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【嵐ライブレポート】追求するリアルなハッピー、嵐が見せた決意表明とは?
2016年の年末、そこにいたのはひたむきで懐かしい嵐
でも考えてみれば、彼らのライブではいつも、そこに参加した人たちの胸に心地良い風と熱とを巻きおこしてきた。デビュー曲「A・RA・SHI」の歌詞にある“風を集める”という言葉の意味は、毎回松本潤の煽りにあるような、“幸せになる準備”そのものだ。ライブが進んでいくにつれて、だから確信することができた。嵐のライブで、自分もまた風や熱の一部になること。それこそがARASHIがくれる最高のハッピー感であることを。
近年のショー的なライブから、生のハッピー感へのこだわりへ
けれど、今回彼らがこだわったのはサプライズや刺激、斬新さ以上に、ハートフルな触れ合いであり、そこから生まれるリアルなハッピー感だったのだろう。コンサート制作の舞台裏を映し出すドキュメント映像から始まり、バンドメンバーによるこだわりの“生音”が響き渡った後で登場した5人は、まず、“歌うこと”に集中していて、その声に乗せた想いが、矢のように聴き手の心に届く。そんなシンプルなオープニングの演出が、かえって新鮮だった。
誰もが知る曲と五人五様の煽り、観客を巻き込む参加型ライブ
今回は、ペンライトが“DIGITALIAN”のファンライトと同様、楽曲ごとに光り方がコンピュータ制御されていた。それもあって、いつも以上にファン参加型のライブになっていて、大好きな嵐に会える幸福、嵐と同じ時間を過ごせる幸福、美しい音楽に包まれる幸福の他に、無意識的に“自分もまた今ここで生まれている風や熱やアートの一部になっている幸福”も味わえたのだろう。色や光り方は制御されても、その“揺れ”は観客の腕が生み出している生モノで、それが約3時間のライブ中完璧にシンクロしていて、圧巻だった。