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JASRAC「失われた10年」乗り越え、史上2番目の徴収・分配額に

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は5月22日、東京・けやきホールで「2019年定例記者会見」を実施し、2018年度の事業概要及び今後の展望について発表。2018年度の「使用料等徴収額」は、前年度比105.4%の1155億7768万円。2018年度の「使用料等分配額」(2017年度下半期及び2018年度上半期の徴収実績を反映したもの)は前年度比101.6%となる1126億4769万円となった。

「使用料等徴収額」の内訳を見ると、「演奏」は、大規模公演を中心にコンサート市場が好調であったこと、ライブハウス・クラブにおける無許諾利用の解消、ホテルなどの宴会場における音楽利用状況の変化に応じた使用料とするため、契約更改などを着実に進めたこと、などから2017年度実績を上回る104%、227.6億円の実績を上げた。「放送」は2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの反動により、放送事業収入が減少、CM放送における協会管理楽曲の利用も低調に終わり、2017年度比98.7%、307.5億円となった。

「録音」は、サブスクリプションサービスを中心とした配信の台頭で2017年度比88.2%の103.2億円。ビデオグラムは、ヒット製品もあり2017年度比123.3%の121億円だった。

 「インタラクティブ配信」は、サブスクリプションサービスの利用者が大幅に増加。動画等配信も、サブスクリプションサービス、動画投稿サービスが好調に推移し、ゲームソフトのダウンロード、スマホゲームアプリなどもヒット製品があり、2017年度比134.2%、190.5億円だった。

 そのほか「徴収に関する」主だったトピックスとしては、2018年4月から、楽器メーカー、楽器店が運営する音楽教室を対象とする利用許諾手続きを開始。外国映画の上映使用料を変更。無許諾利用を続ける全国151の事業者に対し、民事調停の申し立てが行われた。

 また、「分配に関する」トピックスとしては、分配明細データの詳細版の提供、ライブハウス使用料の分配方法変更、2019年3月分配期の管理手数料実施料率の引き下げ、2019年9月分配期以降の管理手数料実施料率の変更などが挙げられた。

 就任3年目となるJASRAC会長のいではく氏は、「3年前に会長に就任いたしまして、その時に『愛されるJASRACになっていく』ということを皆さんに表明しました。3年経って、皆さんのJASRACに対するイメージも少しずつ変わってきているという認識をもっています。就任当初、JASRACのイメージは、『いっぱいお金を取っていく』『金持ちだ』といった世間の認識が強かったのですが、少しずつ変わってきています。そして、まだ万全とは言いませんが、利用者の皆さんから利用した音楽に対する使用料をいただいて、権利者のみなさんにきちんと配分しているということが、やっと認識されつつあります。それでもまだ万全とはいいがたいので、今後も努力していきたいと思います」とあいさつ。

 続いて、理事長の浅石道夫氏は、過去最高額を記録した2007年、公正取引委員会の立ち入り検査が行われた2008年、2009年の審判請求から、2016年の取り下げまで、徴収実績と出来事を紹介しながら、「2008年度から2017年度まで、『JASRACの失われた10年』と呼んでいます。さまざまな要因が重なり、本来の著作権管理業務を行うことができない状態が10年続いておりました。しかし2016年に審判請求を取り下げ、著作権管理業務に専念したところ、2018年度になり、リーマンショック以前の状態に戻ることができました。2007年度と2018年度の差は約1億円ですが、内容には大きな構造変化があります。オーディオディスクが100億円下がり、インタラクティブ配信が100億円伸びています。このことはこれからのJASRACの徴収構造を示唆していると考えられます。その一方でCDとビデオの合計では、インタラクティブ配信を上回っています。我が国のフィジカルとデジタル配信の関係がJASRACの徴収額にも表れていると言えます」と、近年の状況、徴収構造を説明した。

関連写真

  • あいさつをする日本音楽著作権協会(JASRAC)会長・いではく氏
  • 近年の状況を説明する日本音楽著作権協会(JASRAC)理事長・浅石道夫氏

提供元:CONFIDENCE

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