんでほしいです。

独特の自由さはそのまま、多くの人に知ってもらいたい!

ちばぎん、みさこ、mono、の子(左から)
ちばぎん、みさこ、mono、の子

――「22才の夏休み」「23才の〜」「26才の〜」は、そんなマイナーチェンジの典型。 【mono】 最初にできたのが「22才〜」で、やっぱりメロディーを変えようということで作り直したときの年齢が23才だったので、それが「23才〜」に。けど「22才〜」も後で聴いてみたらやっぱり良いなということで復活した。イントロとかギターを聴いて「まったく同じじゃねーか!」と思うでしょうが、そういう経緯なのでご了承ください。

――バージョン1.0と1.2くらいの違いとか。 【mono】 そんな感じです(笑)。でも「26才〜」はまったくの別ものですよ。
【みさこ】 「26才〜」は、バージョン3.0にいきなり飛んでるよね(笑)。あと「映画」も古い曲ですけど、これは異例で当時の歌詞のままなので、他の曲とは雰囲気が違うかも。

――どれくらい古いんですか? 【mono】 まだ、の子と僕だけでやっていた頃なので、3年くらい前だと思います。当時は、哀愁のピアノにギターを乗っけてという感じで、今よりすごくシンプルに作っていました。
【みさこ】 他に「グロい花」も古い曲で、元々は「ののの物語」という別の曲だったのですが、アレンジと歌詞を一新していますね。実は私、この「グロい花」がいちばん好きなんです。の子さんは、いつも明確にビジョンがあって、バンドはいつもそのビジョンに近づけるように演奏するのですが、これは珍しく「好きにやってほしい」と言ってくれて。の子さんのギターや上物も、私が新たな解釈で叩いたドラムに合わせてくれているんです。プレーヤーありきの音作りができたのが、すごくうれしかったです。
【mono】 好きな曲で言うと、僕は、「僕は頑張るよっ」かな。3月11日の震災直後にネットに上げられた曲ですが、僕自身いろいろ考えて元気をなくしていたときだったこともあって、歌詞もメロディーも心に響きました。いちリスナーとして大好きな曲です!

――今作は、外側に向けて制作したアルバム。テレビに出たいという話もありました。この作品を足がかりに、今後はどんな活動をしていきたいですか? 【みさこ】 多くの人に知ってもらいたい、その一心ですね。でも決して、普通のバンドになりたいわけじゃなくて。独特の自由さは、そのまま持ち続けていきたいです。
【mono】 このバンドの歴史を振り返ると、夏は毎年いろいろあったなって。夏になるたびにエネルギッシュになります。そのサイクルを、今後も続けていけたらと思います。

(文:榑林史章)

RELEASE

8月32日へ 8月32日へ
神聖かまってちゃん
2011/08/31[アルバム]¥2,800(税込)
ワーナーミュージック・ジャパン WPCL-10983 CD購入(Amazon) CD購入(HMV)
このCDについて語ろう! 着うた®配信

PROFILE

神聖かまってちゃん
の子(G&Vo)、mono(Key)、みさこ(Dr)、ちばぎん(B)によるロックバンド。
2008年頃から活動開始。
2010年3月、1stミニアルバム『友だちを殺してまで。』をリリース。
2010年12月、アルバム『つまんね』『みんな死ね』を同時リリース。
2011年1月、『第3回CDショップ大賞』準大賞を受賞。
2011年4月、入江悠監督作品『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』公開。
2011年8月31日、4thアルバム『8月32日へ』をリリース。

ARTIST PAGE  COMMUNITY  OFFICIAL SITE

▲このページの最初に戻る