ポップミュージックをベースにしつつ、ジャンルにとらわれない解釈や、スラッピングを取り入れた卓越したギタープレイ、透明感のある歌声で注目されているシンガーソングライターの竹内アンナが7月23日にニューシングル「真昼のランデヴー」をリリースした。8月にデビュー7周年を迎え、9月には2020年発表の1stアルバム『MATOUSIC』を新たな解釈で再現するツアーを開催する彼女に、曲作りと現在の想い、そして今後の意気込みを聞いた。
■一人だけのバンドで演奏しているような情報量を伝えたい
――新曲について伺う前に、6月20日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でオープニングを務めた反響はいかがでしたか?
【竹内】たくさんの方が見てくださっていて。テレビで披露したルーパーとサンプラーといった機材を使ったパフォーマンスは5年くらい前にやっていたライブスタイルで、私としても久々だったんですけど、一人で機材を使って音楽をイチから作っていけることを伝えられたらいいなと思って。たくさんの反響をいただけたことがとてもうれしかったです。機材に詳しい方からすると、危なっかしい綱渡りだったなって思われたでしょうけど(笑)。
――そうしたテクニカルな側面は竹内さんの大きな魅力のひとつですが、新曲「真昼のランデヴー」は、もうひとつの魅力である、ポップさ、メロディアスさが詰まった作品ですね。
【竹内】カー用品メーカーさんのCMのために書き下ろさせていただいて、夏にドライブしている時に聴きたくなるような曲をイメージして作りました。ただ、「夏、やったー!」という感じではなく、夏ならではの切なさ、楽しいけど楽しくなり過ぎないといった落ち着きもありつつ、心が軽快になるバランスを目指して。歌をレコーディングする時も、あまり楽しく歌い過ぎず、車の中の2人だけの空間で、隣りの人に話しかけるようなイメージで淡々と歌うように心がけました。それでも、ドライブしながら口ずさみたくなる曲にしたかったので、メロディーの譜割りは割と大きめにして、シンプルで歌いやすい楽曲を意識しました。
――心地よく覚えやすいメロディーに対して、コード進行はかなり凝っていますね。
【竹内】メロディが同じペースで進んでいく代わりに、後ろのコードを変化させることで、曲の疾走感につながるといいなと思って。高速道路でのドライブをイメージしていたので、窓の外で景色が流れていくように。そういった細かい部分は、長年アレンジをしてくださっている名村(武/プロデューサー、アレンジャー)さんと景色を思い浮かべながら、「こんなサウンドだったら気持ちいいよね」と雰囲気を重視しつつ、「この歌詞ならこういうコード感がいいんじゃないか」と詰めていきました。
――曲を作る際はギターの弾き語りで?
【竹内】ギターを弾かずに打ち込みで作ることもありますが、この曲はベーシックなデモを弾き語りで作りました。最初にサビを作りましたが、それより先に「真昼のランデヴー」というキャッチーな言葉が浮かんで、そこから歌いやすいメロディーを自分で探していった感じです。この曲は、ギターがあまり主張しない方がドライブにはぴったりかなと思ったので、サラッとアコースティックギターが鳴っているくらいがいいなという意識で作りました。それでも新たな挑戦もあって。この曲で初めてスライドギターを弾いたんです。レコーディングの3日くらい前に、名村さんから「ギターソロでやってみたら」と言われて。スライドは全く弾いたことがなかったので、「えっ、3日で!?」と思いながら(笑)、でも頑張ったおかげで夏のゆるい雰囲気を表現できて良かったです。
――曲を聴いていると、シンガーの竹内さんと、ギタリストの竹内さんの2人がバンドをやっているような印象を受けました。
【竹内】そこはライブでもすごく意識しています。一人だけど、ちゃんとビートが感じられて、ベースが聴こえてというように、一人だけのバンドで演奏しているような情報量を伝えたいと常に考えているので、ライブでの意識が、曲作りにも反映できたのかもしれません。
――ご自身で、「ここはよくできたな」と気に入っている“推しポイント”を教えてください。
【竹内】ハッピーな曲になり過ぎないよう、サビの終わりでマイナー調にコードが動くところは、ちょっとドキッとする展開になっていて、すごく気に入っています。私はよく車で音楽を聴いている時に、メロディー以外の楽器の音も歌ったりするんですけど、きっと同じ方も多いんじゃないかと思って。それで、ギターソロもなぞれるよと歌ってから、実際にスキャットでギターソロをなぞる部分、あそこはストーリー性もあって、かわいらしく作れたなと思っています。実は先にソロがあって、歌詞はずっと空白だったんです。どうしようかと悩んで、ギリギリに歌詞を絞り出しました(笑)。もうひとつ、ラジオが夏の暑さを嘆いているというフレーズは、2人だけの世界に、ふと現実が戻ってくるような瞬間を織り交ぜることができて、ここも気に入っています。
■歌詞を考える作業は俳句に通じるものがある
――日常感のある言葉を使いつつ、とても深みのある歌詞になっていますが、普段、歌詞はどのように書いているのですか?
