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【インタビュー】SARD UNDERGROUND、新作アルバム『日の名残り』の挑戦 見つけた自分たちの色

 ZARD の数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムで2019年9 月にデビューを飾ったSARD UNDERGROUND。ZARD のスタンダード・ナンバーを令和の時代につなぐとともに、初のオリジナルアルバム『オレンジ色に乾杯』(21年9月)を発表して以降は、着実に自分たちの世界観を押し広げてきた。デビュー3周年を控えた9月14日にリリースされたミニアルバム『日の名残り』は、オリジナル楽曲にも意欲的に取り組んできた3人の成長が感じられるだけでなく、これまでになかったカラーも盛り込まれた意欲作となっている。本作に込めた想いや特典映像として封入されている「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメントの見どころ、そして今後の目標を聞いた。

SARD UNDERGROUND(左から)杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)

SARD UNDERGROUND(左から)杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)

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■新たなSARD UNDERGROUNDを発見 初の試みも詰まった意欲作

「一日の終わりに思い出すような、心に残る音楽を届けたい」という想いから名づけられたアルバムタイトル『日の名残り』。全7曲中、ZARD坂井泉水の作詞2曲を除くオリジナル5曲の作詞を手がけたボーカルの神野友亜は、「夏の曲や冬の曲などいろいろな季節が入っていますし、今までにない新たなチャレンジもありましたが、全体的には私たちらしい温かなアルバムになったと思います」と今作の手ごたえを語った。

 ただ、歌詞の世界観を構築するプロセスには少々時間を要したようで、「何度も歌詞を書き直しました」と苦笑いする。

「1曲目の「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」は最初、メロディーを聴いて全然違う雰囲気の歌詞を書いていたんです。でも、長戸大幸プロデューサーに『もっと怒りをぶつけたような歌詞にしてほしい』と言われて、このタイトルを提示されました。確かに“怒り”のほうがメロディーにハマるなと思ったので、タイトルからイメージを膨らませて、男性目線で書き上げました」(神野)

 プロデューサーから提示されたタイトルをもとに詞を書いたのは、6曲目に収録されている「クリスマス ケーキ」も同じ。「どうストーリーを広げようか、すごく悩みました」と振り返る神野だが、ベースの杉岡泉美は、タイトルから広がった世界観に驚きを覚えたという。

「“クリスマスケーキ”というお題でどんな世界を描くのか全く想像ができなかったので、とても楽しみにしていたんですけど、ホイップクリームだけの真っ白なクリスマスケーキから物語が膨らんでいき、悲しみや寂しさ、そして希望も感じられる歌詞になっていて、やっぱり友亜ちゃんはスゴイなって思いました。私たちのオリジナル曲で冬を歌った作品は初めてですし、「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」のような怒りの感情がこもったインパクトのある曲も初の試みだったので、今までと違ったSARD UNDERGROUNDがお見せできたんじゃないかな。ファンのみなさんがどんな反応をしてくださるのか、すごく楽しみです」(杉岡)

 “怒り”の感情は2曲目の「擦り傷だらけの純情」にも描かれている。ラストの言い放つような、これまでになかった言葉遣いが印象的な作品だが、神野は「こちらは女性目線のちょっとマイルドな怒り」と茶目っ気たっぷりに表現する。

「私たち3人は本気で怒りあったりすることがないので、きっと怒ったらこんなふうに冗談っぽい感じになると思うんです。そういう意味でSARD UNDERGRONDっぽい歌になっていると思います」(神野)

「名探偵コナン」エンディングテーマ「空っぽの心」全国リリースイベントツアーの模様

「名探偵コナン」エンディングテーマ「空っぽの心」全国リリースイベントツアーの模様

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 同曲と4曲目の「恋が待ち伏せしてた午後」は共に、アニメ『おかしなさばくのスナとマヌ』の主題歌に起用され、リリースが待たれていた作品でもある。2作とも本アルバムへの収録のために今回、フルバージョンに制作し直されたのだが、実はこの「恋が〜」の歌詞に今回もっとも苦戦したという。

