■〜プロローグ〜「はっさもーメーカラーよ」
BEGIN が「うた」への感謝を届ける『うたの日 キャラバン』。当初6月27日(土)開催予定だったが、台風第7号(メーカラー)の影響で1週間延期した7月4日(土)、沖縄県竹富町立竹富小中学校グラウンドで開催することとなった。台風による影響で思い出されるのは、2011年、『うたの日コンサート2011 in 石垣島』の中止に伴い、翌日に急遽行なわれた「石垣島うたの日〜はっさもーメアリー(台風の名)よ〜!」。今年はさしずめ、「〜はっさもーメーカラーよ〜!」と呼ぶにふさわしい一日となった。
■うたの日はうたの日に教えてもらえればいいさぁね〜
2001年にスタートした「うたの日」は、「うたをお祝いする日」として長年大切に育んできた。「うたの日はうたの日に教えてもらえればいいさぁね〜」。「うたの日」を提唱した当初から比嘉栄昇が語っていたこの言葉、首尾一貫して「うた」に教えてもらい続けてきたのではあるまいか。今回の開催にあたって比嘉が記した想いを抜粋し以下に掲載する。
--うたの日 キャラバンオフィシャルサイトより抜粋引用--
「うたの日」は平和コンサートではなく「うた」をお祝いする日です! フェスでもないので大きくする理由もありません。長く続けていると所有する気持ちが生まれます。それは一番カッコ悪いのでやめましょう! 自分に言っています(笑)。そもそも「うた」は誰の物でもありません。もう少し正確に言うと僕の物ですが、僕だけの物ではありません。世の中がどうあれ風のように自由に行き交っているのが似合っています。自分達で車に楽器と音響機材を積んで行きたい場所に勝手に行って「うたのお祝い」をすれば良い。「うたの日キャラバン」です!!
--抜粋引用終わり--
2026年、キャラバンの舞台は沖縄県竹富島だ!!
■BEGINと竹富島の同級生が創り上げた純度100%の手作りステージ
竹富港から赤瓦の屋根、サンゴの石垣を眺めつつ白砂の小道を歩くこと15分、会場となる竹富町立竹富小中学校グラウンドに到着した。真夏の太陽に照らされ、鮮やかな緑の芝生のグラウンドが一面に広がる。竹富島の植物で装飾したステージ、舞台のバックには竹富島を象徴するモチーフをチョークで描いた黒板が掲げられ、ステージ上の日除シートがまるでリズムを取るかのように風になびいている。竹富島に住むBEGINの同級生が仲間と創り上げた純度100%の手作りステージが竹富島の自然と調和し、「うた」を主役にした特別な時間を迎える準備が整っていた。自分たちで車に楽器と音響機材を積んで、行きたい場所に行って風のように「うた」を運び「うた」のお祝いをする「うたの日キャラバン」。ここからまた「うたの日」の新しい景色が生まれ、みんなの想いが繋がっていく。
■〜開場〜 色とりどりのシートが芝生を埋めつくす
午前11時の開場とともに、たくさんのお客さんが入場してくる。台風による延期のため、当初予定の日程より1週間遅れての開催にもかかわらず、多くの地域住民の方々をはじめ、全国からも多くのファンが集い、色とりどりのシートが緑の芝生を埋め尽くしていく。流れるBGMは青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」、吉永小百合・橋幸夫の「いつでも夢を」などの昭和歌謡。そのおかげでピクニックとお祭りを足して2で割ったような和洋折衷の和やかな雰囲気に包まれる。これはフェスではない、まぎれもなく「うたをお祝い」する「お祭り」なのだ。ちなみに会場のBGMの選曲は比嘉がつとめたそうだ。広葉樹の木陰に吹く風がなんとも心地いい。
■〜本編スタート〜 親戚のうちでくつろぐくらいの感じで楽しんでいってください
開演時間の13時、ステージに比嘉栄昇が登場。「うたの日! おめでとうございます!! 竹富でうたの日を開催するのは、初めてのこと。ほんとはこの半分くらいの規模をイメージしてたんですけど。みんなが手伝ってくれて、こんな会場になりました。今日はお祝いの場ですから、親戚のうちでくつろぐくらいの感じで楽しんでいってください」と挨拶。大きな拍手に包まれ、いよいよ、うたの日キャラバンの開宴だ!
