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“Zawachin”、歌手デビューの真相語る「小さいころからの夢だった」

 “ものまねメイクファンタジスタ”ことざわちんが“Zawachin”名義での歌手デビューした、デビュー作「まだ見ぬセカイ」はデイリーランキングで最高14位を記録するなど、好調な滑り出しとなっている。これまで披露したものまねメイクは200人超。その再現力とクオリティに絶賛の声が高まる一方で、「何で歌手やるの?」といったネガティブな声もあがっているのは事実だ。実はものまねメイクを始める前から歌手を目指していたという彼女、長年抱き続けた思いと、夢を叶えた今の心境、そしてアーティスト・Zawachinとして今まさに切り拓こうとしている新ジャンル「音楽版・ものまねメイク」の構想について、“すっぴん”の思いを語ってもらった。

しょっちゅう“エゴサーチ”します(笑)

――3年ほど前にインタビューさせていただいた時に、「歌手になるのが夢だった」っておっしゃっていましたよね。
Zawachin 覚えていただいててうれしいです! そうなんですよ。小さい頃からの夢で、高校の進路相談でも「歌手になりたい」って言ったんです。先生に「絶対無理、ありえない」って、鼻で笑われちゃいましたけど。

──現実を見ろ、みたいな感じで?
Zawachin そうですね。私も現実を見て諦めちゃったんですけど、同時にすっごく悔しくて「もし本当に私が歌手になれたら、先生どう思うんだろう?」とも思ってました。

──結果、ものまねメイクで注目されて芸能界に入ったわけですが、歌手の夢は持ち続けていたんですか?
Zawachin やっぱり頭の片隅にはいつもありましたね。ものまねメイクは趣味でやっていたことだったので、仕事になったこと自体がびっくりだったんですけど、ものまねメイクを頑張っていればいつかお声がかかるかもしれないと小さな期待はしていました。でもやっぱり歌を聞いてもらわないといけないなと思って、マネージャーさんに相談してカラオケ番組(日本テレビ系『キャラオケ18番』など)にも挑戦させてもらってたんです。

──そしてついに夢が叶って、歌手デビューが決まった時はどんな心境でしたか?
Zawachin もちろんめちゃくちゃうれしかったです! でも歌手デビューが決まったことを発表した時には、「ざわちん歌えるの?」みたいな声がすごく多かったんですよ。確かに、カラオケ番組で歌っている自分を客観的に観た時に、まだまだだなと感じていたんですね。でも、お声をかけていただいたのはチャンスだなって。

──どこからそういう声が聞こえてくるんですか?
Zawachin 私、しょっちゅうエゴサーチするんですよ(笑)。SNSチェックとか。みなさんがどんなふうに思ってるか、めちゃくちゃ気になるほうなので。

──有名人がエゴサしても、あまりいいことはない気もしますが……。
Zawachin たしかにキツイことを読むと、悲しくなったり心が痛くなったりします。でも、それよりも「なんだうまいじゃん!!」って思わせたいというか、バッシングも見返してやる!っていう気持ちのほうが強いです。怒ってくれるっていうのは、ちゃんと見てくれているからで、親みたいなものですよね。いつかは“恩人”になるんじゃないかなって。それこそ先生に鼻で笑われた高校の時みたいに、その言葉をハングリー精神にしようって気持ちを切り替えてます。

歌手活動を“企画モノ”に思われたくない

──有吉さんにも『有吉反省会』でけっこうキツいことを言われてましたよね。
Zawachin はい。でもあれが有吉さんのキャラだし、それにあの時も「もし本当に結果を出したら、有吉さんはどういう反応をするんだろう?」みたいに思ってましたね。もともと芸能界を目指したのも、小さい頃にいじめられてたことがあって、いつか見返したいっていう気持ちがきっかけだったんです。だからキツい言葉も、かけられた瞬間はつらいけど、そこで折れちゃわないことで、いつか恩人みたいなものになると思うんですよ。

