アイドルグループ・ももいろクローバーZが7日、東京キネマ倶楽部で音楽専門チャンネルMTVの人気アコースティックライブシリーズ『MTV Unplugged』の公開収録を行った。

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　『MTV Unplugged』は、1989年に米ニューヨークで初めて実施されたMTVの人気企画。“プラグを抜いた”の意味のとおり、アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離感にこだわったライブで、日本制作としては、2001年の宇多田ヒカルから今年5月収録のKinKi Kidsまで32組のアーティストが登場。今回、女性アイドルグループとしては初めて、ももいろクローバーZが登場した。

　会場の東京キネマ倶楽部は、2011年に早見あかりが脱退した翌日から1週間にわたってトークバトルイベント『試練の七番勝負』を開催し、“ももいろクローバー”から“ももいろクローバーZ”に移行した思い出の場所。第2幕の幕開けを飾った舞台に帰ってきたももクロの5人は厳かなムードに戸惑いながらも、リーダーの百田夏菜子が「一流の人しか立てないステージに立たせていただけてうれしいです」とあいさつ。高城れには「ももクロの挑戦ですね。新しいももクロを見せたい」と意気込んだ。

　この日ばかりはエネルギッシュなダンスを封印。ピアノ、ギター、ベース、パーカッション、ストリングス隊4人からなる8人編成のバンドが鳴らす音に耳をすませ、まっすぐに前を見据えながら歌うことに集中した。「サラバ、愛しき悲しみたちよ」では4人のユニゾンを有安杏果が下ハモで支え、百田と佐々木彩夏が肩を組んで歌った「WE ARE BORN」では個性の異なる歌声で楽曲のスケール感を広げた。百田、玉井詩織、有安の3声から始まる「DNA狂詩曲」では力強い歌声を響かせた。

　5人がステージ上の椅子に腰掛け、『MTV VMAJ 2017』で「最優秀邦楽グループビデオ賞」を受賞した最新シングル「BLAST！」を歌い始めると、フロアからは自然とクラップが沸き起こる。佐々木はこの日の衣装について「“ピンクー”とキラーズを意識した」と明かし、玉井は「ももクロらしいフォーマルだよね」と続けた。

　ピアノをメインにした「白い風」、アコギを基調にした「青春賦」とトーンの異なるバラードを立て続けに披露したところで、百田が「私たちからダンスをとったら何も残らないよね」と切り出し、佐々木も「みんなも座ってる私たち、飽きたんじゃないかな？」と投げかけると、ファンクナンバー「マホロバケーション」からダンスを解禁した。「行くぜっ！怪盗少女」での間奏では、百田が十八番のえび反りジャンプの瞬間に両手に持っていたスティックでドラムのシンバルを叩く“えび反りシンバル”を炸裂。続く「走れ！」もアンプラグドバージョンの振付で披露した。

　ラストナンバーはジャジーにアレンジされた「灰とダイヤモンド」。ドラマチックに歌いあげると、百田は「音楽と真正面から改めて向き合えた気がします。こんな私たちもいるんだぞっていうことを忘れないでください」とあいさつ。「最後だけみんなと大声を出していいっていう許可を得ました」と話すと、プレミアチケットを手に入れた320人の観客と一緒に、おなじみのあいさつ「私たち、今会えるアイドル、週末ヒロイン、ももいろクローバーZ！」と叫び、新境地を見せたステージを締めくくった。

　このライブの模様は来年1月にMTVで放送予定。

■『MTV Unplugged：Momoiro Clover Z』セットリスト
01. サラバ、愛しき悲しみたちよ
02. WE ARE BORN
03. DNA 狂詩曲
04. BLAST！
05. モノクロデッサン
06. 今宵、ライブの下で
07. 白い風
08. 青春賦
09. マホロバケーション
10. 行くぜっ！怪盗少女
11. 走れ！
12. MOON PRIDE
13. 灰とダイヤモンド