■〜野原健と迎里計〜 ウエルカム・ステージで「うた」をお祝い
トップバッターの野原健と迎里計の演奏が始まる。地元の唄者 野原健の三線、迎里計の一五一会のストロークで『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』のテーマソングといってもいい「竹富島で会いましょう」の演奏が始まった途端、手拍子が起こる。続いてコール・アンド・レスポンスが印象的な八重山民謡「安里屋ユンタ」で盛り上げ、叙情的な歌詞、美しいメロディー、琉笛の音色が切なく響く「あがろーざ節」をしっかり聴かせる。最後は、計の兄、BEGINのバンドメンバーも務める迎里中がベース、中のジュニア、4歳の輪くんがドラム、上地等がキーボードで加わり、オリジナルソング「宴」で締めくくった。最高のウエルカム・ステージで「うた」をお祝いした。
■〜上地等〜 ハートフルな歌声、鍵盤のリズムに会場全体がスウィング
上地等がステージに残り、ステージを進行。沖縄県石垣市の日本最南端コミュニティFM放送局「FM いしがきサンサンラジオ」において番組『サンセット・イブニング』エンディングテーマとしてずっと流してくれていた楽曲「君がいて良かった」からスタート。続いて島袋優のギター、さらにザ・パパイヤンズのメンバーも加わり「星空の下のRADIO」を演奏。上地のハートフルな歌声、心地よいシャッフルのリズムに乗り、会場全体がスウィングする。パーカッションが加わり軽快なグルーブで届ける「開拓者」「なごみ」と続け会場を沸かした。
■〜島袋優 〜 音魂が伝わるギターとボーカル、それぞれのスタンスで「うた」をお祝い
続いては島袋優のステージ。まずは、ひとりで一五一会を抱え「安里屋ユンタ」のインストゥルメンタル。テクニック満載のパフォーマンス、曲の後半テンポが上がり指弾きのトレモロ奏法が始まった途端、会場の耳と心の集中度が一気に高まり、その音魂に聴き惚れる。続いてバンド編成で「波」、か・ら・の・「海の声」。歌に合わせて掲げた両手を左右に振る観客、会場の袖では、フラを踊る女性たち…。それぞれのスタンスでうたをお祝いしている。島袋は、エレキギターによる「てぃんさぐぬ花」のインストゥルメンタルでしっとりとステージをまとめた。このサウンドの振り幅と余韻を楽しめるのも「うたの日」ならではだ。
■〜ザ・パパイヤンズ〜 八重山の自然や暮らしに育まれた「うた」で日本一熱い祭りと化す
暑さも考慮し、休憩を挟んだあと、ステージにはザ・パパイヤンズが登場! 「去年の八重山の一番のヒットソングです!!」という紹介で「底地ビーチの若大将」の演奏がはじまると会場はザ・パパイヤンズの「うた」の世界に引き込まれる。同じく底地ビーチが舞台になっているラブソング「恋の時計」、比嘉栄昇のギター・アームを使ったビブラートで一気に南国感も増し増しに。続いてかわいい振り付けを伝授しながら、お客さんも一緒に踊り、会場は日本で一番熱い祭りのような盛り上がりを見せる。オリジナル・ソング「嫁入りマドロス」、西表島の祭りの準備の様子を歌にした「節祭支度」と2曲続けての演奏。比嘉が「ザ・パパイヤンズは、島の風景が似合う「うた」を作り、届けたいなと活動しています。万世館にライブを見に来てください」と語りかけ、最後に島の別れの情景を歌った「虹色の紙テープ」を演奏した。
