――3月にフルアルバム『maniac』が発売になったばかりですが・・・。
【小室】 作った新曲はすぐ聴いてもらいたいから。もしも諸事情がクリアできるなら、新曲を作った瞬間にサーバーに置きたいくらいですよ(笑)。そうすると、レコーディングスタジオとリスナーが直結できるし、お互いが飛躍的に近づける。それは“音楽を共有する”ことのひとつでもあるし。だから、今回はじっくり作るフルアルバムよりもスピード感重視のミニアルバムにしました。
――アルバムタイトル曲も含め、ラテンを意識した楽曲が2曲収録されていますね。
【小室】 去年から言われていましたが、今夏のモードですから。globeも一応押さえておこうかなと(笑)。ただ、いくらラテンと言っても、自分らしくやらないとね。いかにも本場風に作るのは意外と簡単ですけど。自分の文脈に翻訳しないと楽しくないでしょ。そこはKEIKOもMARCも同じ気持ちだと思いますよ。
――LAレコーディングの楽曲も収録されていますね。
【小室】 ひさびさに一緒に演奏したい友達や、友達の友達みたいなミュージシャン達に集まってもらいました。一緒にスタジオに入り、一緒に演奏すると、プレイヤー心をくすぐられますね。
――元ガンズ・アンド・ローゼズのマット・ソーラム(Dr)をはじめ、アラニス・モリセットやスティングなどのバンドメンバー達のようですが・・・。
【小室】 今どき“英会話ができる”なんて自慢にもならないけど、せっかくそういうメンバーと一緒に演奏するなら、英語が喋れないとね。もったいないというか。globeの場合、ボクもMARCも一応話せるし。KEIKOにもときどきボクが特訓してます。たとえば家にいても夜0時を過ぎたら日本語禁止とか。彼女は耳がいいから、発音が素晴らしい。だから、英単語を一言発すると、大抵のアメリカ人は“英語OK”と思うみたいですね。ものすごい勢いで話しかけてますよ(笑)。
――趣味のDJ活動が曲作りや音作りに影響を与えることはありますか。
【小室】 それは“ある”と思いますよ。一発で耳に残る音作りやフレーズ作りだったり。即効性のあるリズムだったり。DJ心をくすぐるサウンドとか。身をもって経験していることだから、“その影響は出てしまう”と言ったほうが正確かもしれませんけど。
――最後になりましたが、アルバムタイトルの意味を教えてください。
【小室】 ルーズベルト大統領のニューディール計画にヒントを得ました。賛否両論あっても、新たな方向性を打ち出す時だという意味も込め。globeにおいての“新たな方向性”はさまざまあるけど、その中の大きなひとつは間違いなく配信です。歌詞や音でも配信を意識したし。僕のなかではダウンロードして聴いてもらうことを前提にしたと言ってもいいくらい。アーティストというか制作者的には“CDだろうと、配信だろうと、作る楽曲や音に変わりはない”と発言しがちですよね。それが定説だとしたら、それを疑ってみることも大事。逆から考えてみるというか。その点では、今回の楽曲がダウンロードしてくれた人達にどう評価されるか、すごく興味がありますね。(文:藤井徹貫)
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