大物アーティストのベスト盤発売ラッシュのワケ

■時代の空気、アーティストの戦略……それが“今”。

 安室奈美恵浜崎あゆみB’z……ここのところ大物アーティストのベスト盤発売ラッシュが続いている。このあとも10月に竹内まりやポルノグラフィティらが続くが、なぜ今、この時期にこれだけのビッグなアーティストのベスト盤の発売が重なるのか。

 レコード会社の事情、といってしまえばそれまでかもしれないが、それ以上に一番大きな理由は“新規ファン開拓”という大前提があるのではないかと個人的には思っている。今年は“○周年アーティスト”“アニバーサリーイヤー”というアーティストが多い。そんなことも影響しているのかもしれない。デビューから5年、10年とキャリア重ねてきて、圧倒的な数のコアファンを持っていたとしても、やはり息の長い活動を続けるには、新しいファンの獲得、グレーゾーンの取り込みは不可欠だ。

 今年デビュー10年目に突入したポルノグラフィティは、2004年に『PORNO GRAFFITTI BEST RED’S』『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE’S』という2枚のベスト盤を発売し、2枚合わせて約200万枚という大ヒットになった。これをきっかけに10代のファンが急増し、以後ポルノグラフィティのCDセールス、ライブ動員は大きく伸びることになりひとつ上のステージに上がった感がある。先日行われたコンサートでも、中高生らしきのファンを多く見かけたが、今も10代のファンをしっかりとつかんでいるところが、彼らの大きな強みだと思う。

 現在のファン層をさらに充実させると共に、新しい層を取り込む最大のチャンス“場”がベスト盤といえる。さらに“アーティスト指向”から“楽曲指向”になったといわれて久しいが、着うた、着うたフルなど、携帯やパソコンも含めて、楽曲のデジタルダウンロードがここまで活発に行われていることで、ますますユーザーの“楽曲指向”は強くなっているのではないだろうか。そんな“時代の気分”にピッタリなのがやはりベスト盤だ。ベスト盤でそのアーティストの代表曲を聴かせ、アーティストに興味を持たせる→オリジナルアルバムにつなげる、という狙いだろう。

 また、ベスト盤を引っ提げてのライブとなると、今まで観たことがなかったというグレーゾーンも大挙して押しかけてくることが予想され、楽曲と共にアーティストの魅力を刷り込む最大のチャンスになる。

 ベスト盤発売ラッシュの答えは、時代がベスト盤を求めているということ、そしてアーティストにとっては新規ファン開拓のための最大のチャンスであり、キャリアの節目節目こそがひとつ上のステージに上がる絶好のタイミング、ということではないだろうか。

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関連写真

  • B’z、ベストアルバム『B’z The Best “ULTRA Treasure”』 
  • 竹内まりや、アルバム『Expressions』 
  • 安室奈美恵、アルバム『BEST FICTION』 
  • 浜崎あゆみ、アルバム『A COMPLETE 〜ALL SINGLES〜』 

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