■〜BEGIN〜 誰しもの心のなかにBEGINのうたが生きている
気がつけば、緑の芝生のエリアも後方までたくさんのお客さんで埋め尽くされた会場、いよいよBEGINの登場だ。「お待たせしました〜、BEGINの登場で〜す!」という比嘉栄昇の第一声で木陰に隠れていたお客さんも芝生エリアに大集合! 6月27日に開催予定だった「うたの日キャラバン 2026 at 竹富島」が延期となったことを受け、急遽石垣島の万世館で開催されたうたの日 キャラバン 番外編ライブ「うたはミミカラー」で比嘉舜太朗が披露した「SLIDIN' SLIPPIN' ROAD」を一曲目にセレクト。続いて「いつものように」。この曲も一曲目同様、1990年発売のデビュー・アルバム『音楽旅団』に収録された曲。比嘉のボーカル、上地のキーボード、そして島袋のギターソロ。最高のブギ! 最高のブルース! 最高なロックンロール!! まさに原点回帰のセット・リストだ。続いて三線の音色が心に染みる「三線の花」。自然とはじまる大合唱、どこからともなく聴こえてくる指笛の音…、誰しもの心のなかにBEGINの「うた」が生きている。
比嘉がとつとつと語る。「同級生に大島保克がいて、ひとつ先輩に新良幸人がいて。高校の時から彼らのステージも見ていました。このふたりは白保で伝統芸能を引き継いでいて眩しいくらいに輝いてます。そんな大島保克と一緒に作った、僕らが島唄をやるキッカケとなった曲です」と紹介し「イラヨイ月夜浜」を歌い上げる。
同世代の仲間たちとともに新しい自分たちのうたを作ってきたBEGIN、「俺ら昭和43年の世代はいろんな音楽をやっている人間が多くて、すごいねって言われるけど、同じように次の世代もたくさんの仲間が音楽を楽しんでいる。彼らもまた新しいうたを作ってくれるといいなと思います」と、若い音楽家たちにエールを贈った。ザ・パパイヤンズのメンバーをステージに上げ、老若男女入り乱れ、ボーダーレスで自由な音楽を体現したようなナンバー「がんばれ節」で前半戦を締めくくる。
■金城弘美と花城八重子の登場
ここで、石垣島でレコーディングし、2002年にリリースされたアルバム『ビギンの島唄 〜オモトタケオ2〜』に囃子で参加した金城弘美と花城八重子を呼び込み、華やかに「恋の島 鳩間島」を届ける。会場には「ひ・ろ・み」「や・え・こ」のウチワの推しアイテムで声援を送るコアな地元のファンの姿も。その応援に応え、弘美が上地のピアノと島袋のギターをバックに「まりぃずま」「くにぶん木の花」の2曲を、さらに八重子がステージに上がり、ふたりの「ゆんたメドレー」で「うた」のお祝いを八重山式で伝えた。
■フィナーレまでノンストップ! BEGINのうたのお祭り!!
