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Uniolla、2ndアルバムで具現化する“曲の主人公” 始動から2年、新たなフェーズへ

 4人組ロックバンド・Uniolla(ユニオラ)が5日、2ndアルバム『Love me tender』をリリースした。バンド名をタイトルに冠した1stアルバム『Uniolla』から約1年8ヶ月、バンドとしてさらなる進化を遂げた同作について、KUMI(Vo)と深沼元昭(Gt)に話を聞いた。

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 Uniollaは、LOVE PSYCHEDELICOのボーカリストであるKUMIと、PLAGUESやMellowheadとしてだけでなくプロデュース業も手がける深沼が中心となって結成されたバンド。深沼と親交の深いTRICERATOPSの林幸治(Ba)とJake stone garageの岩中英明(Dr)を加え、“大人のガレージバンド”をキーワードに掲げて2021年より活動を開始した。

 そんな彼らが、コロナ禍を経て発表した最新アルバムが今作『Love me tender』となる。配信シングルで先行リリースしてきた「ララ」「Leap」「The 1st chapter」を含めた全10曲を、4人はどのように作り上げていったのだろうか?

Uniolla(左から)林幸治(Ba)、KUMI(Vo)、深沼元昭(Gt)、岩中英明(Dr)

Uniolla(左から)林幸治(Ba)、KUMI(Vo)、深沼元昭(Gt)、岩中英明(Dr)

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■1stアルバムの完成、初ライブ、コロナ禍… 結成から2年で掴んだ“真のUniolla”

――まずはUniollaを結成した経緯から教えていただけますか?

【深沼】僕のソロプロジェクト・MellowheadでKUMIに歌ってもらおうと考えたのがそもそものきっかけです。そのとき、初めて一緒にやるということで3曲用意したんですよ。どれか1曲は上手くハマるだろうって。そうしたら3曲ともすごくよくて、しかもそれまでのMellowheadの曲とは独立した音楽のようにも感じたんですね。それで、「これはバンドをやるべきなんじゃないか」って。

【KUMI】私もデビュー以来約20年、LOVE PSYCHEDELICO以外の音楽活動をしてこなかったので、ぜひ歌ってみたいと思って引き受けたんですが、なにか新しい化学反応が始まった感覚があったんです。そこに私の「バンドをやってみたい」という気持ちがプラスされて、深沼くんが長年一緒にやっている林(幸治)くんとヒデくん(岩中英明)に声をかけて“Uniolla誕生”となりました。

――先ほどギターケースを拝見したら、ちゃんとバンドのステッカーが貼られていて(笑)。

【深沼】ステッカーを貼ってこそバンドだなっていう感じで(笑)。

【KUMI】全部の機材に貼っているからね。

――2021年には1stアルバム『Uniolla』をリリースし、今回、2ndアルバム『Love me tender』が完成しました。気持ち的に1stとは違いもありましたか?

【深沼】1stは「みんなでUniollaをやっていきましょう」という、いわば“Uniolla前夜”といった感じ。コロナ禍で集まれる機会も少なかったし。そこから1stを出して、初めて人前でライブもやって。それを経ての今回でしたから、ある意味で“真のUniolla”としての最初のアルバムを作れたという印象があります。

【KUMI】1stからの変化としてはもう1つ、より曲の世界観というか…音、主人公のキャラクターがはっきりしてきた気がします。1stのとき、深沼くんが作ってきた曲を歌ってみた段階で、Uniollaの曲に登場する主人公のキャラクターが2人の共通認識として見えたんです。ただ、まだ曖昧だった。

――そこが2ndでさらに明確に?

【KUMI】はい。もう少し目を見開いて、世の中の風景や景色がはっきりと見えて、線が濃くなったようなイメージがあります。そうやって「Uniollaってこういう感じ」というバンド感や、曲の描く世界のイマジネーションを自分1人で作り込まずとも、刺激をもらって作っていけることがバンドの面白いところで。Uniollaというバンドの中で生きているものをみんなで感じながらシェアしている感覚ですね。

【深沼】うん、みんなでシェアしている感じがすごくありますね。

Uniolla 2ndアルバム『Love me tender』ジャケット

Uniolla 2ndアルバム『Love me tender』ジャケット

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■“大人のガレージバンド”の真意「システマチックな制作とは正反対のレコーディング」

――今回の制作で印象的なエピソードは?