──デビュー曲「まだ見ぬセカイ」では作詞にも挑戦しています。歌詞は自分で書きたい、という思いは強かったんですか?
Zawachin そうですね。今回、歌手活動を始めるにあたっての本気度というか、“企画モノ”みたいには見られたくないという思いがあったので、カップリングも含めて歌詞を書かせてもらいました。歌手になりたい気持ちが一番高まってた中学の時もけっこう歌詞を書いていたので、その時の感覚を思い出しながら、どっちの曲も自分の実体験を元に書いています。

──発売から少し経ちましたが、手応えはいかがですか?
Zawachin 今回、たくさんの場所でリリースイベントをさせてもらったり、発売当日には渋谷ジャックもさせてもらって、終わるたびにエゴサをしてたんですけど(笑)、「ざわちん、けっこう歌うまいじゃん」みたいなコメントがたくさんあって、すごく力をもらいました。ただ、初めての歌手活動でわからないこともまだたくさんあって、いろんな知り合いのアーティストさんに相談させてもらったんですよ。そうしたらみなさん統一しておっしゃったのが、「まだざわちんらしさが出し切れてない」って言葉だったんです。

──たしかにアーティスト活動には必要不可欠なことですが、“自分らしさ”を音楽で表現するって難しいですよね。
Zawachin 私も「自分らしさってなんだろう?」ってずっと考えてて、最近ようやくその答えというかヒントみたいなのが出たんです。それは、やっぱり私はものまねメイクで注目してもらったわけだから、「音楽版ものまねメイク」みたいなことに挑戦してみたらどうかな、って。つまりいろんなアーティストさんの特徴を捉えた歌を、メイクや衣装や振り付けなんかも含めて表現したら、新しいんじゃないかなって思ったんです。

──面白そうですね。
Zawachin もともと小さい頃から、好きなアーティストさんを真似て歌うのが好きだったし、カラオケでも洋楽からJ−POP、それこそ演歌までオールジャンルで歌うんです。でも、それをカラオケじゃなくて歌手として表現するとなったら、いろんなスキルが必要なので、これからダンスやギターやピアノとかも始めたいと思っています。

素敵な人を真似ることで自分の可能性が広がる

──「音楽版ものまねメイク」を実現するには、何がポイントだと思いますか?
Zawachin ものまねメイクと同じなんですけど、やっぱり徹底的にその人を観察することかなと思いますね。私、昔からなんでも真似っこで身につけてきたんですよ。たとえば習字も習いに行けなかったけど、上手な人の字の形とか手の動きを観察して、ついに賞をいただいたこともあったり、あと水泳もスイミングに行ってる人のフォームを観察することでけっこう速く泳げるようになったり。この人すごいな、素敵だなって人を真似ることで、自分の可能性がどんどん広がるんだっていうのは、ものまねメイクにも通じる考え方だと思います。

──では最後に、歌手・Zawachinとしての目標を教えてもらっていいですか。
Zawachin そうですねえ。一番最初に好きになったのがモーニング娘。さんで、その次に浜崎あゆみさんや倖田來未さんといったソロの歌姫に憧れたんですけど、よくライブ映像とかでものすごく大勢のお客さんの前で歓声を浴びてるシーンとかあるじゃないですか。ああいうところで歌ったらどんな気持ちなんだろうって想像しながら、よく部屋で一人でその気になって歌ったりしてたんですよ。

──ということは、やっぱり目標は東京ドームとか!?
Zawachin いやいやいや(笑)! まだ始まったばかりで精一杯なところばかりなので、あんまり大きな夢は抱けてないというのが正直なところです。でも実は最近よく、小さなライブハウスで歌う夢を見るんですよ。お客さんも4、50人くらいで、でもみなさんすごく真剣に聞いたり、楽しんでくれたりしてるという。その夢を見た後って、ものすごく幸せな気持ちになってる自分がいるんですよね。ああ、やっぱり自分は歌を歌うのが好きなんだなあって。だから今はとにかく長く歌手活動を続けることが一番の目標だなって思ってます。

(文/児玉澄子 写真/片山よしお)

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