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ORICON NEWS
『紅白歌合戦』Pが明かす、黒柳徹子の司会起用の理由
名だたるアニメが総登場、『紅白』でなければ絶対にできないこと
柴崎 今年は戦後70年、日本の放送90年という節目の年で、さらに5年後には東京五輪が控えています。アーティストのみなさんもそこに向けて、どうメッセージや文化を発信していくか、意識的になってきているなと感じているところです。もちろん海外から注目される機会が、今後はより増えていくだろうと思います。だからこそ「ザッツ、日本! ザッツ、紅白!」というテーマを考えました。アーティストのみなさんが考える「ザッツ、日本! ザッツ、紅白!」とは何なのか? そういうものが、楽しく表現されればいいなと思っています。日本人らしさ、日本人で良かったという想い、さらに『紅白』ってやっぱりいいよねというような、様々なメッセージを出演者のみなさんと創りだし、発信していければと思っています。
――具体的な日本文化の何かを掲げたコーナーも作られるのでしょうか?
柴崎 単純に日本の伝統文化の素晴らしさを伝えることも大事ですが、日本の放送90年ということを考えたとき、アニメも日本が誇る文化のひとつだということで、“アニメ紅白”を行います。『ちびまる子ちゃん』や『妖怪ウォッチ』、それこそ日本のテレビアニメの先駆けといえる『鉄腕アトム』や、僕のような世代が親しんだ『巨人の星』や『ヤッターマン』。もっと若い方には『ポケットモンスター』などから、名だたるアニメが総登場します。『ポケモン』や『セーラームーン』は世界的にも人気ですし、それを『紅白』で、“どうだ!”という感じで見せられたら、きっと楽しいだろうなと思うんです。これは、『紅白』でなければ絶対にできないことだと自負しています。このプレゼンターを、黒柳徹子さんにやっていただく予定です。
――μ’sは、その流れの中に入るのでしょうか?
柴崎 いえ、μ’sさんは、日本のアニメ界の先端を行く存在として、2015年に社会現象を巻き起こしました。アニメ紅白とは別に、彼女たちの持ち味を活かした『ラブライブ!』のステージを作りたいと思っています。
――アニメ紅白のプレゼンターを務める黒柳徹子さんは、テレビ界の生き字引のような方。その黒柳さんは総合司会も務められるわけですが。
柴崎 戦後70年、放送90年を意識して番組を組み立てようとして、その柱というか、シンボルになる存在が必要だと考えたとき、黒柳さんの名前が浮かびました。NHK専属女優第1号であり、当時史上最年少で『紅白』の司会、しかも4年連続で『紅白』の紅組司会を務められた経歴があります。黒柳さんが初めて『紅白』の司会をやられたのが57年前で、そのとき最後に歌っていたのが美空ひばりさんだったそうです。まさしくテレビ界のレジェンド。そんな方が、今年の『紅白』でどんな言葉を発せられるのか、とても楽しみにしています。
――視聴者としては、『徹子の部屋』で見せるような、自由な振る舞いにも期待していまいますが。
柴崎 それは私も期待しています(笑)。我らがイノッチ(井ノ原快彦さん)と綾瀬はるかさん、有働由美子アナがおりますので、バックアップは万全です。ぞんぶんに黒柳さんらしさを炸裂させてほしいです。
――白組の司会をされる井ノ原快彦さんは朝の顔として、幅広い世代から愛される存在になりましたね。
柴崎 『あさイチ』も6年目、毎日日本の様々な出来事を受け止め、自分の言葉で伝えて来た、頼れるお兄さんというところが、すごくあります。東日本大震災など、日本の大きなうねりを番組を通して体験されてきた方ですから、1年最後の『紅白』という大舞台で、アーティストの渾身の歌や表情をどう噛みしめて、どういう言葉を発してくれるのか、期待しています。
――紅組の司会には、2年ぶり2回目の綾瀬はるかさんが務めますが。
柴崎 綾瀬さんは、かわいらしい奔放さやある種の放っておけなさを持っていて、生放送のドキドキ感を温かみのある天然さで包んでくれるのではないでしょうか。きっと全国のおじいさんおばあさんは、孫を見守るような気持ちで応援してくださるんじゃないかと思っています。ただ、黒柳さんと綾瀬さんが相手ですから、井ノ原さんはきっと大変でしょうね(笑)。
生放送で年に1回、66年もやっている『紅白』は、極めてテレビ的なコンテンツ
柴崎 副音声はバナナマンワールドです。お話を聞くと、おふたりともとても『紅白』が好きでいらして、すごく詳しく、何より『紅白』愛に溢れています。芸人さんのなかでもトップを走っていらっしゃる方なので、そこはおふたりに委ねて、バナナマンさんのやり方で『紅白』を楽しんでくださいというスタンスでお願いしています。
――そういう意味でも、テレビとスマホを両方見ながら楽しめますね。
柴崎 『紅白』には今年で66回目という伝統があります。なかにはお堅いイメージや、ある種の予定調和感を持たれている方がいらっしゃると思います。そういうイメージを払拭して、『紅白』をもっと自由に楽しんでほしいという気持ちで、その入り口をバナナマンのおふたりに作っていただく感覚です。副音声という手段で、暴れてほしい、楽しませてほしいと思っています。生放送で年に1回、66年もやっている『紅白』は、極めてテレビ的なコンテンツです。今のテレビというメディアでできることは、すべてやっていこうという考えです。
――今年はインスタグラムを採り入れるなど、SNSやスマホ文化も採り入れていますが、若者世代への訴求力も考えていますか?
柴崎 SNSやスマホのほうが、若者世代にとってはテレビより身近になっていますよね。副音声も含めて、そういうところをきっかけにしてリアルタイムで観て欲しいのが正直なところです。そのための入り口を、たくさん設けているという感じでしょうね。
――また、戦後70年企画ではMISIAさんが歌われますが。
柴崎 長崎県出身で、彼女の活動の根本には平和へのメッセージがあります。夏に戦後70年の特番『いのちのうた』にご出演いただいたのですが、番組で今も平和への活動を行っている長崎の小学校を訪れていただき、そこで改めて平和に対する想いを強く持たれたそうです。そうした想いを、彼女の圧倒的な歌唱力で表現してもらえたら、きっと素晴らしいものになると思いました。