【竹内】私の場合、まず適当な英語でメロディーを作ってから、「このメロディーとサウンド感なら、この歌詞が合いそう」と、ストックしている言葉をパズルのように組み合わせていくことが多いです。その際、韻をすごく大切にしています。そもそもデタラメ英語でメロディを作るのも、自分の中で韻やリズム感のプライオリティが高いからで、歌いやすさ、聴き心地の良さを第一に歌詞を考えていきます。その作業って俳句に近いのかなと思っているんです。俳句も「五・七・五」と決められた文字数に言葉を当てはめていくものですから、私もメロディを先に作って、決まった文字数の中にどれだけ情報量を詰められるかという感じで言葉をチョイスしていくんです。
――なるほど。ラップ的な韻のリズムと、日本語ならではの奥深さを両立させているんですね。
【竹内】私、TV番組『プレバト!!』(MBS/TBS系)の夏井いつき先生(俳人)の添削が大好きで。たとえば、「夕焼け」という言葉があったら、それを「赤い」という必要はない。「夕焼け」が「赤い」ということはみんなの共通認識だから、そこにわかりきった情報を入れる必要はない、とか。歌詞を書く際も、そうやって言葉を選定したり、情報量の多い言葉を探したりしているんです。昔は英語詞を書くことが多かったんですけど、夏井いつき先生の添削で「作詞は俳句に近いかも」と気付いてからは、日本語ならではの美しさを大事にしたいと思うようになって。「真昼のランデヴー」もそういう意識で歌詞を書きました。
――日頃から本を読んだり、言葉のインプットも積極的に?
【竹内】それほどたくさん本を読む方ではありませんが、読む時は「いいな」「きれいだな」と思った言葉に付箋を貼るようにしています。ただ貼り過ぎて訳がわからなくなったりもするんですけど(笑)。映画も好きなので、特に海外の作品を観る時は、英語で長い台詞を喋っているのに、日本語字幕で短い言葉で翻訳されていたりすると、それってやはり限られた文字数で最適な言葉の言い換えですから、とても参考になります。また日常生活ではあまり馴染みのない言葉、たとえば去年「泡沫SUMMER」という曲を作りましたが、「泡沫」ってあまり日常生活では使いませんが、私たちの世代は一周回ってそういう言葉をちょっとエモく感じたりするので、そうやって言葉を選ぶこともあります。「ランデヴー」も、使ったことのない言葉ですけど、私の中の“エモ枠”なので(笑)、あえて使ってみました。
――東京・恵比寿LIQUIDROOMでのファイナル公演を残すのみとなった、現在開催中の『弾き語りツアー2025“never mind, dance”』では、既に新曲の弾き語りバージョンを披露しているそうですね。
【竹内】はい。みなさんの反応もすごくよくて、ぜひこの夏、ドライブの時に聴いてほしいと思っています。今回の弾き語りツアーは「never mind, dance」、つまり「気にするな、踊れ」という意味のタイトルなんですが、ギター1本でみんなを踊らせられたら、めちゃくちゃカッコいいなと思って。それが私の大きな目標なので、今回は弾き語りですが椅子席ではなく、あえてスタンディングにチャレンジしました。ギター1本で、自己最多の曲数を歌っているんですけど、どの会場もみなさん盛り上がってくださって、やってよかったと思っていますし、7月24日のファイナル公演もさらに盛り上がりたいと思っています。
――1stアルバム『MATOUSIC』のリリースから5年の歳月が経ちましたが、その間に変われた部分と、変わらずに大切にしている両面があると思います。それぞれ自分ではどのように感じてしますか?
