ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックインタビュー&コメント
2006年07月05日
SPECIAL INTERVIEW
レゾナンスできる力と使命を持った作品「to U」
櫻井和寿の詞の強さはあらためて凄いな、と

(前のページから続く)

――そして、05年の『ap bank fes』が開催され、「to U」が生まれた。

【小林】 「to U」は本当にレゾナンスできる力と使命を持った作品だと思います。何かを伝えなければっていう時の櫻井和寿の詞の強さはあらためて凄いなと思いましたよ。ホント、櫻井の言葉に対する真摯な姿勢が真っ直ぐに見えてくる。あと、僕の音楽に対する空間とか流れとか、ダイナミズムとか・・・。そういう曲作りの真っ当さがある曲かな、と。

――『ap bank fes'05』では、参加してくれたアーティストの方たちが「to U」を歌い継いでいくというスタイルで共演されてましたけど、今作は櫻井和寿とSalyuの2人が歌っているバージョンになりました。
【小林】 もともと、この曲を作った時に僕の中ではSalyuの声が鳴っていたんです。Salyuの声って“ミス・レゾナンス”と呼んでもいいくらいですから(笑)。櫻井も最初に歌詞ができた時に、“Salyuに歌ってみてほしい”と言ってましたよ。それこそ、ずっとライブで歌い続けてくれるのはSalyuなんじゃないかって僕も思ってる。「to U」を聴きに行きたいと思ったら、Salyuのライブに行けば、いつでもSalyuは歌ってるよ、なあんてなるんじゃないかなぁ。

ほら、レゾナンスしてるでしょ?

――カップリングにはオフコースの名曲「生まれ来る子供たちのために」のカバーが収録されました。このBank Bandバージョンは去年、iTunesのみで期間限定で購入できたバージョンですね。

【小林】 Bank Bandとして初のオリジナル曲である「to U」以外にもう1曲何を入れようかって考えた時に、それこそまた新しく曲を作って入れることもできるけれど、「to U」のカップリングとして何がふさわしいのか、という事を凄く大事にしたかったんですよ。でね、これもひとつのレゾナンスだと思うんだけど、テレビ局のディレクターがBank BandのライブDVD(『BGM Vol.2〜沿志奏逢』)を観て、松嶋菜々子さんが主演したドラマ『火垂るの墓』のエンディングテーマとして「生まれ来る子供たちのために」をエンドロールで流す時に、どうしても今の時代や今の社会を映像と音楽でリンクさせたい、レゾナンスさせたいと考えたんですよ。ただ、僕らがライブでやっていた「生まれ来る子供たちのために」のテイクをそのまんま使うのはちょっと演奏の荒さもあったので、ちゃんともう1回録り直そうじゃないかと。スタジオにBank Bandが集結して録ったのが、iTunesでの配信になり、今回のカップリングになりっていうね。ほら、レゾナンスしてるでしょ?

――しかも、今年の『ap bank fes'06』には小田和正さんが出演される!
【小林】 嬉しいですよね?こうやってレゾナンスしていくんですよ、ひとつひとつが。とにかく、去年もそうだったけど、今年もすでに出演者の人たちとのレゾナンスが起こってる。ホント、今年も凄いですよ。Bank Bandが各アーティストの人たちの歌をどんな風にアレンジして広げていくのか、そこから何が生まれるのか、僕も楽しみでしょうがない。『ap bank fes』は出演者もスタッフも、そこに関わっている全ての人たちが誰一人“まっこれでいいか”って妥協しないのが凄い。とにかく、今年の『ap bank fes』も、来て下さる皆さんに楽しんでいただける内容になるんじゃないかな。

――気は早いですが、来年も『ap bank fes』は開催されるんですか?
【小林】 フェスをやるために僕らはap bankをやっているわけではないので、毎年必ず開催しますよって感じでは実は考えていないんです。ただ、色んな可能性が広がっていくイベントだと思っているので、例えばもっと人の手で作られていない自然の中にある場所で開催したり、今のような大型のフェスの形にとらわれず、その度その度考えていければ。『ap bank fes』は形を変えてレゾナンスしていくと思います。

(文:松浦靖恵)
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