「主題歌で使われていたのはサビの部分だけでしたので、そこからフルバージョンにするためにどう世界観を作っていくか、すごく悩みました」(神野)

 しかし、苦労の甲斐あって、恋の始まりをみずみずしく歌った恋愛ソングが誕生。キーボードの坂本ひろ美は「私はこの曲が大好きで、最近もずっと聴いている」、杉岡も「友亜ちゃんのボーカルが可愛らしくて気に入っている」と大絶賛する仕上がりになっている。

■全国インストアツアーで得た自信 MCも演奏も安心して力を発揮できるように

 今作には、3人が「今年、最もエネルギーを得た」と語る「空っぽの心」(22年5月発売/日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ)のリリースイベントツアーのドキュメント映像が添えられている。初回限定盤ではツアー前半の、通常盤では後半のツアー中の、メンバーの素の姿を見ることができるのだ。

「すごい変顔をしているところが映っているので、最初、観たときは、こんなの使って大丈夫ですか? って驚きました。私たちはいいけど、嫌われないかな? って」(神野)

「ライブのMCのときはカッコつけちゃったりしてますけど、ダサい部分が映っていますからね(笑)」(杉岡)

「ちょっと恥ずかしさもありますけど、3人の素の様子が見られるので、楽曲とともに、私たちのそういう部分も楽しんでいただけたらいいなって思います」(坂本)

 2年前のインストアツアーがコロナ禍で中断され、その時以来の全国インストアツアーとなったが、メンバーにとってはデビューしてからの念願が叶ったこともあり、その達成感はひとしおであったようだ。「本当にいい思い出で、もう終わるんだなという頃、瀬戸大橋を渡りながら美しい夕景を見たときは、寂しさで泣きそうになった」と神野。そんな熱い日々を経て、3人はバンドとしての成長を実感している。

「たくさんのファンの方が来てくださり、ファンの方と仲が深まったことで、MCでも演奏でも、安心して、できる限りの実力を全部出せるようになった気がします」(神野)

念願だった全国リリースイベントでのファンとの触れ合いが大きな力に

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 ファンからの言葉も、成長を支える大きな原動力となっている。

「『ずっと聴いています』『また来ます』って言われることがとても嬉しくて。この2つの言葉は本当に心の支えになっています」(坂本)

「長い手紙を書いてきて、目の前で読んでくださった方がいて。『生きがいです』なんて言ってくださったのには感動しました。私たちの活動でそんな気持ちになってもらえているなんて、やってきて良かったなって思いましたね。リリースイベントを通して、私たちを好きでいてくれる方たちがこんなにいるということを実感できたので、私たちも同じくらいの愛を演奏で返していけたらなって思います」(神野)

■ミニアルバムでつかんだ自分たちらしさ「いろんな感情を歌っていきたい」

 もちろん、デビュー当初からこだわり続けてきた、尊敬してやまないZARDの作品を令和の時代に歌いつないでいくことにも情熱を注いでいる。本アルバムでは、ZARDのバラードの名曲「You and me(and…)」と、ZARD坂井泉水が歌詞提供したBarbierの「クリスマス タイム」が収録されている。

「今回、私たちのオリジナルのクリスマスソングを作ろうという話になったので、ずっとカバーしたいと思っていた「クリスマス タイム」を一緒に入れることになり、結果、クリスマスソングが2曲になりました」(神野)

 この2曲の前に収録されている「You and me〜」の歌詞の中にも、クリスマスをイメージさせる歌詞が入っていることから、今回カバーして収録されることになった。

初回限定盤・通常盤に封入されたシリアルナンバーでリリースイベントツアー中のメンバーの素の表情も楽しめる

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「ZARDさんの曲はもちろんずっと歌っていきたいと思っていますので、次第に私たちのオリジナルとのギャップが生まれてきたらいいなと思っています」(神野)

 そのギャップについて、以前、インタビューした際に杉岡は、「それぞれ性格が違う3人の個性が混ざることで、私たちだけの色が出せると思う」と語っていたが、今回のアルバムを制作したことで、その手応えをつかんだようだ。