【竹内】“変わった部分”は…、強くなったと思います。精神的にも、体力的にも。同時に、弱さも認められるようになって、ダメな自分も含めて「これが自分なんだ」「だからこういう曲を歌うんだ」という、人間として説得力を持てるようになったような気がします。それは“変わらない部分”にもつながっていて。私はずっと、自己肯定というか、そういうテーマで曲を書くことが多くて。謙遜ばかりするのではなく、みなさんが「私って最高!」と言える社会になってほしい…、と言うと話が大きくなってしまいますが、そのきっかけになるようなメッセージを、歌を通して届けたくて。それは私自身が元々、自分に自信を持てないタイプでしたから。でも、先ほどお話ししたように、自分の弱さも認められるようになったことで、そこも含めて「私は私が好き」と言えるようになりましたし、そういうメッセージを、歌を通してみなさんに届けたいという気持ちは昔から今も変わらず、ずっと持ち続けています。
――では最後に、その5年前の1stアルバム『MATOUSIC』を再現するという、9月開催の東名阪ツアー『MATOUSIC TOUR 2025』の意気込みを聞かせてください。
【竹内】2020年に『MATOUSIC』をリリースした時は新型コロナの自粛期間で、ツアーもキャパが通常の半分以下だったり、来たくても来られない方がいたりと、いろんな制限の中で行いました。その悔しさもあったので、ちょうどリリースから5年目というタイミングで、改めて完全体でのツアーをやりたいという気持ちに加えて、今の自分だからこその新しい解釈で『MATOUSIC』をお届けしたいと考えています。自信を持って「いい!」と言える、後にも先にも1枚しかない私のデビュー・アルバムですので、当時のツアーに来ていただいた方も、来られなかったという方も、ぜひ『MATOUSIC』の世界に浸っていただけたら嬉しいです。
取材・文:布施雄一郎
<作品情報>
■竹内アンナ デジタルシングル「真昼のランデヴー」
リリース日:2025年7月23日
作詞・作曲:竹内アンナ 編曲:名村武
<ツアー情報>
■弾き語りツアー2025 “never mind, dance”
7月24日(木) 東京・LIQUIDROOM
開場18:00/開演19:00
出演:竹内アンナ
■MATOUSIC TOUR 2025
2025年9月20日(土) 大阪・梅田QUATTRO
2025年9月21日(日) 愛知・名古屋QUATTRO
2025年9月23日(火、祝) 東京・渋谷QUATTRO
Vo/Gt:竹内アンナ
Gt/Cho:谷川正憲(UNCHAIN)
Ba:ナガイケジョー(SCOOBIE DO)
Dr:守真人
Key:和久井沙良
■一人だけのバンドで演奏しているような情報量を伝えたい
――新曲について伺う前に、6月20日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でオープニングを務めた反響はいかがでしたか?
【竹内】たくさんの方が見てくださっていて。テレビで披露したルーパーとサンプラーといった機材を使ったパフォーマンスは5年くらい前にやっていたライブスタイルで、私としても久々だったんですけど、一人で機材を使って音楽をイチから作っていけることを伝えられたらいいなと思って。たくさんの反響をいただけたことがとてもうれしかったです。機材に詳しい方からすると、危なっかしい綱渡りだったなって思われたでしょうけど(笑)。
――そうしたテクニカルな側面は竹内さんの大きな魅力のひとつですが、新曲「真昼のランデヴー」は、もうひとつの魅力である、ポップさ、メロディアスさが詰まった作品ですね。
【竹内】カー用品メーカーさんのCMのために書き下ろさせていただいて、夏にドライブしている時に聴きたくなるような曲をイメージして作りました。ただ、「夏、やったー!」という感じではなく、夏ならではの切なさ、楽しいけど楽しくなり過ぎないといった落ち着きもありつつ、心が軽快になるバランスを目指して。歌をレコーディングする時も、あまり楽しく歌い過ぎず、車の中の2人だけの空間で、隣りの人に話しかけるようなイメージで淡々と歌うように心がけました。それでも、ドライブしながら口ずさみたくなる曲にしたかったので、メロディーの譜割りは割と大きめにして、シンプルで歌いやすい楽曲を意識しました。
――心地よく覚えやすいメロディーに対して、コード進行はかなり凝っていますね。
【竹内】メロディが同じペースで進んでいく代わりに、後ろのコードを変化させることで、曲の疾走感につながるといいなと思って。高速道路でのドライブをイメージしていたので、窓の外で景色が流れていくように。そういった細かい部分は、長年アレンジをしてくださっている名村(武/プロデューサー、アレンジャー)さんと景色を思い浮かべながら、「こんなサウンドだったら気持ちいいよね」と雰囲気を重視しつつ、「この歌詞ならこういうコード感がいいんじゃないか」と詰めていきました。
――曲を作る際はギターの弾き語りで?
