アイドルグループ・NMB48が26日、大阪・難波のNMB48劇場で、卒業生・木下百花プロデュース公演『ムチャクセ公演〜百花が見てる〜』を開催した。「最近のメンバーは良い子すぎるんじゃないか」という運営側が、現メンバーのキャラ発掘を目的とし、2017年7月にグループを卒業した1期生・木下百花（24）に新公演のプロデュースをオファーし実現した。

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　開演時間になり、登壇した木下は、公演をプロデュースすることになった経緯を観客に説明。「一応、私も１期生として7年ぐらいいたから情があるんです。直接関わったことは少ないけど、今の子たちがどんな感じなのか知りたいと思いましたし、NMB48に入ってくるぐらいなので絶対面白いはずなのに、『良い子すぎる』って大人に言わせてたらあかんやろって思ったので、微力ですけど、お力添えできれば。あかん新しい扉をめっちゃ開いてるから楽しみにしててください」「見てって！楽しんでって！」と呼びかけた。

　出演メンバーは、安部若菜、石田優美、石塚朱莉、折坂心春、河野奈々帆、小嶋花梨、佐月愛果、上西怜、菖蒲まりん、新澤菜央、出口結菜、中野美来、堀詩音、眞鍋杏樹、南羽諒、前田令子の16人。前田は歌唱には参加せず、司会進行役として場面転換時などに黒子姿でたびたび登場した。

　本公演は「ホスト企画」「グラビア昔話」「説教部屋」「プレゼン企画」「突撃スタジオ」「百合企画」という６つの企画で構成。「ホスト企画」ではホストクラブの客を卒業生の三田真央が演じ、佐月、石塚、小嶋の３人がホストに扮して三田を口説いていった。最終的に三田は、男装がよく似合う小嶋を選んだ。

　「グラビア昔話」は、セクシーな衣装で昔話を朗読するという企画で、上西と新澤が挑戦。ムーディーな音楽が流れる中、多くのグラビアに登場している上西が大きめの白いシャツを着て「桃太郎」を、グラビアやSNSの動画などであざとかわいさをアピールしている新澤が「鶴の恩返し」を艶っぽい声で読み上げた。

　「説教部屋」では赤のジャージ姿のキャプテン・小嶋がメンバーを呼び出し、説教する企画。呼び出されたのはドラフト２期生でグループ最年長の堀と、厳しい先輩として知られる２期生の石田。キャプテンとはいえ５期生の小嶋にとっては2人とも先輩とあって、珍しいシチュエーションにファンの目には新鮮に映った。

　「プレゼン企画」では安部、南、眞鍋、折坂の４人がそれぞれやりたい企画をプレゼン。YouTubeでゲーム実況をしている安倍は、劇場での「ギャルゲー実況」を提案。「理想の女の子が主人公で、その子たちの萌え台詞とかメンバーが恥ずかしそうに朗読するのを想像するだけで興奮します。これを中学生メンバーにやってもらいたい！」と熱弁する。

　南は「無人劇場生活」と題し、劇場の中に「家を作って、ごはんを作って、釣りをして、海を感じる」という突飛な発想を披露。眞鍋は「私が飛びたいから」というシンプルな理由で「フライング」企画をプレゼン。「劇団四季を観たときに、私も一緒に泳ぎたいと思ったので、私をフライングさせてください！」とスタッフに懇願した。

　折坂は「かわいいメンバーたちにキラキラのドレスとヒールをはいてもらって、キャバクラをしてもらいます。お客さんとして、おぢさんメンバー（水田詩織、浅尾桃香）を呼んで、やりたいなって思います」と笑顔でプレゼン。観客の拍手の大きさで折坂の「キャバクラ＆おぢさん」企画が採用されることになり、折坂は「やったー！ うれしいたけ」と喜んだ。

　「突撃スタジオ」企画では、派手なメイクと衣装の出口と制服姿の中野、堀、南が登場した。進行役の前田が「あるメンバーが、この中の誰かのところに突撃している写真を紹介していくコーナーです」と説明すると、モニターに映し出されたのはファンシーなベッドで眠っている出口。それを見た中野は「これ、美来（私）の家！」と大慌てした。出口が中野のベッド周りやリビングでくつろぐ姿、さらには中野の母親と一緒に写っている写真までが公開され、中野は驚きのあまり「言葉にならない…」と絶句した。

　ラストは、木下といえばのメイン企画「百合劇場」。主人公は人妻役が不思議としっくりくる安部。夫役は小嶋、安倍の親友役は眞鍋、安倍と以前関わりがあった高校の後輩役を河野、安部と河野の関係性を怪しむちょっと悪い女を菖蒲が演じた。木下が台本を書き、劇中に「恋愛被害届け」「僕だけの君でいて欲しい」（佐月、新澤、出口、中野）、「僕は愛されてはいない」（安部）を挟んでストーリーを展開。安部と河野の関係が進展しそうなところで幕を下ろした。

　最後はプロデューサーの木下とゲストの三田を交えて公演を総括。「グラビア昔話」に出演した新澤は「みんなの視線が気持ちよくて、快感でした」、上西も「マスク越しでもわかるぐらいファンの皆さんがニヤけてくださって楽しかった」と笑顔を見せた。

　「プレゼン企画」で選ばれた折坂のキャラには、木下も「どう接したらいい？」とタジタジに。「突撃スタジオ」での中野のリアクションに対しては「500億点！それを待ってました！」と満足そう。「百合劇場」主演の安部に対しては「若菜ちゃんが結婚してると思って（台本を）書いてた」と人妻役に太鼓判を押し、河野に対しては「君には期待してんのよ！ こんな逸材いないよ」と将来性を含めて高く評価した。

　木下は今後の『ムチャクセ公演』について「正直、2回目は何も決まってないです。幻の回になる可能性も大やし、2回目やるにしても、託して、次世代の子が作っていって、プロデュースをやったほうが面白いと思ってるんで」と語った。本公演の見逃し視聴はFANY Online Ticketで7月3日午後3時まで。