横浜・みなとみらい21地区38街区に誕生した1万人規模の音楽アリーナ「ぴあアリーナMM」（読み：ピアアリーナエムエム）のメディア向け内覧会がこのほど行われました。気になる座席を中心に、会場内部をレポートします。

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　まずはアクセスから。公式サイトによると最寄り駅のみなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩7分、JR京浜東北線・根岸線「桜木町駅」から徒歩8分。地下4階の「みなとみらい駅」のホームから果たして7分で着くのか、実際に電車を降りた直後から計測してみました。

　改札を出て5番出口から長いエスカレーターに乗って地上へ。左手に横浜ロイヤルパークホテルやランドマークタワー、右手に横浜美術館を見ながら、けやき通りをのんびりと直進すると、みなとみらい大通りの向こう側に「ぴあアリーナMM」が見えてきました。信号待ちしたものの、8分強で到着。ライブ当日は混雑することを考えても、10分あれば大丈夫そうです。

　エントランスに着くと、左手には2階と直結する大階段があり、ライブ／イベント終演後もスムーズに退場できそうです。受付を済ませて早速アリーナの扉を開けると、真新しいにおいがしました。

　チケット販売大手のぴあが、ライブ会場不足解消と成長を続けるエンターテインメント市場のさらなる拡大を目指して2017年12月に着工し、約100億円を投じて建設した「ぴあアリーナMM」は、地下1階地上4階建て。最大キャパシティ（収容人数）は、アリーナをオールスタンディングにした場合の1万2141人で、着席時は1万57人だそう。

　当初は、ゆずのこけら落とし公演で4月25日に開業予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で、ゆず、サカナクション、Travis Japan、日向坂46、水樹奈々ら人気アーティストの公演がやむなく延期や中止に。ぴあ広報室によると、中止／延期公演数は「約40公演」（7月16日時点／情報解禁前に中止になった公演も含む）にのぼったそうです。

　新型コロナによる苦難は続きますが、ぴあ創業日でもある7月10日、地元・横浜出身のゆずがこけら落とし公演ならぬ“こけら落とし配信”を行い、このアリーナで代表曲「栄光の架橋」を歌って、着工から約2年6ヶ月、ついに開業しました。

　スタンド席は横浜アリーナのようなすり鉢状ではなく、“ハコ型”構造を採用。2階の上に3階、3階の上に4階がかぶさるような作りで、どの席からもステージをなるべく近くに感じられるように設計されているとのこと。ただし、4階席の階段はかなり急角度なので、高所恐怖症の方はご注意を。

　気になる座席は、数時間にわたるイベントを快適に楽しめるようにと、座面、背面ともにクッションシートとなっているのがうれしく、ありがたい！　アリーナ席・スタンド席ともに「イベントの演出を引き立たせるために」と、すべて黒で統一されていました。

　跳ね上げ式の肘掛けにはカップホルダーが付いていて、基本的には自由に飲食可。この肘掛けがあることにより、座席間にも余裕が生まれます。また、前の座席とのスペースにもゆとりがあり、出入りのストレスも軽減されそうです。ちなみに、アリーナの“最前列”は、花道などない場合の最大で84席とのこと。

　4階の一角にあるSuiteルームには大理石のテーブルが“鎮座”し、専用のラウンジもゴージャスでまばゆいばかり。Suiteルームのゲスト用の座席は“黒革”のシートでした。一度くらいはこのシートでゆったりとコンサートを観てみたいものですが、縁はなさそうです。

　このほかにも、1〜3階に設置された売店「FOODIES STAND」の注文と決済がキャッシュレスのセルフレジになっていたり、当日の公演チケットを持っている客が利用できる予約制のホスピタリティラウンジ「CLUB 38」が充実していたりと満足度は高そう。

　2階屋外のデッキの突き当たりには、チケットを持っていなくても誰でも利用できるカフェダイニング「The Blue Bell」（82席）が併設され、ゆくゆくは「アーティストとのコラボカフェ展開なども行う予定」とのことです。

　実際に客入れした営業は、8月1・2日の錦戸亮ファンミーティングから始まる予定。1日も早く、この真新しいアリーナがフル稼働できる日が来ることを心待ちにしています。