アイドルグループ・櫻坂46が20日、山梨・富士急ハイランドコニファーフォレストで野外ライブ『櫻坂46「W-KEYAKI FES.2022」』を開催した。どしゃ降りの中で行われたライブのアンコールには、2015年8月21日に前身の欅坂46が結成されてから7年を迎える1期生、尾関梨香（24）と原田葵（22）の卒業セレモニーが行われた。

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　本公演は当初、櫻坂46と日向坂46の年に一度の合同野外ライブとして、櫻坂46公演は7月22・24日に行われる予定だったが、メンバーの新型コロナウイルス感染により2公演とも中止に。その振替公演として開催されたもので、延期となっていた尾関と原田の卒業セレモニーもあわせて行われた。

　快晴だった前日から一転、最終日は涙雨か、小雨が降る中で幕を開けた。オープニングは、桜色のジャケットにグループカラーの白のスカート姿でメンバーが登場。7月23日に行われた日向坂46の「W-KEYAKI FES.2022」同様、改名前の欅坂46とけやき坂46時代の合同曲「太陽は見上げる人を選ばない」からスタートした。

　OVERTUREの間に衣装チェンジし、「Buddies」「なぜ 恋をして来なかったんだろう？」と続けると、キャプテンの菅井友香は「雨が降ってきちゃっているんですけど、皆さんぜひレインコートとかを着てくださいね。と言いつつも、このあといっぱいびしょびしょにしちゃうかもしれないんですけど」と、いたずらっぽく“放水”予告をした。

　ライティングで光る雨に打たれながらの「五月雨よ」は、大雨がシャワーの演出のように美しく、「思ったよりも寂しくない」ではメンバーが容赦なく、ホースや水鉄砲で客席に放水し、ウォーターキャノンが高々と水のアーチを描く。5月に卒業した1期生・渡邉理佐センター曲「無言の宇宙」では、渡邉と姉妹のような関係だった原田がセンターを務め、ファンの涙腺を緩ませた。

　卒業する2人からのリクエスト曲をVTRで紹介。尾関は「あまり披露してこなかった楽曲」｢必ず有観客で、皆さんの前で披露したいなという想いはずっと、何年も抱いていました｣「このメンバーにしかわからない共有できない気持ちというのが当時あって」「みんなの想いをすべて乗せて、悔いのないようにお届けできたら」と紹介し、欅坂46最初で最後のベストアルバム『永遠より長い一瞬 〜あの頃、確かに存在した私たち〜』収録曲「コンセントレーション」を、オリジナルメンバー7人のうち、現役メンバーの尾関、小池美波、齋藤冬優花、山崎天の4人で披露した。

　続けて原田が「1回しか披露できていない曲ですし、ファンの皆さんの前で演ったことがまだない」｢1期生と2期生が混ざっているユニットというのが、私が参加しているのはこの曲だけだったので、最後にこの曲を披露できたらいいなと思って｣「当時を思い出しながら笑顔で楽しく踊っているところを一緒になって、サイリウムを振って楽しんでいただけたら」とリクエストし、原田、上村莉菜、井上梨名、武元唯衣、藤吉夏鈴、森田ひかるが「カレイドスコープ」を披露。欅坂46衣装の衣装を着用して笑顔で歌って踊る6人に、ファンは欅坂のグループカラー・緑のペンライトを揺らした。

　2人のエモーショナルな選曲に配信を観ていたファンも反応し、ツイッターでは「#WKEYAKIFES2022_DAY2」がトレンド1位に。TOP10内に「コンセントレーション「カレイドスコープ」も急上昇する盛り上がりをみせた。

　クライマックスはダンストラックから、激しいダンスナンバー「流れ弾」「BAN」でたたみかけ、メンバーは乱れた髪がおでこや顔に張り付くのも構わず、気力と体力を振り絞った渾身のパフォーマンスで圧倒した。

■尾関梨香＆原田葵卒業セレモニー　メンバーからのサプライズも

　アンコールでは卒業セレモニーを実施。まずは原田が白のドレスで登場すると、学業専念のため休業（2018年5月〜19年7月）し、その後、学業と両立した日々を「“よくやりきったな”と思う」と振り返りつつ、「学業をしながらの活動は、一人ではできなかった」と涙声で感謝。「これからも櫻坂46、尾関梨香、原田葵をよろしくお願いします」と呼びかけた。

