デビューから46年、来年には古希を迎える南佳孝が、69歳のチャレンジとして南佳孝フェス“I will 69(ロック) you”を12月17日、東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した。
これまでも自身のコンサートには、積極的に仲の良いミュージシャンをゲストとして招いてきた南だが、今回のように5組のゲストを迎え、バックのサポートメンバーも鈴木茂、小原礼、屋敷豪太ら知己の一流どころを揃えてのフェス形式のライブは初めて。ファンの期待も高く、チケットは早々とソールドアウトとなった。
スタートは南本人のステージから。メッセージ性の強い「Desert Storm」から人気曲「SCOTCH AND RAIN」などを、まずは挨拶代わりに歌う。ギターを持ち独特の立ち姿でゆったりと歌い、時折顔をしかめながら声をはりあげる。声とアレンジが相まって独特の世界観が醸成されていくようだ。
今回のゲストは5組。まずは斉藤和義が、「レジェンド達にまざって、やりづらいったらありゃしないですよ」と笑いを誘いながら登場。斉藤が「スローなブギにしてくれ」をカバーレコーディングして以来の仲だという。
「南さんは東京の不良が湘南でより悪くなった感じの不思議なオーラがあって、会うのが怖かった」とコメントする斉藤に本人も会場も爆笑。「はないちもんめ」を歌い、次に「絶対にタクシーで帰るだろうなと思わせる歌になっている」と斉藤に言わしめた南佳孝版「歩いて帰ろう」と続き、ファン大盛り上がりとなった。
続くゲストは鈴木みのり。マクロスシリーズで声優デビューし、昨年アルバムを発売した。「この娘は必ずブレイクします!」と強く断言する南に、少し涙目になっている姿が印象に残る。アルバム『ラジオな曲たちII』に収録したキリンジの名曲「エイリアンズ」と南作詞作曲で彼女に提供した「いちばん最後の夏」を歌う。透明度の高い歌声が印象に残る。
南としては異色の歌謡ポップス風デュエットソング「トキメイテ」を一緒に歌った後、2曲目の「木綿のハンカチーフ」を歌う前に作詞の松本隆談議になったのが続くゲストの太田裕美。
「私のデビュー曲「雨だれ」も松本隆さんの詞だったんですよ。あの頃は松本さんも作詞家デビューしたばかりで忙しくなかったのかな。私には結構書いてくれたんですね。この詞は男の子と女の子の手紙のやりとりという当時としては斬新な形の詞なんですけど、今日は男の子の部分を南さんに歌ってもらおうと思います」と太田が言うとおもむろに南がギターを弾きながら“恋人よ〜”とスローに歌いだした。終了後、太田が「女性を捨てていく感じがでてましたよね」コメントすると場内が盛り上がる。
次のゲストを呼び込む前にサポートギタリスト鈴木茂との想い出が飛び出した。
「この曲のデモテープをシゲルにもらった時、セミの声が後ろでミンミンとうるさくてね。夏の曲なんだろうと思って聞いてみたら、北国の曲で、あれれ、と。でも、これがいいんだ」といいながら「ソバカスのある少女」を披露し、ソロコーナーに。
4番目のゲストは南がコーラスの楽しさを教えてもらったという杉山清貴。2人でアルバムを発売しているだけに、ハーモニーはぴったり。先日の“徹子の部屋コンサート”出演時に急きょ作成した「トットちゃんの歌」を披露し会場を盛り上げながら、エバリーブラザーズ曲と「Nostalgia」を演奏。杉山が先輩の南を立てる姿が印象に残る。
さて、最後のゲストは尾崎亜美。サポートで入ったベースの小原礼夫人でもあることからまずは3人でビートルズの「This Boy」を披露。その後、尾崎の「佳孝さんにかわいい歌を歌わせちゃいます」というコメントをはさんで始まったのが「天使のウインク」。尾崎の羽毛の帽子とキュートな真っ白の天使ドレスでキーボードを速弾する姿が何ともかっこよくキュートな1曲になった。
