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高橋ジョージ、娘と妻に向けた新曲と事務所問題を語る

 NHKドラマ『美女と男子』に出演していた高橋ジョージが、役名の“たどころ晋也”名義で劇中歌唱曲「ハローマイラブ!/ふたりOne Day〜」を発売。“一発屋のベテラン歌手”という役柄でオンエア中も話題になっていたが、そんなたどころを演じたことで改めて感じた音楽への情熱、自身の気持ちをリアルに書いた“ふたり”への想い、さらに報道されている“事務所問題”について語った。

ドラマの役にかこつけて、自分の本性をさらけ出せた

  • シングル「ハローマイラブ!/ふたりOne Day〜」

    シングル「ハローマイラブ!/ふたりOne Day〜」

――ドラマ『美女と男子』では、高橋さん演じる、関西弁のベテラン歌手・たどころ晋也が話題になりました。
高橋 実は最初に話を聞いたときは断ろうと思ったんですよ。そもそも俺は宮城県出身で関西人じゃないし、設定が“妻子に逃げられた一発屋の歌手”って、バカにしてんの?!って(笑)。でも台本を読んだら、俺自身が言いたかったセリフがいっぱい出てきたんです。「“一発”を出すだけでも大変なんだ」とか、「一番大事なのは人の助け」だとか、ドキっとする言葉がいろいろ出てきて。あとたどころが通販番組に出ながら陰でこっそり曲を作っていそうってところも、なんか俺っぽいでしょ? 関西弁のセリフだけは大変だったけど、多分、たどころ晋也と高橋ジョージは98%ぐらい重なっていたんじゃないかな。

――98%ってほとんどご本人ですね(笑)。
高橋 そう。他の役者さんたちとも、「人生の中で一度か二度は自分の人生そのものを演じる役ってあるんだよね」って話していたんですよ。

――でも、ドラマの劇中歌であり、たどころ晋也名義でリリースもされた「ハローマイラブ!」は、これまでの「高橋ジョージ」とはかなり印象が違うかも。
高橋 こういう曲を作ったのも歌ったのも始めてだけど、実はこれ、1日で書けたんです。ドラマの中では90年代ぐらいのヒット曲っていう設定だったから、サウンドメイキングは、その頃に流行った曲、例えば渡辺美里さんの「My Revolurtion」とかKANさんの「愛は勝つ」とか、ZARDの「負けないで」とか、みんな同じリズムパターンなんだけど、それをまず使いまして。で、そこに“Hello.Hello,My Love〜”って歌詞をつけて、キャッチーにするならサビ頭だなって感じで作っていったら、すぐにでき上がった。ただ、まさかCDリリースすると思ってなかったから、キーを1個上げてまして。「ロード」ですら意外にキーが高くて、カラオケで原曲キーのまま歌える人ってあまりいないんだけど、そこからさら上げちゃったから、人前で歌うときは大変(笑)。あとジャケット写真もリーゼントにしてるけど、実はカツラなんですよ。

――えっ、そうなんですか?
高橋 10年前の若いときの「たどころ晋也」っていう設定だから、わざわざ作ったんです、カツラを。でも俺、ただでさえ髪が多いから、かぶると異常にフサフサになっちゃうっていう(笑)。

――ははは(笑)。この曲と役柄で高橋さんのイメージが変わった人も多いでしょうね。
高橋 これは俺のプライベートの話なんだけど、昔、娘が5〜6歳のときに「『ロード』はいい曲だと思うけど、もっと踊りたくなるような明るい曲を作ってよ」って言われたことがあって。そのときは“何、言ってんだ”って思ったけど、今回、ドラマの役にかこつけて、自分の本性をさらけ出せた気がしているんですよ。これまでは「ロード」のイメージがあるから、コメンテーターとかやっていても鎧をつけていた部分があるんだけど、本来の俺はどっちかというとファンキーで、楽しいことが好きなほうなので。

娘と妻に向けて歌った新曲は、俺(高橋)からの一方的なメッセージ

――ドラマや曲について、娘さんからは何かリアクションはありました?
高橋 いやいや、もう1年半ぐらい会ってないから。いろいろ事情があって電話も止められていますし。でも、いいんです、音楽は止められないので。世界中を見たって音楽は国境すら越えるでしょ? てことは今、俺と娘は大阪と東京で離れているけど、その距離はあまり問題じゃないのかなと。

――今作は、そんな娘さんのことを歌った曲「ふたり〜One Day〜」も収録されていますね。
高橋 そう思われるんだけど、実はこの曲は娘と妻の“ふたり”のことを歌っていて、そこに僕は入ってないんです。CDリリースの記者会見では、どうせいろいろ聞かれると思ったから、「ストーカー的に思われるかも」なんて言いましたけど(笑)、僕の中で“ふたり”がこの世にいるっていうだけで幸せだと思っていて。そのためなら何でもできるっていう想いを曲にしたんです。状況がわからない人が聞いたら、押し付けがましいとか、そんなこと言ったら相手はイヤだろうなって思うかもしれないけど、俺の中ではそこらへんはあまり関係ない。というのも自分が57歳になってわかったんだけど、恋と愛の違いって要はワンウェイかツーウェイかってことじゃないですか。つまり「恋」は一方通行でしていいもの。じゃあ、家族に「恋」をしちゃいけないの? っていう話で。もちろん「愛」もありますし、感謝もしています。でもそれを言い出すと「私は愛してませんから」ってとこから始まっちゃうから、「恋」の歌を書こうと思った。だからこの曲は俺からの一方的なメッセージ。自分の精一杯の気持ちを表現できたので良かったなと思っています。

――原点に戻って「恋」の境地に行き着いたと。
高橋 そりゃ、今もいろいろありますし、最初に出て行かれたときはすごいショックでしたよ。娘もいなくなってしまって、3ヶ月ぐらいは感情的になって、絶望感も味わった。でも『美女と男子』で、そんな俺と同じような境遇にいるたどころを演じさせてもらったからこそ、この曲が書けたというか。ミュージシャンってイメージでパッと曲を書ける人と、体験しないと書けない人がいると思うけど、俺は後者なんです。身を削って曲を作るから辛いし、人を泣かす前に自分が歌って泣くみたいな(笑)、そんなこともあるけど、そうやって書いた曲を聴いてくれる人がジワジワ増えてくれたのはすごく嬉しい。俺のできることは曲を作って歌うことだし、(三船)美佳さんが俺と離れる前に「好きなことをやったら?」って言ってくれたこともあって。今の言葉だと俺は“オワコン”に入るのかもしれないけど、終ったらまた進化して始めればいいだけのことだから。今までだって俺は“トラブル”ってバンドから、“THE 虎舞竜”に変わって、今度は“たどころ晋也”でしょ。じゃあ、次は“高橋ジョージ&THE 虎舞竜&たどころ晋也 ゴールデンビッツ”にしようかなと思ってるんですよ。何でかっていうと、検索で全部引っかかるように(笑)。名前なんてあまり問題じゃないんだけど、音楽は今後も続けていきたいと思っています。

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