　会場が暗転すると、続いて尾関が原田とは対照的な真っ赤なドレスで登場。「7年前、グループに加入した私は、皆さんが思うアイドルらしさ全開ではなかったかもしれません。もっとかわいらしくいたいなと、時には自分のキャラクターに悩んだこともありました。だけど、皆さんとお話しすると『いつも自然のままの尾関が好き。ありのままでいてね』と言ってくださったので、ずっとずっと私らしい“尾関スタイル”で居続けることができました」とファンに感謝。「どんなときも自分を大切にして、ずっと笑っていてください。約束です。それから、大好きな櫻坂46をこれからも、Buddiesの皆さんで守り続けてください。心から本当に皆さんに出会えて幸せでした」と伝えた。

　ステージに合流した小池が「寂しくなっちゃう」と漏らしながら尾関と手をつなぐと、トロッコに分乗し、欅坂46時代のユニット曲「音楽室に片想い」「バスルームトラベル」を2人で披露。緑や尾関カラーの黄色のペンライトを振るファンに応えながら歌い、最後はステージ上で2人が抱き合った。

　さらに原田と上村がステージに合流し、欅坂46時代のユニット曲「バレエと少年」を4人でパフォーマンス。グループ加入前にバレエを習っていた原田の経験を活かしたダンスでも魅了した。

　ここで2人にはサプライズで、一輪の花を2つ手にしたメンバー一人ひとりが尾関と原田にメッセージを伝えながらハグを交わした。同期の齋藤は「頑張ってきた2人をきれいな姿で、メンバー全員で見守って送り出せたことが幸せ」と涙。尾関からニッポン放送『櫻坂46 こちら有楽町星空放送局』のメインパーソナリティーを引き継いだ2期生の井上梨名は「2人が見せてくれた姿勢をしっかり受け止めて、ちゃんとそれを力にしていきたい。『こち星』はまかせろ！」と頼もしく宣言した。

　上村は「明日から2人がいなくなっちゃうのがすごく悲しいなぁと思うんですけど、これからもお互い、みんながみんなを支え合って、いいグループになっていけたら」と語り、小池は「すごく寂しいね。これから披露することはないと思うから、最後に2人と一緒にできたことが、すごいすごい、幸せな時間でした」としみじみ。小林由依は「送り出すのが最近多かったから、また2人いなくなるのがすごく寂しい」と本音を漏らしつつ「2人に出会えて本当によかった。これからも道は違えど、2人のことを応援しています」とエールを送った。

　最後に菅井は「葵とおぜちゃんはたくさんの笑顔をプレゼントしてくれて、そんな2人だからこそ、2人の未来はとても輝いているんじゃないかなと思っています。すっごく寂しいんですけど、Buddies（櫻坂46ファン）の皆さんも同じ気持ちかなと思います。私たちはファミリーだから、家族だから、2人のこれからを皆さんと応援して見守っていたけたら。皆さんこれからも2人の応援よろしくお願いします」と呼びかけた。

　ラストは菅井が「しんみりしちゃったけど、楽しみますよ！あの曲行っちゃいましょう！」と叫び、欅坂46時代のタオル回し曲「危なっかしい計画」に突入。会場が一面緑に包まれるなか、尾関と原田はトロッコに乗ってファンに感謝と別れを告げ、最後はメンバー全員が「尾関梨香」「原田葵」の推しタオルを広げてフィナーレ。雨空に華やかな花火が打ち上がり、2人の門出を祝った。

■『櫻坂46「W-KEYAKI FES.2022」』セットリスト

01. 太陽は見上げる人を選ばない
OVERTURE
02. Buddies
03. なぜ 恋をして来なかったんだろう？
04. Microscope
05. それが愛なのね
06. 偶然の答え
07. 五月雨よ
08. 思ったよりも寂しくない
09. 無言の宇宙
10. コンセントレーション
11. カレイドスコープ
12. ブルームーンキス
13. 恋が絶滅する日
14. 車間距離
15. 流れ弾
16. BAN
【アンコール】
尾関梨香＆原田葵卒業セレモニー
EN1. 音楽室に片想い〜バスルームトラベル
EN2. バレエと少年
EN3. 危なっかしい計画