フェスも終盤、最後の南パートに入った。「プールサイド」から「モンローウォーク」まで5曲、一気に駆け抜ける。会場も総立ちとなり、みな思い思いに体を動かす姿はまさにフェスのそれだった。
「ありがとうございます。今日はものすごく長いリハをやったんです。それももうすぐ終わりです。でも、クセになりそう!」と興奮しながら話す南の言葉に、その日が通常のコンサートとは異なるイベントなんだという想いが感じられた。
アンコールでは、ゲスト全員と「スローなブギにしてくれ」を歌う。これまでのアーティスト生活の中で、“ウォンチュー”をリレー歌唱するのは初めてとか。ゲストの“ウォンチュー”を聞きながら南が本当に楽しそうに微笑む。
アンコールの最後は「冒険王」。最後は南佳孝流ダンディズムの極地のような作品できっちりと場をしめた。「どうもありがとう。こんなに幸せを感じたのは初めてです」と言い、にじむ涙を軽く指で払いながら舞台袖に姿を消す姿が印象に残った。
「今回のコンサートは、ゲストやファンのみなさんのリスペクトの気持ちが凄く感じられて、本当に感激しました。普段のゲストありのコンサートと異なり、やってる最中は自分のパートのことだけでなく全体的な段取りと進行も考えなければならなかったし、出ずっぱりだったから本当に大変でしたね。でも、こうして終わってみると楽しかったし、来年3月の関西編も楽しみになりました。その次はどうするか? それは、わからないけどね、わからないけど…、でも、またやりたいですね」(南佳孝)
来年1月9日に古希を迎える。今回の南佳孝フェスは、その直前に彼の音楽生活の集大成となり、あらためて自分を見つめなおすきっかけになったように思う。ステージ上では新曲作りへの意欲も口にした。
南佳孝は、来年新たなスタートを切ることになりそうだ。
●コンサート情報
『南佳孝フェス I WILL 69 YOU』大阪公演
日時/2020年3月27日(金) 18時開場 19時開演
会場/大阪・なんばHatch【全席指定】
ゲスト/宇崎竜童、太田裕美、杉山清貴
トークゲスト/松本隆
DJゲスト/マーキー、加美幸伸(FM COCOLO)
これまでも自身のコンサートには、積極的に仲の良いミュージシャンをゲストとして招いてきた南だが、今回のように5組のゲストを迎え、バックのサポートメンバーも鈴木茂、小原礼、屋敷豪太ら知己の一流どころを揃えてのフェス形式のライブは初めて。ファンの期待も高く、チケットは早々とソールドアウトとなった。
スタートは南本人のステージから。メッセージ性の強い「Desert Storm」から人気曲「SCOTCH AND RAIN」などを、まずは挨拶代わりに歌う。ギターを持ち独特の立ち姿でゆったりと歌い、時折顔をしかめながら声をはりあげる。声とアレンジが相まって独特の世界観が醸成されていくようだ。
「南さんは東京の不良が湘南でより悪くなった感じの不思議なオーラがあって、会うのが怖かった」とコメントする斉藤に本人も会場も爆笑。「はないちもんめ」を歌い、次に「絶対にタクシーで帰るだろうなと思わせる歌になっている」と斉藤に言わしめた南佳孝版「歩いて帰ろう」と続き、ファン大盛り上がりとなった。
続くゲストは鈴木みのり。マクロスシリーズで声優デビューし、昨年アルバムを発売した。「この娘は必ずブレイクします!」と強く断言する南に、少し涙目になっている姿が印象に残る。アルバム『ラジオな曲たちII』に収録したキリンジの名曲「エイリアンズ」と南作詞作曲で彼女に提供した「いちばん最後の夏」を歌う。透明度の高い歌声が印象に残る。
南としては異色の歌謡ポップス風デュエットソング「トキメイテ」を一緒に歌った後、2曲目の「木綿のハンカチーフ」を歌う前に作詞の松本隆談議になったのが続くゲストの太田裕美。