「私的には、私たちの歌って爽やかでカラフルなイメージがあったのですが、今回のアルバムで、喜びや悲しみ、寂しさ、怒りといった感情を表現してみたことで改めて、SARD UNDERGRONDとしてもっと表現する幅を広げていきたいと思いました」(杉岡)

 リリースイベントでのファンとの交流、新境地を切り開いたミニアルバムのリリースを経て、自分たちの色を確立させようとしている3人は、これからどんな世界観を創り上げていくのだろうか。成長著しいSARD UNDERGROUNDがますます楽しみになってきた。

文・河上いつ子

■Profile
 神野友亜(Vo)、杉岡泉美(Ba)、坂本ひろ美(Key)からなる女性3人組バンド。Being Groupのレコード会社の1つ“GIZA studio”でデビューを目指してレッスンを受けていたメンバーが、ZARD の作品に共鳴。カバーを続けるうちに、“ZARD の作品を後世に伝えていく存在” と、ZARD のプロデューサーであり、Being Group の創設者である長戸大幸氏に認められて活動をスタート。2019 年9 月18 日にZARD のトリビュートカバーアルバム『ZARD tribute』でデビュー。現在に至るまで、数々のZARD のカバー曲とともに、坂井泉水の未公開詞によるオリジナル曲を発表している。21 年9 月1 日には初のオリジナルアルバム『オレンジ色に乾杯』をリリース。22年5月18日にはボーカルの神野が作詞に挑戦したオリジナル作「空っぽの心」をリリース。同曲はアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマに起用された。デビュー3周年を控えた9月14日、ミニアルバム『日の名残り』をリリース。

■ニューアルバム『日の名残り』 2022年9月14日(水)リリース
<CD収録曲>(初回限定盤・通常盤共通)
1. 「花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ!」
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:鶴澤夢人・長戸大幸
2. 「擦り傷だらけの純情」(アニメ『おかしなさばくのスナとマヌ』主題歌)
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:鶴澤夢人・長戸大幸
3. 「空っぽの心」(読売テレビ・日本テレビ系『名探偵コナン』エンディングテーマ)
作詞:神野友亜 作曲:小澤正澄 編曲:鶴澤夢人・長戸大幸
4. 「恋が待ち伏せしてた午後」(アニメ『おかしなさばくのスナとマヌ』主題歌)
作詞:神野友亜 作曲:藤中友哉 編曲:鶴澤夢人・長戸大幸
5. 「You and me(and…)」
作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:麻井寛史 ※ ZARDカバー
6. 「クリスマス ケーキ」
作詞:神野友亜 作曲:大野愛果 編曲:鈴木和哉
7. 「クリスマス タイム」※ Barbierカバー
作詞:坂井泉水 作曲:栗林誠一郎 編曲:麻井寛史

アルバム『日の名残り』【初回限定盤(CD+DVD)】

アルバム『日の名残り』【初回限定盤(CD+DVD)】

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【初回限定盤(CD+DVD)】
GZCA-5312/3500円(税込)
<特典 DVD>
「空っぽの心」Music Video+メイキング
・クリスマスアナザージャケットカードA封入
・動画視聴用シリアルナンバー封入
「クリスマス ケーキ」Music Video/「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメント[first half]

アルバム『日の名残り』【通常盤(CD)】

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【通常盤(CD)】
GZCA-5313/2500円(税込)
・クリスマスアナザージャケットカードB封入
・動画視聴用シリアルナンバー封入
「クリスマス ケーキ」Music Video/「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメント[latter half]

関連写真

  • SARD UNDERGROUND(左から)杉岡泉美(Ba)、神野友亜(Vo)、坂本ひろ美(Key)
  • 「名探偵コナン」エンディングテーマ「空っぽの心」全国リリースイベントツアーの模様
  • 念願だった全国リリースイベントでのファンとの触れ合いが大きな力に
  • 初回限定盤・通常盤に封入されたシリアルナンバーでリリースイベントツアー中のメンバーの素の表情も楽しめる
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  • アルバム『日の名残り』【通常盤(CD)】

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