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ゴスペラーズ、マイナーだったアカペラがメジャーへ「責任感が薄れた」 27年間の想い
「音楽は現実から離れて心の小旅行ができるツール」コロナ禍の想い
北山陽一図らずもですけど、本作もアカペラアルバムじゃなかったらスケジュール通りには完成できなかったかもしれません。ミュージシャンをスタジオに集めたりするのも、なかなか難しい状況でしたから。
村上てつや結果的にね。ただ音楽で誰かに希望や勇気を届けるとかよく言いますけど、そんな生易しい話じゃないんだなと。その“誰か”というのは、僕らを求めてくれる人に限られてしまうわけで、ただ、いい意味でそうした自分たちの限界に向き合えた分、届け得る人にはきっちり届けようといろいろやってきました。
昔の曲を掘り起こした配信番組とかね。やっぱり音楽というのは現実から離れて心の小旅行ができるツールでもあるし、僕らの曲をきっかけに「あの頃、こんな恋をしてたな」とか思い出してくれたとしたら、それは27年やってきた意味があったと思いますね。
──最後に、4月から始まるアカペラツアーへの思いをお聞かせいただけますか。
北山陽一ゴスペラーズのファンって昔から医療従事者や介護職の方が多いんですね。なぜだか理由はわからないんですけど、イベントで話をしたりすると、そういう方がけっこういて。4月以降どんな状況になってるかまだ見えないですが、中にはいろんな事情でまだライブには行けない方もいるかもしれません。もしかしたら僕らがツアーを行うという発表を聞いて、置いてけぼりな気持ちになってしまった人もいるかもしれない。
村上てつやツアーを組み立てる前に、そういう話し合いもしましたね。来られない事情がある人たちがいることも、きちんと理解しておかなければいけないと思っています。
北山陽一それでも、今ここでできる範囲のことを積み重ねていかないと、いざ安心してライブができるようになったときには、イベンターさんもスタッフさんもバイトさんもみんないない。今はそんな状況になりかねないところまで来ています。僕たちは来られない方々のことを忘れたわけじゃない。みんなで大爆発できる日には必ず迎えに行くから、そのときまで待っていてください。ということは、ツアーを回る前にお伝えしておきたいですね。
2021年4月3日の埼玉・三郷市文化会館を皮切りに、6月20日の大阪・南海浪切ホールまで全国9都市23公演を開催