ステージに再びBEGINとともにバンド・メンバーが全員上がり、ここからフィナーレまでノンストップのうたのお祭りだ!! まずは、2025年にデビュー35周年を迎えたBEGINが「MADE IN石垣島」にこだわった7年ぶりとなる完全オリジナルアルバム『太陽』に収録された新曲「ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜」を披露! そして「竹富島で会いましょう」!! 会場のお客さんも総立ちで歌に合わせて、全身で幸せな空気をカチャーして(かきまぜて)いる。さらに、三つ星好きのキラー・チューン「オジー自慢のオリオンビール」ですべてのうたに乾杯し、俺たちの島唄「かりゆしの夜」とたたみかけ、コール・アンド・レスポンスの大合唱が沸き起こり、歓喜のカチャーシーで会場のボルテージも最高潮! 間髪入れずに本編ラストの「島人ぬ宝」。うたの途中、「実はこの「うた」の歌詞を作ってくれた中学生だった子が先生となり、この会場に来ている」と比嘉。この「うた」は、多くの人々の暮らしに寄り添い、人生とともに歩んできた。まさに島の人の宝になっていると実感。笑顔で歌う人、心の琴線に触れて涙を浮かべる人、それぞれが思い思いに歌い、踊っている。この光景こそが、うたをお祝いするということなのだ。
■竹富島の空、「うた」の花咲き、風そよぐ
「これで終わるのは寂しいからアンコールということで! 」という比嘉のMCで「さよなら港」を演奏! ステージには出演者全員が登壇し、会場は総立ち・総踊り!! 「ほんとに最後!!」の比嘉のひとことで「竹富島で会いましょう」の演奏がはじまると会場の熱気は一段と高まる。上がりみなぎる会場は、「うた」への感謝と愛に満ち溢れている。
出演者と観客がひとつになり、感動的なエンディングとともに、『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』は大団円を迎えた。出演者の「うた」に触れ、とても幸せな気持ちになれた、そんな「うたの日」だった。来年、いったいどの村、どの町に「うた」を運び「うた」をお祝いするのだろう。それが、いまから楽しみでならない。
コンサートを終えた会場、見上げた竹富の青空に、一輪の可憐な「うた」の花が咲き、柔らかな風にやふぁやふぁとなびいていた。
文:沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟
写真:上原奨太郎
『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』
日程:2026年7月4日(土)
時間:開場 11:00 / 開演 13:00
会場:竹富町立竹富小中学校 グラウンド
出演:BEGIN、ザ・パパイヤンズ、野原 健と迎里 計
後援:竹富町、竹富町観光協会、石垣市
詳細:うたの日キャラバン HP https://www.utanohi.jp
『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』 セットリスト
01 SLIDIN' SLIPPIN' ROAD
02 いつものように
03 三線の花
04 イラヨイ月夜浜
05 がんばれ節
06 恋の島 鳩間島
07 まりぃずま
08 くにぶん木の花
09 ゆんたメドレー
10 ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜
11 竹富島で会いましょう
12 オジー自慢のオリオンビール
13 かりゆしの夜
14 島人ぬ宝
〜フィナーレ〜
01 さよなら港
02 竹富島で会いましょう
BEGIN が「うた」への感謝を届ける『うたの日 キャラバン』。当初6月27日(土)開催予定だったが、台風第7号(メーカラー)の影響で1週間延期した7月4日(土)、沖縄県竹富町立竹富小中学校グラウンドで開催することとなった。台風による影響で思い出されるのは、2011年、『うたの日コンサート2011 in 石垣島』の中止に伴い、翌日に急遽行なわれた「石垣島うたの日〜はっさもーメアリー(台風の名)よ〜!」。今年はさしずめ、「〜はっさもーメーカラーよ〜!」と呼ぶにふさわしい一日となった。
■うたの日はうたの日に教えてもらえればいいさぁね〜
2001年にスタートした「うたの日」は、「うたをお祝いする日」として長年大切に育んできた。「うたの日はうたの日に教えてもらえればいいさぁね〜」。「うたの日」を提唱した当初から比嘉栄昇が語っていたこの言葉、首尾一貫して「うた」に教えてもらい続けてきたのではあるまいか。今回の開催にあたって比嘉が記した想いを抜粋し以下に掲載する。
--うたの日 キャラバンオフィシャルサイトより抜粋引用--
「うたの日」は平和コンサートではなく「うた」をお祝いする日です! フェスでもないので大きくする理由もありません。長く続けていると所有する気持ちが生まれます。それは一番カッコ悪いのでやめましょう! 自分に言っています(笑)。そもそも「うた」は誰の物でもありません。もう少し正確に言うと僕の物ですが、僕だけの物ではありません。世の中がどうあれ風のように自由に行き交っているのが似合っています。自分達で車に楽器と音響機材を積んで行きたい場所に勝手に行って「うたのお祝い」をすれば良い。「うたの日キャラバン」です!!
