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a flood of circle、ストレイテナーとの“真っ向勝負”で垣間見せた初期衝動

 4人組ロックバンド・a flood of circleが25日、最新シングル「ゴールド・ディガーズ」のリリースツアー『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』の東京・渋谷CLUB QUATTRO公演を開催。東名阪全4公演の本ツアーで唯一の対バンライブとなった本公演のゲストには、同曲のプロデュースを手がけたホリエアツシ(Vo&Gt&Pf)率いるストレイテナーが招かれた。

a flood of circle Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 a flood of circleは「ゴールド・ディガーズ」を、ストレイテナーは「Silver Lining」を、それぞれ9月6日に発表。リリース前日の5日には両曲の発売を記念し、佐々木亮介(Vo&Gt)とホリエによる弾き語りフリーライブ『GOLD&SILVER NIGHT』が開催された。

 同ライブのアフターインタビューで、佐々木は「武道館の10日後に対バンを受けてくれるなんて思っていなかった。本当の『GOLD&SILVER NIGHT』は10月25日なんじゃないか」と意気込み、ホリエは「今回プロデュースに携わったのは俺個人だけど、メンバーは誰も“個人の仕事”だと思っていない。a flood of circleとストレイテナーが一緒にやることの意味をちゃんと考えてくれている」と語っていた。

 そういった言葉の通り、この日は各バンドが約1時間ずつ、それぞれ同数の楽曲をぶつけ合うという“真っ向勝負”の対バンになった。

ストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

ストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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■先攻・ストレイテナー スケールの大きな演奏と楽曲群で魅せた前半戦

 ストレイテナーは今月15日にバンド結成25周年、メジャーデビュー20周年を記念した日本武道館公演を行ったばかりということもあり、大スケールかつバンドとしての懐の深さも感じさせるパフォーマンスを展開していった。

 今月11日にリリースされた2枚組ベストアルバム『フォーピース』にも収録された新曲「246」「Silver Lining」はもちろん、「シーグラス」「彩雲」といったライブ定番曲も惜しみなく披露。一方で、「KILLER TUNE」や「SPEEDGUN」、「SAD AND BEAUTIFUL WORLD」といった、武道館では演奏されなかった楽曲も投下し、本ライブへの“本気度”も見せつけた。

ストレイテナー・ホリエアツシ(Vo&Gt&pf) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

ストレイテナー・ホリエアツシ(Vo&Gt&pf) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 ホリエは自身のアイコンとも言えるGibson Custom Historic Collection SG Standard 1962をはじめ、Fender 25th Anniversary Stratocasterなども楽曲ごとに使い分けた。大山純(Gt)はFreedom Custom Guitar Research Order Style Retro Series JMのカスタムモデル第2弾をメインに据えつつ、多彩なフレージングで楽曲を演出。

 日向秀和(Ba)はLAKLANDのシグネチュアモデル・SHORELINE SERIES SL-44-60/R Hinatch Signature Bassなど、異なるサウンドキャラクターを持つ計6本のベースで魅了し、ナカヤマシンペイ(Dr)は愛用のPearl Masters MRXシリーズのドラムセットで生々しさと無機質さを巧みに両立させるドラミングを披露した。

ストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

ストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 ライブの中盤では、「ゴールド・ディガーズ」のプロデュースについて「僭越(せんえつ)ながら関わらせていただきました」と感謝したホリエ。「今まで明らかにされて来なかったんですけど、亮介くんがストレイテナーのことをすごく知ってくれていて」とやりとりを明かし、「次にやる曲にめちゃくちゃ衝撃を受けたと言ってくれたのがなによりうれしい」と、ピアノの音色に喜びも込めながら「Lightning」を届けた。

 さらに終盤では、自身の音楽的なルーツの一つであると公言してきたBUCK-TICK・櫻井敦司さんの急逝に触れ、「一番ボーカリストとして影響を受けた。小学生の頃からずっとBUCK-TICKを歌っていたから、自分の声を作ってくれた人でもある。ずっと尊敬していた」とし、「『ゴールド・ディガーズ』にも<死ぬまでやった人を俺は知っている>という歌詞がある。悲しいけど、BUCK-TICKというバンドを35年やって最後まで歌い続けた。本当にすごいことだと思います」と追悼。

ストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 「(ストレイテナーが)35年続くまであと10年。なかなか長い道のりだけど、死ぬまでバンドを続けられたら幸せだなって思います」と決意を新たにし、最新曲「Silver Lining」へ。先輩への敬意と後輩への期待、そして自身らの“まだ知らない場所”への希望も音に換え、「TRAIN」でライブを締めくくった。

a flood of circle Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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■後攻・a flood of circle 初期衝動的な向上心と遊び心を混在させた後半戦

 佐々木は「ゴールド・ディガーズ」のインタビュー時に「新曲が1曲だけだから遊び心を盛り込めるなってワクワクしている」「そのときの自分の感情がさらけ出せないライブはやりたくない」と語っていたが、この日の本編の13曲とアンコールの2曲は、まさにこの言葉を体現したものになった。

