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結成から音楽性まで話題の田中聖が所属するバンド・INKTに迫る!

周りで支えてくれているスタッフを含めて、このチームで良かったと思う

――初めてスタジオで音を出したときは、ゾクゾクきたりとかしましたか?
KOKI そこまでの感覚はないですよ。
Kei ふわっと始まったんで。
KOKI そういうアーティスティックな感動みたいなのは、全くなかったです。
Kei 今、考えましょうか? 電気が走りましたとか(笑)。
KOKI 鳥肌が!とか(笑)。でもほんと、自然と合わせて自然と今に至る感覚なので。
Kei そのとき、これだ! というのはなかったけど、こうだろうな、こうなるだろうな、という感覚はあって。でもそれが気持ちいいし、その感覚が今もずっと続いているんです。その瞬間に感じた電撃を頼りに今も生きてますとか、そんなのはないです(笑)。

――その代わりにライブのステージでは、電気が走るみたいな感覚はたくさんあるんでしょうね。
KOKI うん。ライブは本当にやって良かったと思えた。このメンバーで良かったと思ったし、この音で良かったし、このお客さんで良かった、この会場で良かったと、心底思えた。周りで支えてくれているスタッフを含めて、このチームで良かったと思いました。

――1月に1stライブをやるまで、人前で演奏する機会はまったくなかった?
KOKI 何もやってなかったです。ずっとひたすら地下にこもってた。

――セミか!?
Kei (笑)。確かに!

――あ、でもセミじゃ7日で終わっちゃうから違うか。
KOKI 息の長いセミってことで(笑)。

――それだけ地下活動が長かったという。
KOKI そうそう。だからこそ、Keiの言ったこととか、個々でも不安がすごくあった。

――でも、ライブがやりたくて仕方がなかったでしょう。
Kei ライブしたいってずっと言ってました。
KOKI ずっと言ってた。
Kei 今でも言うけどね。早く次のライブがしたいって。
KOKI それにバンドって、ライブしてナンボだと思うので。目まぐるしいと思うくらいやりたいです。

――1stライブをやったときは、緊張とかした?
KOKI 最初のブロックは記憶がないです。
Kei それ、みんな言うよね。
KOKI で、半分くらい経ったところで、やっと気持ちが落ち着いてきて。
Kei 素人かっていう(笑)。
KOKI だから、反省会とかでそのときの映像を見ても、半分経ってやっと顔が普通の表情になってきたって見て分かるくらいだった。

――それは、無我夢中になっていたということ?
KOKI それもあるんですかね? 悪い言い方をすると頭でっかちになってたところがあったかもしれない。こうしなきゃ、ああしなきゃっていう気持ちが強すぎて。それが半分過ぎて、アンコールぐらいになると、ライブはやっぱり楽しいものだっていう再確認もできた。楽しめばいいんだって。もちろん最低限やらなきゃいけないことはあるけど、そういう再確認したものを、次のライブにぶつけることができた。

――大阪は、リラックスしてできた?
Kei そうですね。だいぶリラックスしてた。
KOKI 単純に、頭から楽しもうって。こうしなきゃじゃなくて、バンドのライブなんだから自由でいいんだっていう感覚でやれました。

――お客さんの声援は、どんな風に感じられましたか?
Kei 本当にありがたいなって。こっちもテンションがアガるし、楽しんでくれているというのが伝わって来た。
KOKI とにかく1stライブだったから、みんながどれほどのレスポンスを返してくれるのかわからないまま、曲作りをして演出を考えていたので。こんなに温かい声をくれるんだ!って、すごくありがたかったです。

ライブ向けの曲が詰まったアルバム

――アルバム『INKT』がリリースされていたので、曲は知っていても、お客さんのほうもどんなステージパフォーマンスを見せてくれるのか、分からなかったわけですから、お客さんも緊張していたかも。
Kei うんうん。だからお互い、最初は距離のつかみ方がフワッとしてた。そこから徐々にお客さんと一緒に作り上げていったのが今のINKTのライブの空気感だと思う。
KOKI お客さんとの距離を計りながらだった1stライブ。それはそれで面白かったけどね。