【竹内】ギターを弾かずに打ち込みで作ることもありますが、この曲はベーシックなデモを弾き語りで作りました。最初にサビを作りましたが、それより先に「真昼のランデヴー」というキャッチーな言葉が浮かんで、そこから歌いやすいメロディーを自分で探していった感じです。この曲は、ギターがあまり主張しない方がドライブにはぴったりかなと思ったので、サラッとアコースティックギターが鳴っているくらいがいいなという意識で作りました。それでも新たな挑戦もあって。この曲で初めてスライドギターを弾いたんです。レコーディングの3日くらい前に、名村さんから「ギターソロでやってみたら」と言われて。スライドは全く弾いたことがなかったので、「えっ、3日で!?」と思いながら(笑)、でも頑張ったおかげで夏のゆるい雰囲気を表現できて良かったです。
【竹内】そこはライブでもすごく意識しています。一人だけど、ちゃんとビートが感じられて、ベースが聴こえてというように、一人だけのバンドで演奏しているような情報量を伝えたいと常に考えているので、ライブでの意識が、曲作りにも反映できたのかもしれません。
――ご自身で、「ここはよくできたな」と気に入っている“推しポイント”を教えてください。
【竹内】ハッピーな曲になり過ぎないよう、サビの終わりでマイナー調にコードが動くところは、ちょっとドキッとする展開になっていて、すごく気に入っています。私はよく車で音楽を聴いている時に、メロディー以外の楽器の音も歌ったりするんですけど、きっと同じ方も多いんじゃないかと思って。それで、ギターソロもなぞれるよと歌ってから、実際にスキャットでギターソロをなぞる部分、あそこはストーリー性もあって、かわいらしく作れたなと思っています。実は先にソロがあって、歌詞はずっと空白だったんです。どうしようかと悩んで、ギリギリに歌詞を絞り出しました(笑)。もうひとつ、ラジオが夏の暑さを嘆いているというフレーズは、2人だけの世界に、ふと現実が戻ってくるような瞬間を織り交ぜることができて、ここも気に入っています。
■歌詞を考える作業は俳句に通じるものがある
――日常感のある言葉を使いつつ、とても深みのある歌詞になっていますが、普段、歌詞はどのように書いているのですか?
【竹内】私の場合、まず適当な英語でメロディーを作ってから、「このメロディーとサウンド感なら、この歌詞が合いそう」と、ストックしている言葉をパズルのように組み合わせていくことが多いです。その際、韻をすごく大切にしています。そもそもデタラメ英語でメロディを作るのも、自分の中で韻やリズム感のプライオリティが高いからで、歌いやすさ、聴き心地の良さを第一に歌詞を考えていきます。その作業って俳句に近いのかなと思っているんです。俳句も「五・七・五」と決められた文字数に言葉を当てはめていくものですから、私もメロディを先に作って、決まった文字数の中にどれだけ情報量を詰められるかという感じで言葉をチョイスしていくんです。
――なるほど。ラップ的な韻のリズムと、日本語ならではの奥深さを両立させているんですね。
【竹内】私、TV番組『プレバト!!』(MBS/TBS系)の夏井いつき先生(俳人)の添削が大好きで。たとえば、「夕焼け」という言葉があったら、それを「赤い」という必要はない。「夕焼け」が「赤い」ということはみんなの共通認識だから、そこにわかりきった情報を入れる必要はない、とか。歌詞を書く際も、そうやって言葉を選定したり、情報量の多い言葉を探したりしているんです。昔は英語詞を書くことが多かったんですけど、夏井いつき先生の添削で「作詞は俳句に近いかも」と気付いてからは、日本語ならではの美しさを大事にしたいと思うようになって。「真昼のランデヴー」もそういう意識で歌詞を書きました。
――日頃から本を読んだり、言葉のインプットも積極的に?
