星野源、新曲『不思議』で“初めて”自分なりのラブソングを正面から表現

現在放送中の川口春奈主演ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)の主題歌を担当する星野源。同作のために書き下ろした「不思議」は、星野にとって3年ぶりのドラマ主題歌となる。ドラマの初回放送にて解禁されると、「歌いだしで泣いた」「早くフルで聞きたい」など数々の反響が寄せられ、その翌週となる27日にデジタルリリースされた。同曲にも反映されている、今年から変化した曲作りへの想いについても話を聞いた。

「キュンがわからなくて…」初めてラブソングから逃げずに正面から向き合ったきっかけとは

――「不思議」は、テレビドラマの主題歌としては3年ぶりとなりますが、オファーを受けたときはどのようなお気持ちでしたか。

星野源『MIU404』でご一緒した監督の塚原さんから撮影中に、今度はTBS火曜のキュンキュン的なドラマを撮ると聞いて、驚いたんです。これまで塚原さんは『中学聖日記』などを手掛けられていて、どちらかというとラブコメよりシリアスなドラマのイメージが強かったので、凄く意外だなと思って。その後、主題歌のお話も頂いて、またご一緒できることをとても嬉しく思いました。

――どのようなイメージで制作されたのでしょうか。

星野源最初に主題歌についての打ち合わせをさせて頂いて、プロデューサーの新井さんから「凄く沁みるようなラブソングを」とリクエストをいただきました。それから「今回の火曜もキュンです」とも言われて。ところが、塚原さんも新井さんも僕もキュンがいまいちよくわからなくて、「キュンって何なんですかね?」という話をしました(笑)ただ、お2人はそれでも“キュン”というものに誠実なアプローチをされるだろうなということはわかっていましたし、自分もラブソングというものに正面から向き合って、しっかり作らなければと思いました。

――これまでも沢山ラブソングを作っていらっしゃいますが、正面から向き合って作られたのは初めてだったのですね。

星野源これまではラブソングを作るつもりじゃなくても結果的にラブソングになることが多かったんです。ですが、今回はドラマで描かれるラブストーリーを入り口にしながら、自分自身がちゃんとラブソングを書くぞという気持ちで向き合いたかったというか。この火曜ドラマの枠で斜に構えた主題歌を描くのも違うなと思ったんです。

――過去のインタビューで「自分のことはあまり歌いたくないという思いが根底にある。物語にしたりわざと主語を抜いている」とコメントされていましたが、「不思議」を制作するにあたり、星野さんの中でどんな物語を描かれたのでしょうか?

星野源これまで作ったラブソングは、自分の歌になりすぎないように気をつけてきました。何故かというと、歌っていることが僕のエピソードだと思われたくなかったので、フィクションとして表現してきたからなんですね。だけど昨年末の紅白で「うちで踊ろう」を歌った時に、自分のエピソードを歌うわけじゃなく、「いま自分はこう思っているんだ」というのを、視聴者の皆さんにしっかり伝えられた感じがして、それがとても楽しかったんです。だから、今回は「自分にとっての愛とか恋はこういうことだと思っている」というのをちゃんと歌にしようと。だから、ラブソングというテーマから逃げずに、“愛”というものを僕なりに表現したらこういう曲ができた、という感じです。「創造」も「僕の思うものづくりってこれだよ」という気持ちで作ったのですが、これからはどんどん表現したいことと正面から向き合っていくのも楽しいんじゃないかなと思っています。

タイトル「不思議」に込められた“好き”の原理 ドラマの演出に感じた「楽曲への愛」

――タイトルの「不思議」はどういった思いでつけられたのでしょうか?

星野源曲を書いている途中で “不思議”というタイトルが浮かんで、“不思議”をゴールと想定したら途中まで見えていた景色が完成していく感覚があったんです。歌詞の中に「理由もない 恋がそこにあるまま」とありますが、例えば自分が誰かを好きになって、「どういうところが好き?」って聞かれた時、その理由を綿密に辿っていけば「こういうところが素敵だから」と説明できたりもしますが、それって全部後付けというか、パズルをはめ込んでいくようなものなんですよね。「なんかわからないけど好き」というのがほとんどじゃないですか。それってちょっと不思議というか、ラブソングのタイトルにピッタリだなと思って。

――ドラマの第1話では、終盤の川口春奈さん演じるくるみが泣きながらカレーを食べている場面と、横浜流星さん演じる駿が車の中でくるみを見ている場面で再び流れるという印象的な使われ方をしていましたね。

星野源僕も第1話の放送時に初めて観たのですが、くるみが泣きながらカレーを食べているシーンで、「希望溢れた この檻の中で」まで流れたのですが、そこでしっかり聴かせる“間”を作ってくれて「ここの歌詞をしっかり聴かせたかったんだな」って思いました。もちろん曲が流れる場面は事前にある程度教えていただいていたのですが、塚原さんの“楽曲への愛”みたいなものが凄く伝わってきてとても嬉しかったです。

ストリーミング時代でも大事にしたい1音1音へのこだわり「戦略的なやり方で音楽は作らない」

――これまで様々なドラマの主題歌を手掛けてこられましたが、星野さんは“ドラマの主題歌の役割”とはどのようなものだと考えてらっしゃいますか?