【深沼】僕は「The 1st chapter」ですね。ある程度の核となる曲が書けて、「じゃあそれらをアルバムという形にまとめるための曲を作ろう」と、作曲期間の最終版に書いた1曲。それをNAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)くんが「圧倒的にいい!」と言ってくれて、(先行リリースされた曲を除いて)今回最初に録った曲なんです。

――レコーディングは、LOVE PSYCHEDELICOのプライベートスタジオ(Golden Grapefruit Recording Studio)で、NAOKIさんのエンジニアリングのもとで行ったそうですね。

【深沼】そうです。僕の中にもこの曲のサウンドイメージはありましたけど、NAOKIくんがさらにこだわってくれて、バスドラムの音決めだけで1時間とか、そういうレベルでとことん凝って録音してくれました。スタジオにはメンバーしかいないし、現代的なシステマチックな制作とは正反対のレコーディング。NAOKIくんが1本ずつマイクを選んで立てていく作業すら、演奏の一部といったレコーディングでした。

――Uniollaのキャッチフレーズは“大人のガレージバンド”ですが、実際のサウンドというよりも、スピリッツ的な意味合いでの“ガレージバンド”なんですね。

【KUMI】本当に自分たちのガレージのような場所で作業したし、“手作り感”という意味でのガレージバンド感かもしれませんね。

【深沼】ドラムとベースはNAOKIくんに録ってもらって、歌とギターは、僕の自宅スタジオでちょっとずつ録っていきました。だからすべてにおいて、そこにあるものだけを使って自分たちで作っていく。そういう意味での“ガレージ感”ですね。

――では、KUMIさんの印象に残っている曲は?

【KUMI】どの曲も好きなんだけど…強いて言えば「So am I」かな。それと「容赦なく美しい朝」。あと「No wrong answers」も好き。どんどん増えていっちゃう(笑)。

【深沼】「容赦なく美しい朝」は、日本語の歌謡曲的な、KUMIの幼少期からのルーツが残っている曲だよね。

【KUMI】LOVE PSYCHEDELICOの曲だと、私の中にある日本語の音楽的ルーツのエッセンスって、そこまでわかりやすくは反映されていないと思うんです。でもこの曲には歌謡曲だったり、日本語詞の美しさがすごくあって。その世界観とサイケデリックロックのサウンドが合わさって、最高に美しく狂気をはらんだ曲に仕上がったと思います。あと、ハードロックへの愛にあふれた「No wrong answers」(笑)。

■使用機材にも表れるバンドの“自由さ”と“らしさ”

【深沼】最初はもっとLAメタルみたいな感じで、10代以来の速弾きをしていました(笑)。そうやってUniollaでは、バンドであるがゆえに、自分の引き出しがナチュラルに開かれる感覚がありますね。ギターの話をすると、メインで使ったギターはGretschのTennessean。1967年製で、浅井(健一)さんの仕事をしていたときに、浅井さんが1964年製のTennesseanを使っていて、ずっと欲しかったんですよ。

深沼がUniollaでメインギターとして起用するGretsch製#6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.

深沼がUniollaでメインギターとして起用するGretsch製#6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.

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【KUMI】実はこのTennesseanは、私が持っていた物なんです。2009年か2010年にロスで見つけて買ったんですけど、LOVE PSYCHEDELICOではなかなか出番がなくて。それを彼が見つけて「弾いてみたい」って。

【深沼】ただ個性的な音ですから、自分のサウンドの中にどう取り入れるか、それなりに苦労しました。そうした中で、超ド直球のミュートカッティングから始まる「The 1st chapter」は、あのイントロだけで世界一カッコいい曲にしてやろうと思って録ったんです。

ハードウェアの換装をはじめ、実戦向けのさまざまカスタマイズが施されているGretsch #6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.

ハードウェアの換装をはじめ、実戦向けのさまざまカスタマイズが施されているGretsch #6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.

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――KUMIさんは、3月のライブではFenderのJaguarをプレイされていましたよね?

【KUMI】15年ほど前に国内で買ったものです。1960年代製だと思うんですけど、これも今まであまり弾く機会がなくて。それが、まさにUniollaに打ってつけというサウンドで。どの曲にも合うよね?

KUMIがUniollaでメインギターに据えるFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.

KUMIがUniollaでメインギターに据えるFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.

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【深沼】これ1本でいける。レコーディングでも、「Leap」のメインや「嘘はないはず」の単音のカッティング、最後に出てくるソロっぽいギターはこれです。ほかにも「Love me tender」のアルペジオや、「容赦なく美しい朝」のマイブラ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)っぽい感じもこれ。そもそも今回はJaguarで作曲した曲が多かったですね。

アルダーボディー+メイプルネック&ローズウッド指板を持つFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.

アルダーボディー+メイプルネック&ローズウッド指板を持つFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.

