アイドルグループ・日向坂46が19日、東京国際フォーラムホールAで『影山優佳 卒業セレモニー』を開催した。影山は、2016年に日向坂46の前身グループ・けやき坂46に一期生として加入してから、約7年にわたるアイドル活動のラストステージに立った。

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　『卒業セレモニー』は、影山のサイリウムカラーである赤のペンライトで会場が染まる中、加入時からのたくさんの写真を集めて構成されたオープニングムービーでスタート。

　影山以外のメンバー全員がステージに上がると、キャプテンの佐々木久美は「これがステージで見られる最後なんですけど、影のことを一緒に見届けたいなと思います。寂しい気持ちもだいぶあるんですけど、楽しく見送れたらとメンバー一同思っています」と話し、影山をステージに呼び込む。

　大きな歓声とともに迎えられた影山は「この場を作っていただけたことが光栄ですし、またメンバーと一緒にステージに立てたことがすごく光栄で誇りに思っています。皆さんに思い切り楽しんでもらえるように、私のやり残したことがしたい」と心境を語った。

　影山は耳の特性上、ライブでの大きな音が負担になってきてしまったことが卒業の理由の一つでもあったため、楽曲披露が少ない特別構成でセレモニーは進行。まず行われた「影山優佳の知りたい11のことクイズ」では、期生対抗で影山についてのクイズが出題された。影山本人が考えたという問題には「影山が最近始めたことは？」、「カラオケで必ず歌う歌とは？」、「焼き鳥で一番好きな部位は？」などさまざまなジャンルで出題され、二期＆三期の同率優勝という結果となった。

　その後、「影山さんの知りたいことだらけ」と題した、影山がキックターゲットに挑戦したVTRが流れたあと、佐々木美玲と交代制でパーソナリティーを務めていたTokyo FM『ローソン presents 日向坂46のほっとひといき!』の公開収録が突如行われた。

　影山は、卒業セレモニーで何がやりたいかを聞かれた際に、一番に「公開収録をやりたい」と話していたといい、実現したことに喜びつつ「いつもと同じように収録したい」と普段のラジオ通りのセット・スタッフで行われた。

　美玲が「涙あり、感動ありの内容もあるのかなと期待しているかもしれませんが、そんなのまったくございません、全力でふざけて行きたいと思います！」と話していた通り、感動の展開は一切なく、影山がラップを無茶ぶりさせられるなど、笑いの絶えない収録となった。

　ここでもう一度「影山さんの知りたいことだらけ」のVTRが流れたあとには、メンバーから影山への質問コーナーが設けられ、これまで聞けなかったあれこれを赤裸々トーク。影山にもできないことを問われると、挑戦したVTRつきで逆上がりと後転ができないことを明かしていた。

　このあと行われたライブパートでは、一期生で「永遠の白線」、「おいで夏の境界線」を2曲続けて披露。影山は「きょうやるからには思い出の曲をやりたいなというのと、『おいで夏の境界線』のときには活動を休止していて、みんなと披露する機会がなかったので夢をかなえられてうれしいです」と笑顔を見せた。

　続けて、影山＆高瀬愛奈＆東村芽依が「夏色のミュール」を、影山＆金村美玖＆富田鈴花＆上村ひなのが「その他大勢タイプ」を披露。ライブパートラストの曲は、「誰よりも高く跳べ!」を全員で披露し、ライブでは定番の「跳べ〜」というあおりも、今回は影山が担当した。

　その後、影山へ事前インタビューしたVTRが流れた。インタビューでは、アイドルになったきっかけから、けやき坂46時代の葛藤や苦しみ、2期生の後輩が加入したときの心境、学業のため活動休止したときのこと、そして日向坂46への改名まで、赤裸々に語られた。

　VTRが終わると、影山は豪華な赤いドレスに着替えて登場。最後のメッセージとして、手紙にまとめてきたという影山は「あなたのハートにゲーゲンプレス！」というキャッチフレーズで自己紹介して読み上げ始めた。

　影山は「人は私を完璧だと言ってくれるけど、私は完璧じゃない。だからこそ完璧にならなければならない、完璧でなければ私じゃないのだと、常に私という存在に後ろめたさを感じていました」と打ち明けつつも、「卒業してから今日までも、自分自身へ不安を感じることがよくありました。でも今はこんなにも私のことを支えてくれる人がいるんだと、皆さんの力を借りて胸を張ることができています。本当にありがとうございます」と感謝。

　そして、メンバーへのメッセージも。同期である一期生には「先にいなくなってごめん。私が甘えられるようになったことを成長だと言ってくれてありがとう。みんなに会えたことが私の人生の誇りだよ」と伝え、二・三・四期の後輩たちには「日向坂46に入ってきてくれてありがとう。このグループを愛してくれてありがとう。前に進みたいのに前がわからなくなることだって、自分が何者かわからなくなることだって、大体笑ってりゃなんとかなる。私が人生をもって証明するぞ。これからも頼んだぞ」と意気込みつつ、これからのグループを託した。

　そしてこれからについて「抽象的なことを言うと、自分を許せるようになりたいです。そしてもっともっともっと大きな人間になって、ある日、影山優佳ちゃんって日向坂46にいたんだね。日向坂46ってすごいんだねと話が聞こえてくるようになったらいいなって思います。どんな未来になっても、私をあたたかく見守っていてくれませんでしょうか」と呼びかけ、「あなたが方向だったり目標だったりを見失ってしまった時に、ぱっと辺りを照らせる、そんな温かい星に私はなりたいです」と“一番星”に例えて決意を込めた。

　手紙を読み終えた影山だが、それまでに「私にとって大好きな日向坂のライブで、苦しい顔をしてしまったり、思うようなパフォーマンスができなかったりする自分が心底を許せませんでした」と卒業の理由について語っていたことについて「やっぱり寂しいのよ！寂しいし、悔しいし、切ないけど、だからこそ、頑張って這いつくばって生きていきます！これからもよろしくお願いします！」と今の本音をこぼした。

　最後のあいさつが終わると、一期生が全員登場。影山にとってのサプライズで“始まりの曲”としてけやき坂46時代の楽曲「ひらがなけやき」をアカペラで合唱すると、影山はこの日初めて目をうるませた。さらに後輩メンバーから一人ずつ最後のメッセージと花を受け取ると、大粒の涙を流す場面もあった。

　セレモニーの最後を飾ったのは、影山がセンターを務めた「友よ　一番星だ」。「ああ 友よ ここで別れだ」という歌詞から始まる前向きな卒業ソングを笑顔で歌いきった影山は、「日向坂46をよろしくお願いいたします！」と改めてファンに伝え、ラストステージをあとにした。

■『影山優佳 卒業セレモニー』ライブパート　セットリスト
Overture
M1.永遠の白線
M2.おいで夏の境界線
M3.夏色のミュール
M4.その他大勢タイプ
M5.誰よりも高く跳べ！2020
M6.ひらがなけやき（アカペラ）
M7.友よ一番星だ