星野源週1で放送されるドラマって、1週間の間に物語や登場人物が視聴者それぞれの中で育ちますけど、その中で主題歌というのはドラマの世界にグッと戻してくれる力を持っていると思います。『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌「恋」で言えば、曲に合わせてキャスト達が踊るというエンドロールだったこともあって、ドラマにとっての顔にもなっていましたよね。だからこそ絶対に手を抜いてはいけないと思っています。今回「キスにも、涙にも似合う曲を作りたい」というコメントを出しましたが、なぜかというと、基本的にキュン的なラブストーリーなのに、初回は涙のシーンで曲がかかるからなんですね。初回が涙だからって悲しい曲にしてたらその後が成立しないし、その逆も然りで。どの回のシーンで流れても成立するものにしたかったんです。

――ちなみにドラマの主題歌で凄く印象に残っている曲は何かありますか?

星野源『王様のレストラン』の平井堅さんの「Precious Junk」とか『パパとなっちゃん』の小泉今日子さんの「あなたに会えてよかった」とか、懐かしのドラマの主題歌を聴くと“キュン”としたりしますよね。今回「不思議」を作るにあたって、“キュン”とするサウンドってなんだろうと考えて思い出したのが、小学生の頃、真冬に行ったスケートリンクで流れた久保田利伸さんの「Missing」のイントロでした。あのイントロを聴いた瞬間に、スケートリンクの上部に設置されていたスピーカーを見上げながら、しばらく“キュン”としたのを未だに覚えているんですよね(笑)。それと、僕は70年代後半や80年代のR&Bを聴くと異様に“キュン”とくるんです。そしてそれらの音楽は「今」の音楽でもあるので、そういった楽曲を思い描きながら作っていきました。

――“キュン”とくる懐かしの楽曲のように、星野さんが作る楽曲はどれも歌詞やメロディーに強さがあり、時代を超えて長く愛され続ける印象があります。ただ、ストリーミングが主流の現代において、音楽の消費のされ方がどんどん早くなっているようにも感じます。星野さんは現代の音楽の聴かれ方や消費のされ方をどのように感じてらっしゃいますか?

星野源自分が10代の頃や20代の頃は、CD、レコード屋さんで新しいアーティストや曲と出会うみたいなことが多かったんですけど、コロナ禍になってしまったこともあって、音楽との出会い方はどんどん変わってきてますよね。とはいえ、ストリーミングやYouTubeとかで色んな時代の音楽を聴く人もいて、いまはそれぞれが本当に好きなものに辿り着きやすい時代なんじゃないかなと。だからこそ自分が音楽を作る時には時代に媚びるような戦略的なやり方をしないように気をつけているんです。大事なのは「俺、これ大好きで最高だと思うんだけど、みんなはどう?」という個人的な想いをちゃんと音楽として表現すること。例えば、今回Aメロの「そっと笑った」のあとにピアノが入るのですが、今回はそのピアノの後の「パーン!」というクラップ音に命をかけたようなところがあって(笑)。そういう「俺、めっちゃ好きなんだよこれ!」というのをこれからも音楽で提示していけたらいいなと思っています。

(取材・文/奥村百恵)

「不思議」

27日より、星野源の最新曲 「不思議」 の配信がスタート。
現在放送中のTBS系火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』の主題歌として書き下ろした楽曲となっている。
https://jvcmusic.lnk.to/Fushigi


星野源公式TikTokもオープン。
新曲 「不思議」 完成時の最終チェック風景をアップしている。
▼TikTok公式アカウントはこちら
https://www.tiktok.com/@genhoshino_official
@genhoshino_official

星野源・新曲 “不思議” 完成の瞬間!/TBS系火曜ドラマ「着飾る恋には理由があって」主題歌 ##星野源 ##不思議 ##着飾る恋には理由があって ##着飾る恋 ##GenHoshino

? オリジナル楽曲 - genhoshino_official - 星野源 Gen Hoshino
Sponsered by ビクターエンタテインメント

あなたにおすすめの記事

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!

メニューを閉じる

 を検索