--抜粋引用終わり--
2026年、キャラバンの舞台は沖縄県竹富島だ!!
■BEGINと竹富島の同級生が創り上げた純度100%の手作りステージ
■〜開場〜 色とりどりのシートが芝生を埋めつくす
午前11時の開場とともに、たくさんのお客さんが入場してくる。台風による延期のため、当初予定の日程より1週間遅れての開催にもかかわらず、多くの地域住民の方々をはじめ、全国からも多くのファンが集い、色とりどりのシートが緑の芝生を埋め尽くしていく。流れるBGMは青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」、吉永小百合・橋幸夫の「いつでも夢を」などの昭和歌謡。そのおかげでピクニックとお祭りを足して2で割ったような和洋折衷の和やかな雰囲気に包まれる。これはフェスではない、まぎれもなく「うたをお祝い」する「お祭り」なのだ。ちなみに会場のBGMの選曲は比嘉がつとめたそうだ。広葉樹の木陰に吹く風がなんとも心地いい。
■〜本編スタート〜 親戚のうちでくつろぐくらいの感じで楽しんでいってください
開演時間の13時、ステージに比嘉栄昇が登場。「うたの日! おめでとうございます!! 竹富でうたの日を開催するのは、初めてのこと。ほんとはこの半分くらいの規模をイメージしてたんですけど。みんなが手伝ってくれて、こんな会場になりました。今日はお祝いの場ですから、親戚のうちでくつろぐくらいの感じで楽しんでいってください」と挨拶。大きな拍手に包まれ、いよいよ、うたの日キャラバンの開宴だ!
■〜野原健と迎里計〜 ウエルカム・ステージで「うた」をお祝い
トップバッターの野原健と迎里計の演奏が始まる。地元の唄者 野原健の三線、迎里計の一五一会のストロークで『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』のテーマソングといってもいい「竹富島で会いましょう」の演奏が始まった途端、手拍子が起こる。続いてコール・アンド・レスポンスが印象的な八重山民謡「安里屋ユンタ」で盛り上げ、叙情的な歌詞、美しいメロディー、琉笛の音色が切なく響く「あがろーざ節」をしっかり聴かせる。最後は、計の兄、BEGINのバンドメンバーも務める迎里中がベース、中のジュニア、4歳の輪くんがドラム、上地等がキーボードで加わり、オリジナルソング「宴」で締めくくった。最高のウエルカム・ステージで「うた」をお祝いした。
■〜上地等〜 ハートフルな歌声、鍵盤のリズムに会場全体がスウィング
上地等がステージに残り、ステージを進行。沖縄県石垣市の日本最南端コミュニティFM放送局「FM いしがきサンサンラジオ」において番組『サンセット・イブニング』エンディングテーマとしてずっと流してくれていた楽曲「君がいて良かった」からスタート。続いて島袋優のギター、さらにザ・パパイヤンズのメンバーも加わり「星空の下のRADIO」を演奏。上地のハートフルな歌声、心地よいシャッフルのリズムに乗り、会場全体がスウィングする。パーカッションが加わり軽快なグルーブで届ける「開拓者」「なごみ」と続け会場を沸かした。
■〜島袋優 〜 音魂が伝わるギターとボーカル、それぞれのスタンスで「うた」をお祝い
続いては島袋優のステージ。まずは、ひとりで一五一会を抱え「安里屋ユンタ」のインストゥルメンタル。テクニック満載のパフォーマンス、曲の後半テンポが上がり指弾きのトレモロ奏法が始まった途端、会場の耳と心の集中度が一気に高まり、その音魂に聴き惚れる。続いてバンド編成で「波」、か・ら・の・「海の声」。歌に合わせて掲げた両手を左右に振る観客、会場の袖では、フラを踊る女性たち…。それぞれのスタンスでうたをお祝いしている。島袋は、エレキギターによる「てぃんさぐぬ花」のインストゥルメンタルでしっとりとステージをまとめた。このサウンドの振り幅と余韻を楽しめるのも「うたの日」ならではだ。