――で、そうした1stライブでの経験があった上で、発売されるのがミニアルバム『サイサリス』。
Kei まさに、1stライブのリハをしながらの制作で、リハと制作を交互にやっていました。1stアルバムを出したことで、ちょっと届かなかったところ、足りなかったもの、もっとやりたかったものなどが、ちょっと見えていて。その状態で1stライブをやったことで、やっぱりこれが欲しいあれが欲しい、これを形にしようと、ライブで感じたことをダイレクトにぶち込むことができた作品です。すごくライブ向けの曲が詰まったアルバムになりましたね。
KOKI ライブで欲しい曲が詰め込めた。ライブのリハーサルでは前作の曲をやりつつ、さらに新しい曲を作ってるから、頭がごちゃごちゃになったけど。でも、今作はもっとライブが見えやすくなったと思うし、それを引っ提げつつの5月のライブが、今からすごく楽しみな状態になってます。

――『サイサリス』は、ホオズキのことで。
KOKI 一応、ホオズキです。
Kei タイトル曲の「サイサリス」は、僕が作曲したのですが。ホオズキの花言葉にある「偽り」をテーマにしていて。自分を偽らなくてもいいんだよというメッセージを込めました。自分が思い描いた通りにいかなかったとき、これでもいいかなって、本当はそうじゃないのに流されてしまうのはもったいない。もっと最初から自分のやりたいことや信念を貫いて欲しいと思って。何かそういうことに気づいてもらえる曲になればいいなと思って作りました。

――これは、リハをやりながらのときにできた?
Kei まさにど真ん中でできた曲です。
KOKI 最初に作った2曲、「サイサリス」と「Wanderlust」はまさにど真ん中でしたね。

――全曲そのど真ん中でできた曲ですか?
KOKI 前回のアルバムを作ったときのストックが、まだたくさんあったので、まずはそのなかにある曲を聴いていって。その上で、作品全体を見据えながら、こういう曲が必要だよねってことで、各自が作って持ち寄って。これがいいんじゃないかあっちがいいんじゃないかってやって、じゃあこれでミニアルバムにしようかって感じでした。

――各自が曲を作って持ち寄るときは、デモを作って?
Kei はい。アルバムのテーマとして、攻撃的な(ライブ感がある)ものというのがあったので、それはテンポ感なのかフレーズなのかわからないけど、攻め込んだことがしたくて、そのイメージだけでまず音を作って。その過程で「サイサリス」という言葉も浮かんでいたので、それをKOKIやみんなに伝えて、一緒に膨らませていきました。

――そのデモは、どのくらいまで作り込んでいくんですか?
KOKI わりと全部できていたと思います。
Kei フルで1曲分あったんじゃないかな。それを元に、メンバーに肉付けしてもらっていう。うちの曲の作り方って、作曲者がある程度のデモを作って、そこにみんなで肉付けをしていきながら、方向修正をしていって完成させるやり方なんです。
KOKI だから、誰かの楽器の音が加わった段階で、急にイメージが変わったりとか、世界観がグッと増したということもありました。
Kei 「サイサリス」は最初がっつりギター曲だったんですが、kissyがピアノを入れた瞬間にピアノ曲になりましたね。
KOKI すごくよくなったよね。

――ピアノの音が入ってるのは、INKTの音楽性として大きいですよね。
KOKI 肝ですね。しかもバンド畑じゃないあいつがやることで、僕ら自身の音楽性の幅も広げてもらってる。バンドだったらこういうフレーズを出すのに、そういうフレーズを出すんだ! みたいな、僕らが思いつかないアイディアを出してくることがすごく多くて。

――今作は、基本的にヘヴィでアツいロックの世界観ですが、美しいピアノが入ってくることで、ドラマ性が広がる感じがありますね。
Kei 奥行きが出ますね。ギターバンドでは決して出せない世界観を表現できていると思います。
KOKI ピアノが入ることできれいにもなるし、厚みも出せるし。あまり言いたくないけど、kissyがキーマンではあるのかなって(笑)。
Kei でも、ちょっと褒めすぎなのでピアノの話はカットでお願いします(笑)。

――素直に褒めてあげればいいのに!
KOKI いや、絶対に褒めません。とくにkissyのことは(笑)。

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