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活動休止・結婚・妊娠……絢香が現在の心境を告白!

赤ちゃんに向けて書いた新曲MVでは、大きなお腹も披露

――そして、妊娠後に書かれたという「バースデーソング」もまた“新しい絢香”の曲。
絢香 お腹で新しい命を育んでいる特別なタイミングにリリースするアルバムなので、この時期にしか書けない曲を絶対に収録すると決めていました。それで作ったのが「バースデーソング」という曲。これから産まれてくる新しい命に向けてという想い、そしてこの先毎年、1年に1度の誕生日に色んな人が歌ってくれる曲になったらいいなという想いも込めて、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで歌えるように、なるべくシンプルに作りました。

――歌声も優しく真っすぐで、おなかにいる赤ちゃんも気持ちよく眠っちゃいそうですね。
絢香 そうですね(笑)。レコーディング中はお腹の子に話しかけるような気持ちで歌っていました。

――今回、そんな「バースデーソング」のミュージックビデオをファンの方と一緒に作られたんですよね?なぜそうしようと思ったのですか?
絢香 この曲はひと言で言うと「温もり」だと思っています。その温もりを表現するには、私を支えてくれるファンの協力を得ることでより一層叶うと思いました。私のファンクラブイベントに来て下さった方はわかると思いますが、とにかく温かい雰囲気に包まれていて、笑顔で溢れています。そんな雰囲気を表現したいと思った時に、ファンの協力があれば、より良いものが創れるんじゃないかと思い付くのは、私にとって自然な流れでした。

――絢香さんも参加されているそうですが?
絢香 そうなんです。実は、ジャケット写真も含めて妊娠期間中にこれまで撮影してきたものは、なるべく私が妊婦だと感じないように創っていました。でも、この「バースデーソング」については、お腹にいる赤ちゃんに向けて書いた曲なので、いまのありのままの姿を収めることにしたんです。なので、大きくなったお腹も、初めて堂々と見せています(笑)。と言っても、服は着てますよ(笑)。でもあきらかに大きくなっているので、ファンのみんなは驚くんじゃないかな。

――ちなみに妊娠がわかったのは前回のツアー中。それを知らないバンドメンバーがまず“歌声”の変化に気づいたそうですね。
絢香 そのときはまだ、身内以外誰にも妊娠していることを言ってなかったんですが、ライブを終えた直後に「なんかさ、すごく今日の歌はすごくやさしくていいね」ってメンバーから言われて(笑)。

――というか、それぐらい自然に歌声が変わった絢香さんが怖いです(笑)。
絢香 笑。変えたつもりはないし、まだ全然(妊娠の)実感も湧かないタイミングだったのに不思議です。でも、“未来”って言葉ひとつとっても、今まで歌いながら頭に描いていた“未来”とはあきらかに違う景色が見えたから、多分、そういうことが自然と声に出たのかもしれません。メンバーは毎公演、私の歌を一番近くで聴いて奏でてくれているから、いち早くそれに気づいたのかも(笑)。

――絢香さんはデビュー曲「I believe」から常に、自分の想いや人生そのものを曲にして歌うタイプのアーティストですよね。それはしんどいときの自分も曲に出てしまうという辛さもあると思うのですが、絢香さん自身はそういう自身のスタイルをどう感じていますか?
絢香 すごく幸せだと思います。10代の頃なんて今より経験がないから、歌詞を書くにしても、どうやって書いたらいいんだろうって。今聴くと、無理している自分が曲に出ていたりもするんですよね。それは恥ずかしいけど、あのときの自分なりにいい作品にしたいという思いで、その方法を選択していたんだなぁって。曲を聴くとそんな自分が蘇ってくるし、「The beginning」も活動休止中の自分の溢れ出る気持ちが曲に表れていて、いまでも聴くと胸が熱くなるんですよ。だから、辛いことや大変なことがあっても、それを音楽にパワーとして出せるのはすごく幸せなことだなと。

――お子さんが生まれたら、また新たな変化がありそうですね。
絢香 でも、どう変わっていくのか楽しみです。そのときどきの感じ方で作品に残していくのが自分らしい歩み方だと思っています。

理想の子育ては? 母のような母親になりたい

――理想の子育てとかあります?
絢香 実はひとつだけあって。母は私が自分からやりたいと言ったことに対して、今まで一度もダメと言ったことが無い人なんです。もちろん怪我をするとか、危険なことはさすがに止めてくれましたが、それ以外のこと、たとえば私がデビューしたいって言ったときも本当に全力で応援してくれました。なので、私の母がしてくれたように、私も自分の子どもを信頼して、一番のサポーターでいたいと思います。福岡に行く時、大阪を離れて東京で暮らすことになった時、デビューが決まった時。母が本当はどんな気持ちでいたのか、少しずつだけどわかるようになってきた気がするんですよね。母には本当に感謝していますし、私も、そういう母親になれたらなと思っています。

――それって親としてはすごく勇気のいることですよね。反対する方が楽だったりするから。
絢香 大変だったと思います。だけど信頼してくれたことによって今の私があるから、自分も子どもにそうしてあげたい。子どもがやりたいって思うことを全力で応援してあげられる、母のような母親になりたいです。でも、できるかな? いざとなったら心配のあまり、“ダメ”ばっかり言ってたりして(笑)。

――(笑)。そんな“母”としての初仕事は11月から始まる全国ツアー。産後、数ヶ月後でスタートするという、スピード復帰ですね。
絢香 アルバム『レインボーロード』を引っさげてのツアーになるので、どうしてもリリースした年に始めたかったんです(笑)。来年まで休んだらいいのにという声もありましたが、来年はそれこそ10周年になるので、私の10年間のキャリアを感じられるツアーをやることになるはず。だとすると、今年のスタートを逃すと、せっかくの最高傑作だと心から言える「レインボーロード」主体のツアーが、物理的にできなくなってしまうんです。でもね、産後だからと言って手は抜きませんよ(笑)。それこそ色んなサウンドが混ざりあい、今まで以上に迫力あるステージになるはず。日本トップレベルの素晴らしいミュージシャンたちと共にまわるツアーになるので、音楽的にもすごくクオリティの高いものになる自信はすでにあります! 去年は、やる前は非常に難しい挑戦になると言われた、ピアノ、ギター、歌というたった3人でまわるアコースティックツアーを、結果として目標以上の評価を頂けたことで大きな自信となりました。今回はそんな経験を経てのフルバンドでのツアー! 去年を超える凄いツアーにするぞって気持ちで準備をしています。また、出産を経て自分の歌がどう変化して響くのか──気持ちの部分も絶対にリンクしてくるはずだから、私自身もそこで表現する“歌”が本当に楽しみです。皆さん、ぜひ遊びに来て下さい!

(文:若松正子)
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