■〜ザ・パパイヤンズ〜 八重山の自然や暮らしに育まれた「うた」で日本一熱い祭りと化す
暑さも考慮し、休憩を挟んだあと、ステージにはザ・パパイヤンズが登場! 「去年の八重山の一番のヒットソングです!!」という紹介で「底地ビーチの若大将」の演奏がはじまると会場はザ・パパイヤンズの「うた」の世界に引き込まれる。同じく底地ビーチが舞台になっているラブソング「恋の時計」、比嘉栄昇のギター・アームを使ったビブラートで一気に南国感も増し増しに。続いてかわいい振り付けを伝授しながら、お客さんも一緒に踊り、会場は日本で一番熱い祭りのような盛り上がりを見せる。オリジナル・ソング「嫁入りマドロス」、西表島の祭りの準備の様子を歌にした「節祭支度」と2曲続けての演奏。比嘉が「ザ・パパイヤンズは、島の風景が似合う「うた」を作り、届けたいなと活動しています。万世館にライブを見に来てください」と語りかけ、最後に島の別れの情景を歌った「虹色の紙テープ」を演奏した。
■〜BEGIN〜 誰しもの心のなかにBEGINのうたが生きている
気がつけば、緑の芝生のエリアも後方までたくさんのお客さんで埋め尽くされた会場、いよいよBEGINの登場だ。「お待たせしました〜、BEGINの登場で〜す!」という比嘉栄昇の第一声で木陰に隠れていたお客さんも芝生エリアに大集合! 6月27日に開催予定だった「うたの日キャラバン 2026 at 竹富島」が延期となったことを受け、急遽石垣島の万世館で開催されたうたの日 キャラバン 番外編ライブ「うたはミミカラー」で比嘉舜太朗が披露した「SLIDIN' SLIPPIN' ROAD」を一曲目にセレクト。続いて「いつものように」。この曲も一曲目同様、1990年発売のデビュー・アルバム『音楽旅団』に収録された曲。比嘉のボーカル、上地のキーボード、そして島袋のギターソロ。最高のブギ! 最高のブルース! 最高なロックンロール!! まさに原点回帰のセット・リストだ。続いて三線の音色が心に染みる「三線の花」。自然とはじまる大合唱、どこからともなく聴こえてくる指笛の音…、誰しもの心のなかにBEGINの「うた」が生きている。
比嘉がとつとつと語る。「同級生に大島保克がいて、ひとつ先輩に新良幸人がいて。高校の時から彼らのステージも見ていました。このふたりは白保で伝統芸能を引き継いでいて眩しいくらいに輝いてます。そんな大島保克と一緒に作った、僕らが島唄をやるキッカケとなった曲です」と紹介し「イラヨイ月夜浜」を歌い上げる。
同世代の仲間たちとともに新しい自分たちのうたを作ってきたBEGIN、「俺ら昭和43年の世代はいろんな音楽をやっている人間が多くて、すごいねって言われるけど、同じように次の世代もたくさんの仲間が音楽を楽しんでいる。彼らもまた新しいうたを作ってくれるといいなと思います」と、若い音楽家たちにエールを贈った。ザ・パパイヤンズのメンバーをステージに上げ、老若男女入り乱れ、ボーダーレスで自由な音楽を体現したようなナンバー「がんばれ節」で前半戦を締めくくる。
■金城弘美と花城八重子の登場
ここで、石垣島でレコーディングし、2002年にリリースされたアルバム『ビギンの島唄 〜オモトタケオ2〜』に囃子で参加した金城弘美と花城八重子を呼び込み、華やかに「恋の島 鳩間島」を届ける。会場には「ひ・ろ・み」「や・え・こ」のウチワの推しアイテムで声援を送るコアな地元のファンの姿も。その応援に応え、弘美が上地のピアノと島袋のギターをバックに「まりぃずま」「くにぶん木の花」の2曲を、さらに八重子がステージに上がり、ふたりの「ゆんたメドレー」で「うた」のお祝いを八重山式で伝えた。
■フィナーレまでノンストップ! BEGINのうたのお祭り!!