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――そしてUniollaサウンドの肝となっているのが、1960年代に登場した初代サンプラーキーボードと言うべきメロトロン。近年デジタル化されたモデルを制作に使ったそうですね。

【深沼】LOVE PSYCHEDELICOのスタジオにはオリジナルの本物があるんですよ。

Uniollaの楽曲で多用されるMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.

Uniollaの楽曲で多用されるMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.

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【KUMI】1990年代にリバイバル生産されたテープ式のもので、かなり重たくて、すぐに故障する(笑)。でもメロトロンの音がすごく好きで、いつでも弾けるものがあるといいなと思ってたんです。Uniollaの曲に弦を入れるときも、本物のストリングスではなく、あえてメロトロンを使った方がロックなサウンドに馴染むんですよ。

【深沼】もっと単純に言えば、僕らはメロトロンの音が大好きで。「The 1st chapter」の最初にもビブラフォンが出てくるんですけど、別にビブラフォンが好きなわけじゃなくて、メロトロンのビブラフォンを入れたかったんです。

“名機”の演奏感を完全再現した木製キーボードも特徴のMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.

“名機”の演奏感を完全再現した木製キーボードも特徴のMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.

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■決まりごとではない自由さが生み出す“ライブの一体感”

――まさにバンドマンが演奏してみたくなる楽曲ばかりですね。ぜひ読者に、コピーに挑戦してほしいフレーズを挙げていただけますか。

【深沼】ギター好きなら、やっぱり「No wrong answers」のリフかなぁ。わりとシンプルだし、パッと弾いてカッコよく決まる。ぜひ“なり切って”弾いてみてください(笑)。僕のSNSで新曲のコードとかをアップしているので、ギターが好きのみなさんに弾いてみてほしいです。

【KUMI】歌に関しては、歌う人の個性が出やすいのは「So am I」かな。この曲は自由度が高くて、歌の情緒や声色が大きく影響するタイプの曲だから、誰が歌っても“その人の「So am I」”になるんじゃないかな。

【深沼】ギター1本で弾き語りもしやすいし。

【KUMI】メロディーと歌詞、それにギターだけで成立する曲だと思います。

――ありがとうございます。この2曲を含めた新曲が、7月25日から始まる東名阪ツアー『Uniolla Tour 2023 “Love me tender”』で聴けることを楽しみにしています。

【深沼】僕らも楽しみです。最近、3月にやったライブの資料映像を見たんですけど、お客さんが本当に素晴らしくて。みんな自由に楽しんでいるんですよ。決まりごとのある一体感ではなくて、みんな自由だという一体感。それは今までのライブでは感じたことのない雰囲気で。

【KUMI】お客さんごとに「私のUniolla」みたいなものがあるんだろうね、それぞれの物語が。

【深沼】僕らのルーツが色濃く出ているから、お客さんにも刺さるところがそれぞれ違うんだろうと思います。よくライブで「自由に楽しんで」って言うけど、なかなかできることじゃない。でもUniollaのお客さんは、バンドが導き出す、なにかひとつの大きな“Uniolla”っていうイメージをみんなでシェアしてくれている感じがするんです。

――お客さんも“大人のガレージバンドファン”なんですね(笑)。

【KUMI】そうかもしれない(笑)。

【深沼】僕らもお客さんも、みんな結局「バンドっていいよね」みたいな空気の中にいる。そういう雰囲気の中で、ツアーをまわれたら最高だなって思います。

■2ndアルバム『Love me tender』収録曲
01. The 1st chapter
02. 嘘はないはず
03. It's just the time
04. So am I
05. Leap(Alternate Mix)
06. ララ
07. 容赦なく美しい朝
08. Love me tender
09. まぼろし
10. No wrong answers

■『Uniolla Tour 2023 “Love me tender”』日程
7月25日 大阪・Music Club JANUS
7月26日 愛知・新栄シャングリラ
8月1日 東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

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  • Uniolla
  • Uniolla 2ndアルバム『Love me tender』ジャケット
  • Uniolla(左から)林幸治(Ba)、KUMI(Vo)、深沼元昭(Gt)、岩中英明(Dr)
  • 深沼がUniollaでメインギターとして起用するGretsch製#6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.
  • ハードウェアの換装をはじめ、実戦向けのさまざまカスタマイズが施されているGretsch #6119 Chet Atkins Tennessean 1967 (C)ORICON NewS inc.
  • KUMIがUniollaでメインギターに据えるFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.
  • アルダーボディー+メイプルネック&ローズウッド指板を持つFender Jaguar 1965 (C)ORICON NewS inc.
  • Uniollaの楽曲で多用されるMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.
  • “名機”の演奏感を完全再現した木製キーボードも特徴のMELLOTRON M4000D Digital Mellotron (C)ORICON NewS inc.

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