【竹内】それほどたくさん本を読む方ではありませんが、読む時は「いいな」「きれいだな」と思った言葉に付箋を貼るようにしています。ただ貼り過ぎて訳がわからなくなったりもするんですけど(笑)。映画も好きなので、特に海外の作品を観る時は、英語で長い台詞を喋っているのに、日本語字幕で短い言葉で翻訳されていたりすると、それってやはり限られた文字数で最適な言葉の言い換えですから、とても参考になります。また日常生活ではあまり馴染みのない言葉、たとえば去年「泡沫SUMMER」という曲を作りましたが、「泡沫」ってあまり日常生活では使いませんが、私たちの世代は一周回ってそういう言葉をちょっとエモく感じたりするので、そうやって言葉を選ぶこともあります。「ランデヴー」も、使ったことのない言葉ですけど、私の中の“エモ枠”なので(笑)、あえて使ってみました。
――東京・恵比寿LIQUIDROOMでのファイナル公演を残すのみとなった、現在開催中の『弾き語りツアー2025“never mind, dance”』では、既に新曲の弾き語りバージョンを披露しているそうですね。
【竹内】はい。みなさんの反応もすごくよくて、ぜひこの夏、ドライブの時に聴いてほしいと思っています。今回の弾き語りツアーは「never mind, dance」、つまり「気にするな、踊れ」という意味のタイトルなんですが、ギター1本でみんなを踊らせられたら、めちゃくちゃカッコいいなと思って。それが私の大きな目標なので、今回は弾き語りですが椅子席ではなく、あえてスタンディングにチャレンジしました。ギター1本で、自己最多の曲数を歌っているんですけど、どの会場もみなさん盛り上がってくださって、やってよかったと思っていますし、7月24日のファイナル公演もさらに盛り上がりたいと思っています。
――1stアルバム『MATOUSIC』のリリースから5年の歳月が経ちましたが、その間に変われた部分と、変わらずに大切にしている両面があると思います。それぞれ自分ではどのように感じてしますか?
【竹内】“変わった部分”は…、強くなったと思います。精神的にも、体力的にも。同時に、弱さも認められるようになって、ダメな自分も含めて「これが自分なんだ」「だからこういう曲を歌うんだ」という、人間として説得力を持てるようになったような気がします。それは“変わらない部分”にもつながっていて。私はずっと、自己肯定というか、そういうテーマで曲を書くことが多くて。謙遜ばかりするのではなく、みなさんが「私って最高!」と言える社会になってほしい…、と言うと話が大きくなってしまいますが、そのきっかけになるようなメッセージを、歌を通して届けたくて。それは私自身が元々、自分に自信を持てないタイプでしたから。でも、先ほどお話ししたように、自分の弱さも認められるようになったことで、そこも含めて「私は私が好き」と言えるようになりましたし、そういうメッセージを、歌を通してみなさんに届けたいという気持ちは昔から今も変わらず、ずっと持ち続けています。
――では最後に、その5年前の1stアルバム『MATOUSIC』を再現するという、9月開催の東名阪ツアー『MATOUSIC TOUR 2025』の意気込みを聞かせてください。
【竹内】2020年に『MATOUSIC』をリリースした時は新型コロナの自粛期間で、ツアーもキャパが通常の半分以下だったり、来たくても来られない方がいたりと、いろんな制限の中で行いました。その悔しさもあったので、ちょうどリリースから5年目というタイミングで、改めて完全体でのツアーをやりたいという気持ちに加えて、今の自分だからこその新しい解釈で『MATOUSIC』をお届けしたいと考えています。自信を持って「いい!」と言える、後にも先にも1枚しかない私のデビュー・アルバムですので、当時のツアーに来ていただいた方も、来られなかったという方も、ぜひ『MATOUSIC』の世界に浸っていただけたら嬉しいです。
取材・文:布施雄一郎
<作品情報>
■竹内アンナ デジタルシングル「真昼のランデヴー」
リリース日:2025年7月23日
作詞・作曲:竹内アンナ 編曲:名村武
<ツアー情報>
■弾き語りツアー2025 “never mind, dance”
7月24日(木) 東京・LIQUIDROOM
開場18:00/開演19:00
出演:竹内アンナ
■MATOUSIC TOUR 2025
2025年9月20日(土) 大阪・梅田QUATTRO
2025年9月21日(日) 愛知・名古屋QUATTRO
2025年9月23日(火、祝) 東京・渋谷QUATTRO
Vo/Gt:竹内アンナ
Gt/Cho:谷川正憲(UNCHAIN)
Ba:ナガイケジョー(SCOOBIE DO)
Dr:守真人
Key:和久井沙良
2025/07/23