 HISAYO(Ba)が愛機・Yamaha BB2024で鳴らす「Blood Red Shoes」のリフで幕を開けたa flood of circleのステージ。2曲目「美しい悪夢」ではメンバー全員でのスリリングなキメの応酬で魅せるなど、冒頭からバンドとしての“攻撃力”の高さを前面に打ち出していった。

a flood of circle・佐々木亮介(Vo&Gt) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

a flood of circle・佐々木亮介(Vo&Gt) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 350ミリ缶を掲げながらの「乾杯!」という端的なMCを挟み、「Sweet Home Battle Field」以降も攻撃の手を緩めない。渡邊一丘(Dr)はGretsch USA Customのセットで叩き出す強烈なビートでアンサンブルを牽引し、アオキテツ(Gt)は1973年製のGibson Les Paul Customを手に、本能むき出しのギタープレイを放っていた。

a flood of circle・アオキテツ(Gt) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

a flood of circle・アオキテツ(Gt) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 中盤では「ただいまクアトロ!」と叫び、佐々木はストレイテナーとの出会いについて「さっき演奏してくれた『Lightning』の衝撃がすごかった。まぁ…すごいバンドって何年もやっているから衝撃が1回じゃないんだけど(笑)」とリスペクトを伝えた。そしてレンタルビデオ店でのバイト中に初めて同曲を聞き、「サボって店内のBGMが一周するのを待っていた」というエピソードで笑いも誘った。

a flood of circle・HISAYO(Ba) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 「月面のプール」では、佐々木がメインのGretsch G7593 Black FalconからZEMAITISのアコースティックギター(AAS-3000HW)に持ち替え、柔らかな音色で会場の空気を一変させた。そして「世界は君のもの」では初期衝動を思わせる熱量とリラックスした雰囲気を同居させ、現在の“モード”も如実に提示。

a flood of circle・渡邊一丘(Dr) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

a flood of circle・渡邊一丘(Dr) Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 終盤に入り、佐々木は「普通、武道館の10日後は断りますよ。好きですねぇって(笑)。あ、俺らのことがってことじゃなくて、ライブがね」と、ストレイテナーの出演に感謝した。続けて「人生でたまにどうしようないときってあるじゃん。そういう時期は髪を切りに行こうとかも思わなくて、気づいたらこうなっていた」と吐露。「ホリエさんとしゃべっていると、やっぱり俺も好きなんだってことがわかる。今日ライブを見ていても、夢とかそういう先のことはどうでもよくて、今好きなのかどうかなんだなってわかった」と言い、「俺も好き。好きな人がこんなにいっぱいいるって最高。来てくれてありがとう」と胸の内を伝えた。

 そして「(ストレイテナーは)ライブ前にボディータッチとか握手とかをしていて、めちゃくちゃカッコいい。でも、ステージに行く直前まで話していたのがビックリマンチョコの話っていう(笑)。そこがいいよね。だってここにあるから、大事なことは」と目をギラつかせ、<Keep On Rolling>と叫ぶ「Boy」になだれ込む。そこからは「プシケ」「シーガル」とキラーチューンでたたみかけ、決意を込めた「ゴールド・ディガーズ」「月夜の道を俺が行く」で本編を終えた。

a flood of circle Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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 アンコールでは、唐突に未発表の新曲「HAPPY YAPPY BLOOD HUNT」を投下。強烈なディストーションをかけたボーカル、超重量級のヘヴィさで疾走するサウンドなど、また新たな境地を感じさせる楽曲でファンの興奮にピークをつける。

 最後には「ストレイテナーが好きな俺が好き。好きなものが好きな俺が好き。ストレイテナー好きかよ?」と呼びかけ、間に「KILLER TUNE」のカバーを挟み込んだ「如何様師のバラード」を届け、遊び心もたっぷりに白熱の2マンライブを締めくくった。

a flood of circle Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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■『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』渋谷CLUB QUATTROセットリスト
▼ストレイテナー
01. 246
02. KILLER TUNE
03. SPEEDGUN
04. From Noon Till Dawn
05. 宇宙の夜 二人の朝
06. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
07. Lightning
08. 群像劇
09. 彩雲
10. Silver Lining
11. TRAVELING GARGOYLE
12. シーグラス
13. TRAIN

▼a flood of circle
01. Blood Red Shoes
02. 美しい悪夢
03. Dancing Zombiez
04. 狂乱天国
05. Sweet Home Battle Field
06. くたばれマイダーリン
07. 月面のプール
08. 世界は君のもの
09. Boy
10. プシケ
11. シーガル
12. ゴールド・ディガーズ
13. 月夜の道を俺が行く
En1. HAPPY YAPPY BLOOD HUNT
En2. 如何様師のバラード〜KILLER TUNE〜如何様師のバラード

『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』に出演したa flood of circleとストレイテナー Photo by Viola Kam(V’z Twinkle)

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  1. 1. a flood of circle、ストレイテナーと“金銀”対決 カバーも織り交ぜ真っ向勝負【セトリ速報】
  2. 2. a flood of circle、ストレイテナーとの“真っ向勝負”で垣間見せた初期衝動

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