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ORICON NEWS
TWIN CROSS『故郷・沖縄を想った“決意の曲”で伝えたいこと』
学生時代、互いの声に惹かれ合い結成へ
TOSHIDANとは看護の専門学校で一緒だったんですけど、休み時間に講堂でピアノの弾き語りを聴かせてもらったんです。確かAIさんのバラード曲だったと思うんだけど……DANの歌を聴いた瞬間、すごい! と思って。単に上手い人はまわりにもいたけど、DANの歌はただ上手いだけじゃなくて、感動したっていうか。
DAN僕は、仲間内でカラオケに行ったときに初めてTOSHIのラップを聴いて、「絶対にこのラップで一緒に歌をやる!」と決めたんです。実は僕の中では、ラップって攻撃的なイメージだったし、ヒップホップも好んで聴く音楽ではなかったんです。でもTOSHIのラップを聴いたとき、「こんなにもやさしく心に入ってくるラップがあるんだ!」って、僕の中の新しい扉を開けてもらった感じがして。それで最初はカバーから始めて、ライブハウスに出るようになってから、オリジナル曲を作り始めてという。
――「ただいま」は、どのようにして作ったのですか?
DAN僕らはいつもおしゃべりしながら曲を作るんですけど、どれだけ話が盛り上がったかとか、どれだけ熱く議論したかというのが物差しになって、曲のテーマを決めて行くんです。そのときは2週間弱くらいずっと東京にいたので、「そろそろ家族に会いたいな」とか「沖縄そば食べたい」とか、ちょっとしたホームシックにかかってしまった時期で(苦笑)。
――なるほど。
DAN離れているときは寂しいですけど、でもこの曲を沖縄に向けて歌うことですごく頑張れたんですよね。もし気持ち半ばで音楽活動が上手くいかないまま沖縄に帰ってたら、きっと素直に“ただいま”とは言えなかったと思うんです。だから、いまは辛くて帰りたい気持ちがあっても、もうちょっと頑張って笑顔でただいまと言いたいという、決意の曲でもあります。だから、聴いてくれた方の心が折れそうなとき「ただいま」を聴いて踏ん張ってほしい。そういう応援歌になったらいいなと思います。
TOSHIいまぐらいの時期は特に、故郷に帰れない寂しさを抱えた方がたくさんいると思うので、そういう方はこの曲を聴くことで少しでも気持ちが和らいだらいいなって。
沖縄こそが自分たちのアイデンティティーに
DAN最初は不安でした。でも東京とか大阪とかいろんな地域で歌わせていただていると、「この曲を聴いて故郷のことを思い出した」とか、本当にたくさんのエピソードを聞かせていただいて。沖縄じゃなくても伝わるんだ! って、すごく驚いたけど、全国でもこういう気持ちが伝わるのなら、僕らの1枚目のシングルとしてリリースする意味があると思いました。
TOSHI全国でリリースすることで、「ただいま」と言える地域がどんどん増えていくのは、すごく嬉しいです。そしてもう1曲の「NAMIDA」は、インディーズのときに出したシングルのカップリングに収録していた曲ですが、リリースしたのが3年前だったので、今回録り直して収録しています。僕らの成長具合も一緒に聴いてもらえるのは嬉しいですね。
DAN歌だけじゃなく、トラックも新しくなっているので、「お!」って思ってもらえるんじゃないかな。
――「ただいま」の歌詞にある<マースのお守り>は、どういうものなのですか?
DAN袋に塩を入れたお守りのことで、沖縄ではマースのお守りに思い入れを持っている人は多いと思います。僕も沖縄を離れるときは母が持たせてくれます。
TOSHIもちろんいまもお財布に入れてあって。遠くに行くとき親が持たせてくれたり、友だち同士で渡したり、部活の試合のとき女の子が手作りして先輩に渡したり。沖縄で歌うと、みんな自分の持ってるお守りを(ステージに向けて)挙げて見せてくれたりしますね。那覇空港とか、お土産として結構売っているので見つけたときはぜひ(笑)。
DANこういう沖縄特有のことを入れることで、自分たちのアイデンティティーを示すこともできるので、これからもちょこちょこと入れていきたいと思います。
――今後の目標はありますか?
DAN僕らの音楽は、自分たちの経験や情景描写を元にしながら、聴いてくれた人のストーリーとリンクできたらいいなと思って作っています。だから、確かにTWIN CROSSの2人が歌っているけど、聴いてくれたその人の曲にしてほしいです。そういう曲をたくさん作ることが目標ですね。
TOSHIその人自身の体験を思い出に残すためのお手伝いができたらいいなと思います。
DANあと男の子のファンを増やしたいですね。カップリングの「Take It All」は、ライブで盛り上がれる曲なので、男の子もぜひ聴いてほしいです!
――では最後に、5月11日に出演するライブイベント『oricon Sound Blowin’2013 〜spring〜』出演に向けての意気込みを!
TOSHI純粋にすごく楽しみです。でも、めっちゃ緊張もします〜!
DAN僕らを知らない人に聴いてもらって、意見をもらえる貴重なチャンスでもあると思ってて。出させてもらえることに感謝して、その場を大事に歌いたいです!
(インタビュー&文:榑林史章)
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