「私のデビュー曲「雨だれ」も松本隆さんの詞だったんですよ。あの頃は松本さんも作詞家デビューしたばかりで忙しくなかったのかな。私には結構書いてくれたんですね。この詞は男の子と女の子の手紙のやりとりという当時としては斬新な形の詞なんですけど、今日は男の子の部分を南さんに歌ってもらおうと思います」と太田が言うとおもむろに南がギターを弾きながら“恋人よ〜”とスローに歌いだした。終了後、太田が「女性を捨てていく感じがでてましたよね」コメントすると場内が盛り上がる。
次のゲストを呼び込む前にサポートギタリスト鈴木茂との想い出が飛び出した。
「この曲のデモテープをシゲルにもらった時、セミの声が後ろでミンミンとうるさくてね。夏の曲なんだろうと思って聞いてみたら、北国の曲で、あれれ、と。でも、これがいいんだ」といいながら「ソバカスのある少女」を披露し、ソロコーナーに。
4番目のゲストは南がコーラスの楽しさを教えてもらったという杉山清貴。2人でアルバムを発売しているだけに、ハーモニーはぴったり。先日の“徹子の部屋コンサート”出演時に急きょ作成した「トットちゃんの歌」を披露し会場を盛り上げながら、エバリーブラザーズ曲と「Nostalgia」を演奏。杉山が先輩の南を立てる姿が印象に残る。
さて、最後のゲストは尾崎亜美。サポートで入ったベースの小原礼夫人でもあることからまずは3人でビートルズの「This Boy」を披露。その後、尾崎の「佳孝さんにかわいい歌を歌わせちゃいます」というコメントをはさんで始まったのが「天使のウインク」。尾崎の羽毛の帽子とキュートな真っ白の天使ドレスでキーボードを速弾する姿が何ともかっこよくキュートな1曲になった。
フェスも終盤、最後の南パートに入った。「プールサイド」から「モンローウォーク」まで5曲、一気に駆け抜ける。会場も総立ちとなり、みな思い思いに体を動かす姿はまさにフェスのそれだった。
「ありがとうございます。今日はものすごく長いリハをやったんです。それももうすぐ終わりです。でも、クセになりそう!」と興奮しながら話す南の言葉に、その日が通常のコンサートとは異なるイベントなんだという想いが感じられた。
アンコールでは、ゲスト全員と「スローなブギにしてくれ」を歌う。これまでのアーティスト生活の中で、“ウォンチュー”をリレー歌唱するのは初めてとか。ゲストの“ウォンチュー”を聞きながら南が本当に楽しそうに微笑む。
アンコールの最後は「冒険王」。最後は南佳孝流ダンディズムの極地のような作品できっちりと場をしめた。「どうもありがとう。こんなに幸せを感じたのは初めてです」と言い、にじむ涙を軽く指で払いながら舞台袖に姿を消す姿が印象に残った。
「今回のコンサートは、ゲストやファンのみなさんのリスペクトの気持ちが凄く感じられて、本当に感激しました。普段のゲストありのコンサートと異なり、やってる最中は自分のパートのことだけでなく全体的な段取りと進行も考えなければならなかったし、出ずっぱりだったから本当に大変でしたね。でも、こうして終わってみると楽しかったし、来年3月の関西編も楽しみになりました。その次はどうするか? それは、わからないけどね、わからないけど…、でも、またやりたいですね」(南佳孝)
来年1月9日に古希を迎える。今回の南佳孝フェスは、その直前に彼の音楽生活の集大成となり、あらためて自分を見つめなおすきっかけになったように思う。ステージ上では新曲作りへの意欲も口にした。
南佳孝は、来年新たなスタートを切ることになりそうだ。
●コンサート情報
『南佳孝フェス I WILL 69 YOU』大阪公演
日時/2020年3月27日(金) 18時開場 19時開演
会場/大阪・なんばHatch【全席指定】
ゲスト/宇崎竜童、太田裕美、杉山清貴
トークゲスト/松本隆
DJゲスト/マーキー、加美幸伸(FM COCOLO)
2019/12/20




