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水樹奈々『圧巻のエンターテインメント!3年ぶり西武ドーム公演をレポート』
炎や水柱! 西武ドーム公演ならではのダイナミックな演出
ファンファーレが鳴ると赤い緞帳(どんちょう)の前にピエロが現れ、おどけた動きで花道へ。4人のアクロバットダンサーが宙返りを見せたりしていると緞帳が上がり、ステージ中央の巨大な球体の中から右手で天を差すポーズをした水樹が現れた。バックダンサーを従え、1曲目「Gimmick Game」から両手を大きく使ってダンス全開。続く「Lovely Fruit」ではトレーを使ってキュートに踊り、3曲目の「ミラクル☆フライト」ではステージの上手と下手から噴水が高々と吹き上がる。まさにツアー名の“サーカス”らしい華々しい幕開けだ。「7月7日からスタートしたツアーの7公演目。奈々としてはスペシャルなステージになると思ってます」という発言通り、演出上の趣向を例年以上に凝らした今回のツアーのなかでも、スタジアムならではのスペースを駆使してダイナミックに展開していく。
10年来の定番曲「POWER GATE」は、アラビア風のベールの付いた青い衣裳で、象の模型“ナンボ”の上に立って歌った。過去にはジェット機やライオンもお目見えした恒例の“乗り物シリーズ”。今回は象のシワ感など「リアルに作りました」とのこと。
そうした派手な演出の一方、歌も持ち前のバリエーションの広さが際立っていた。短いスタンドマイクで身をかがめた「UNBREAKABLE」は、ドームいっぱいに響き渡るシャウトが圧倒的な迫力。デビュー前にデモテープとして録ったという懐かしい「水中の青空」はしっとりと、波が寄せるように胸に染み渡る。どの曲にも通じるのは、芯の通った強さのなかに女性らしいしなやかさもある、シンガー・水樹奈々の特性だ。
中盤には日が暮れ始め、13曲目の「Late Summer Tale」辺りですっかり暗くなり、2万8000人の振る青いサイリウムがきれいに映えた。続けて「Crescent Child」を歌い上げた後、スクリーンの映像には水樹とピエロが登場する。最初は楽しげにトランプをしていたが、やがて本性を表した黒いピエロ(=ジョーカー)は、水樹を陥れようと妖しげな笑みを浮かべる。そこへ、カードの中から“もうひとりの水樹”が剣を持って登場。逃げるジョーカーと追う水樹。次の瞬間、映像のなかで格闘していた2人が、ステージ上に生身で飛び出してきた。剣をふるう水樹にジョーカーは回転したりトリッキーな動きを見せ、炎を放つ。最後はレーザーの檻にジョーカーを封じ込め、水樹が剣を一閃(いっせん)して爆破。迫力満点のパフォーマンスに会場からは大歓声が沸き起こる。
T.M.Revolution 西川貴教がサプライズ登場! コラボ第2弾の発表も
アンコールではポニーテールにリボンで登場し、約10mの高さまでリフトアップした塔の上で「Astrogation」を伸びやかに歌う。バックではアクロバットダンス集団・Gロケッツがリング状のブランコで曲芸を見せ、噴水がウェーブのように上がり、またサーカス感満載に。「SUPER GENERATION」では電飾の光る大きなフロート車(全長約8.5m)に乗り、グラウンドの外周を1周して歌った。満面の笑みを浮かべ、会場のあちこちに手を振りながら。「Love Brick」の最後には「せーの!」でジャンプすると同時に、大量の音玉がバババンと破裂して煙がステージに立ちこめた。
Wアンコールでは「とびきり熱い曲をみんなにプレゼント」。T.M.Revolutionとコラボした「Preserved Roses」のイントロが流れる。するとステージ中央の球体が開き、T.M.Revolution本人も現れた。大歓声に包まれる西武ドーム。2人並んで歌い、熱のこもったスリリングな掛け合いで聴かせる。彼もツアー中で、大阪から直行してリハなしのぶっつけ本番だったそうだが。「歓声がデカい。気持ちいい!」と西川。そして、TVアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』(TBS系)2ndシーズンのオープニングテーマとして、再びコラボシングルをリリースすることも発表された。
最初から最後までエンターテインメント企画がてんこ盛りだったスタジアムライブ。それでいて、歌もちゃんと心に残っている。3時間20分にも及んだが、水樹がラスト前のMCで「あっという間だよね」と話していたのを、本当にその通りに感じた。
(文:斉藤貴志)
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