ORICON STYLE

2006年12月27日
中村 中 Special Interview
“若さ”をテーマにした思春期の葛藤と苦しみと希望が
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傷ついたりしながらも、大切なものを守りたいっていう気持ちを表現した
――思春期という季節の刹那感がまっすぐ伝わるアルバムだな、と。
【中村】 このアルバムのテーマは“若さ”なんです。10代の頃って、手探りでいろんなことを経験していく時期だと思うんですよ。自分で実際に触ってみて、“これは冷たい、これは熱い”“これは必要、必要じゃない”ってことを確かめていく。そういう時間をギュッと凝縮したようなアルバムにしたいなって。

――1曲目の「駆け足の生き様」は、まさにそういうメッセージを持った曲ですよね。アルバムのタイトルである<天までとどけ!>という歌詞もあって。
【中村】 幼い時って、周りの大人だったり、社会っていうものからの圧力を感じることもありますよね。迷ったり、手探りでいろんなものを触っている最中に“それは違う”なんて指図をされるのが許せなかったり。もちろん、絶対にやってはいけないことはあります。でも、迷うだけの正義、守りたい気持ちもあるわけですよ。だからこそ“私達は間違っていない、この思い、天までとどけ!”っていう曲ですね。だって、間違いを知らないまま大人になるのって怖くありません?

――うん、まったく同感です。最後の「愚痴」も印象的でした。
【中村】 15才のときに初めて書いた曲が「友達の詩」で、その次に書いたのが「愚痴」なんです。その頃、居酒屋でバイトをしていたのですが、カウンターのお客さんのグチ――会社の同僚や上司に対するグチなんですけど――が耳に入ってきて、なんだか寂しくなってきて。当時は“私が大切に思ってる人たちも、私がいないところでは何を言ってるかわかんないな”って思って書いたんですけど、今は違う思いもあるんです。みんな、不安を抱えながら生きてるんだなっていう・・・。「さよなら十代」が大人になる覚悟を歌った曲だとしたら、「愚痴」はその先にあるものを歌ってるのかもしれませんね。ボロボロになったとしても、人は何かを抱えながら生きていくんだなって。CDに入ってるブックレットも、そういうテーマで作ったんです。“家出をする”っていう設定なんですけど、洋服が汚れたり、傷ついたりしながらも、大切なものを守りたいっていう気持ちを表現していて。
迷って、悩んでる時期の曲を歌わないと、先に進めないと思った
――なるほど。音楽的には“昭和歌謡”を引き合いに出されることが多いと思うんですけど、そのあたりはどうですか?
【中村】 歌謡曲っていうのは、いわゆる流行歌のことを言うと思うんですね、私の解釈では。そういうふうに捉えてもらえるのは嬉しいことだなって思っています。でも、あまりにもみなさんから“歌謡曲っぽい”って言われるので、“じゃあ、みんなが求めてる曲を作ってみよう”って意識した曲もあるんですよ。「未練通り」がそうなんですけど。

――まさに流行歌という形容がぴったりですよね!アルバムを通して、ノスタルジックな切なさも感じたし・・・。
【中村】 テーマは“若さ”なんですけど、もちろん若い人だけに向けてるわけではなくて。40代のレコーディングエンジニアの方が“ずっと心のなかにあって、忘れていた記憶のフタを開けられちゃった”って言ってくれたんですけど、そういうふうにも聴いてもらえると思うし。ただ、私にとってはどうしても“10代”を歌わなくちゃいけなかったんですよね。迷って、悩んでる時期の曲を歌わないと、先に進めないと思ったので。やっぱり“若さ”をテーマにして良かったって、こうして話をしていてホントに感じます。

――10代の自分は、いい思い出になりそうですか?
【中村】 ちょっとずつ、ですけどね。時間をかけて、いい思い出になっていけばいいなって思います。
(文:森朋之)
Release
天までとどけ【CD+DVD】
中村中
2007/01/01[アルバム]
\3,800(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-23108/B
CDを購入する
天までとどけ【CD】
中村中
2007/01/01[アルバム]
\3,059(税込)
エイベックス・トラックス
AVCD-23109
CDを購入する
Profile
現在、21才のシンガー・ソングライター。
幼少より歌に親しみ、歌う事以外にほとんど興味を示さなかったが、自身の声に違和感を感じ出した10代初めより人前で声を出すことを嫌い、その反動をピアノにぶつけたことが音楽の始まり。
2005年6月、自主制作盤で「友達の詩」をリリース。
2006年2月、岩崎宏美のアルバム『Natural』に楽曲提供。
2006年6月28日、21才の誕生日にシングル「汚れた下着」でメジャーデビュー。
2006年8月、初の舞台公演『優雅な秘密』『下町日和』にディーヴァ役として出演。
2006年9月6日、自身初の制作楽曲で15才の時に書き下ろしたシングル「友達の詩」をリリース。
2006年10月10日放送の日本テレビ系特別企画ドラマ『私が私であるために』で、ドラマ初出演。
2006年11月15日、シングル「私の中の「いい女」」(TBS系愛の劇場『いい女』主題歌)をリリース。
2007年1月1日、アルバム『天までとどけ』をリリース。
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