ステージに再びBEGINとともにバンド・メンバーが全員上がり、ここからフィナーレまでノンストップのうたのお祭りだ!! まずは、2025年にデビュー35周年を迎えたBEGINが「MADE IN石垣島」にこだわった7年ぶりとなる完全オリジナルアルバム『太陽』に収録された新曲「ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜」を披露! そして「竹富島で会いましょう」!! 会場のお客さんも総立ちで歌に合わせて、全身で幸せな空気をカチャーして(かきまぜて)いる。さらに、三つ星好きのキラー・チューン「オジー自慢のオリオンビール」ですべてのうたに乾杯し、俺たちの島唄「かりゆしの夜」とたたみかけ、コール・アンド・レスポンスの大合唱が沸き起こり、歓喜のカチャーシーで会場のボルテージも最高潮! 間髪入れずに本編ラストの「島人ぬ宝」。うたの途中、「実はこの「うた」の歌詞を作ってくれた中学生だった子が先生となり、この会場に来ている」と比嘉。この「うた」は、多くの人々の暮らしに寄り添い、人生とともに歩んできた。まさに島の人の宝になっていると実感。笑顔で歌う人、心の琴線に触れて涙を浮かべる人、それぞれが思い思いに歌い、踊っている。この光景こそが、うたをお祝いするということなのだ。
■竹富島の空、「うた」の花咲き、風そよぐ
「これで終わるのは寂しいからアンコールということで! 」という比嘉のMCで「さよなら港」を演奏! ステージには出演者全員が登壇し、会場は総立ち・総踊り!! 「ほんとに最後!!」の比嘉のひとことで「竹富島で会いましょう」の演奏がはじまると会場の熱気は一段と高まる。上がりみなぎる会場は、「うた」への感謝と愛に満ち溢れている。
出演者と観客がひとつになり、感動的なエンディングとともに、『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』は大団円を迎えた。出演者の「うた」に触れ、とても幸せな気持ちになれた、そんな「うたの日」だった。来年、いったいどの村、どの町に「うた」を運び「うた」をお祝いするのだろう。それが、いまから楽しみでならない。
コンサートを終えた会場、見上げた竹富の青空に、一輪の可憐な「うた」の花が咲き、柔らかな風にやふぁやふぁとなびいていた。
文:沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟
写真:上原奨太郎
『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』
日程:2026年7月4日(土)
時間:開場 11:00 / 開演 13:00
会場:竹富町立竹富小中学校 グラウンド
出演:BEGIN、ザ・パパイヤンズ、野原 健と迎里 計
後援:竹富町、竹富町観光協会、石垣市
詳細:うたの日キャラバン HP https://www.utanohi.jp
『うたの日 キャラバン 2026 at 竹富島』 セットリスト
01 SLIDIN' SLIPPIN' ROAD
02 いつものように
03 三線の花
04 イラヨイ月夜浜
05 がんばれ節
06 恋の島 鳩間島
07 まりぃずま
08 くにぶん木の花
09 ゆんたメドレー
10 ほなバイバイ〜大阪マドロス女〜
11 竹富島で会いましょう
12 オジー自慢のオリオンビール
13 かりゆしの夜
14 島人ぬ宝
〜フィナーレ〜
01 さよなら港
02 竹富島で会いましょう
2026/07/10


