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重圧だった紅白大トリ、ゆず20年は「危機感を覚えたこともあった」

 2017年、デビュー20周年イヤーを完走したゆず。年末には『NHK紅白歌合戦』で初の大トリを務め、平昌冬季五輪・パラリンピック期間には、毎日のようにCMで彼らの声を耳にした。このように活躍続く彼らが発表したアルバム『BIG YELL』のテーマは、その名のとおり“応援”だ。2004年のアテネ五輪で「栄光の架橋」が国民的ソングとなって以来、ゆずは常に世間から応援ソング求められ、葛藤もあったという。紅白大トリを務めたことで、「『栄光の架橋』とやっと肩を並べられた」という現在の心境、10周年で訪れたグループの転換期についても語った。

◆10周年で覚えた危機感、「気まぐれから脱却」して起こしたアクション

――昨年は20周年イヤーで、ベストアルバムの発売にツアー、年末は『NHK紅白歌合戦』大トリと大活躍。
北川悠仁】10周年の時は、自分たちを振り返ることで精一杯で、「もっとできたんじゃないか」という心残りがあったんです。でも20周年では、今の自分たちなら、過去を振り返りつつ次にいけるだろうという確信が持てたのかな。キャリアを重ねるとどうしても、自分たちの好奇心より、守らなきゃいけないもの、手放せないものが増えてくる。でも僕は、ゆずの活動は果敢にやっていくべきだと思っていて。10年くらい前は、新しいことにチャレンジすることでたくさん批判もされた。だけど怖がらずに、新しいこと、面白いことを取り入れていったことが、ゆずというグループの鮮度を保つことに繋がったと思うんです。

――20年前は、ゆずがこんなに続くと想像していましたか?
岩沢厚治】もちろん想像してないです(笑)。

――デビュー当時、何か目標はあったんですか?
【北川悠仁】正直、10周年までは何の目標もなかったです。今よりずっと無心だし、気まぐれだった。若いから、「どうにかなるさ」でまかり通った部分もあると思う。でも周りを見ると、どうしても10周年くらいで活動休止したり、充電したりするバンドやグループは多いじゃないですか。僕らも当時は、一瞬そういう危機感を覚えたことが正直ありました。そこからは、音楽の中身を変えたわけじゃないけれど“無心、気まぐれ”から脱却して、それまでしなかったアクションを起こしてみたんです。

◆紅白の大トリで、ゆずが「イメージしていた以上の存在になった」

――それはどのような?
【北川悠仁】進むべき道の先が二つに分かれていて、一つは「老成する道」。今の状態を保って、それまでのゆずのイメージを大事にしていくやり方ですよね。もう一つが、「イメージを壊してでも新しいことに挑戦していく道」。僕は、ゆずにはまだまだ可能性があると思った。もっと面白いことができるはずという予感がしていて、“コア”より“マス”にゆずの音楽を届けたいと欲張ったんです。最初はうまくいかなかったけど、そこから3年後、5年後を見据えて。ずっと描いていたことと実際の自分たちが重なったのは、この間の紅白の大トリですよね。僕でも岩沢くんでもなく、「ゆず」がイメージしていた以上の存在になっていく感じでした。

――岩沢さんは紅白大トリについてどう思いましたか?
【岩沢厚治】すごくプレッシャーでした。何度もやったことのある会場で、何度も立ったことのある紅白の舞台なのに、プレッシャーが以前の倍、それ以上に膨れ上がった。ひたすら重圧でした。昔、何かのインタビューで、「叶えたい夢は?」と質問された時、冗談で「紅白のトリですかね〜」なんて答えていたことがあったんです。逆に言えば、それを冗談で言ってしまうぐらいありえないことだと思っていました。
【北川悠仁】紅白の大トリを務めることで、「栄光の架橋」さんと、やっと肩を並べられたというか(笑)。僕らより先に国民的存在になっていた「栄光の架橋」という曲と、ゆずというデュオの浸透度が、やっと合致したというか。

――「栄光の架橋」は2004年アテネ五輪のNHK放送公式ソング。「うたエール」も今回の平昌冬季五輪の時期にCMで流れていて。
【北川悠仁】タイアップ=ビジネスではなく、いただいたお題を元に、どれだけクリエイティブなことができるかが、実は腕の見せどころなんですよね。「雨のち晴レルヤ」くらいから、オーダーとはちょっと違うけれど、僕らのクリエイションに引きずり込めるような曲を提供できるようになった気がしています。それを僕は、“タイアップの向こう側”と呼んでいて。「うたエール」は、それがさらに立体的にやれた感じです。ただ、そうやって複雑に構築していくために、共有できるものが少なくなっていくところもある。自分しか見えないものが増えて、孤独になっていきますけどね(苦笑)。

◆応援ソングに向けた決意と覚悟、「新しい地図」の3人にもエールを

――今回のアルバムは『BIG YELL』。新しいことに挑戦しながらも、世の中がゆずに求めているものに、素直に応えたタイトルに。
【北川悠仁】「ゆずといえば応援ソングだよね」と言われた時、今まではどこか「いやいや」みたいに謙遜するポーズをしちゃっていた自分たちがいたんですけど、そういうのはもういいんじゃないかと。自分たちの最大の武器が応援ソングであることを僕らは認識しているし、それとともに進んでいくんだという決意表明、意思表明のアルバムです。そう言い切ってしまうと、音楽の幅が狭まって面白くなくなっちゃうんじゃないかという不安はあるけど、それはそれで覚悟はできた。僕らの音楽の核は、もう壊そうと思っても壊れないし、意図的に何かをしなくても、自然に新しいことは取り入れていくんです。今までは、必死にやろうとしていたことも自然にできるようになってきているので。

――先日ゆずは、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんによるAbemaTV新番組『新しい別の窓』にライブゲストで出演。そこにも、ビッグエールを感じました。
【北川悠仁】「新しい地図」のお三方が去年の『72時間ホンネテレビ』のライブで、「いつか」を歌ってくださって。その時に草なぎさんが何度も「いい曲だ」と褒めてくださったんです。それが縁で、今回も声をかけていただいた。今まさに新しい道を進んでいる皆さんなので、音楽を通してビッグエールの交換ができたらいいなと思います。
(文:菊地陽子)



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