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オタ芸、ケミカルライト禁止……アイドルファンの“応援”、どこまで許される?
AKB48はケミカルライトの持ち込みを全面禁止
一方、「アイドル戦国時代」と呼ばれるまでに多くの女性アイドルグループが躍進したことにより、こうしたコンサート現場でのマナー問題も深刻化してきた(これはアイドルグループに限ったことではないのだが)。例えば、前述のアイドリング!!!のように全身を使って踊る種類の「オタ芸」は、動きが大きいために周囲にぶつかりトラブルになることも多く、“迷惑行為”として事実上禁止(打っていると注意される)。また、「ケミカルライト」は乱暴な扱い方をしたことで液体が飛散する事故が続出し、AKB48グループも今年2月からライブ会場への持ち込みを禁止した。
相次ぐ禁止に「寂しい」という声も
しかし、過剰なまでに規制してしまっては、生のコンサートならではの“エンタテインメント”としての楽しさが失われてしまう。現場の応援が均一化されてしまうことはもちろん、AKB48の大島優子の卒業コンサートなどでも実施されたいわゆる“サイリウム企画”などファン有志の企画の実行も難しくなり、せっかく会場に足を運んで生のパフォーマンスに触れても、どこか無機質な感覚に陥ってしまうだろう。エンタテインメントとして成り立たせるためには、ある程度の自由度も必要なのだ。
もちろん、主催者側の「コンサートを最後まで安全に楽しんでほしい」という思いも十分にわかるが、決して安くはないチケット代を払って会場に足を運んだのだから、観客は熱のこもった質の高いエンタテインメントを楽しみたいというのも当然のこと。その一方で、ファンにもそのエンタテインメントを楽しむ資格を得られる“節度ある行動”が求められている。盛り上がりが目立っているジャンルだからこそ、コンサートでのモラルについてもう一度考える必要がある時期にきたのではないだろうか。