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クマムシ、「あったかいんだからぁ」の誕生秘話を語る

 現在ブレイク中のお笑いコンビ・クマムシが、2月4日に自身の歌ネタ「あったかいんだからぁ♪」でCDデビュー。SKE48の松井珠理奈やSEKAI NO OWARIらが、クマムシのネタを真似するなど、芸能界での人気も高い。先日公開されたミュージックビデオは、わずか1日で再生数100万回超えるなど、ネタだけでなく、楽曲のヒットも予感する。このたび、ORICON STYLEのインタビューに応じたクマムシが、歌ネタ誕生秘話や同じく歌ネタで大ブレイク中の8.6秒バズーカとの関係性について語った。

「あったかいんだからぁ」で大ブレイクのクマムシ(左から)佐藤大樹、長谷川俊輔(写真:西田周平)

「あったかいんだからぁ」で大ブレイクのクマムシ(左から)佐藤大樹、長谷川俊輔(写真:西田周平)

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◆歌好きがきっかけで、「あったかいんだからぁ」が誕生

――まずは、大ブレイク中の現在の心境を!
【長谷川俊輔】 ビックリしています。半年前までは何もなかったのに、そこから180度、人生が激変したなって。
【佐藤大樹】 “クマムシ”って名前の微生物がいて、今まではネットで検索するとそれがトップに出てきたんですよ。でも、今は僕らが出てくるようになって。

――そもそも歌ネタ漫才をやろうと思ったきっかけは?
【長谷川】 元々はコント師を目指してやっていたけど、事務所のライブで良い評価を得られなかったんですよ。それで、あるとき作家さんに「何も考えず長谷川が好きなネタをやってみたら」ってアドバイスされまして。俺の好きなことっていったら、やっぱり子どもの頃から好きだった歌かなと。なので僕が作った歌で人々を幸せにできたらいいなと思ったんですね。それで、高校時代、教科書に乗っていたフレーズを歌いながら覚えていたことを思い出して。
【佐藤】 僕もよく、メロディをつけながら英文を覚えてた。
【長谷川】 それで作ったメロディがずっと頭の中に残っていたので、これは何かに使えるなと、ビジュアル系ソングにしました。ただ、最初はそこでもコント縛りがあって、ビジュアル系の格好をしようとすると、衣装やメイクのお金や手間がかかっちゃう。だったらいっそ漫才にしちゃおうかなと。歌ネタの漫才をやっている人はあまりいなかったし、実際にやってみたら事務所のライブで3位になって、すごく良い評価を得られました。
【佐藤】 初めてのライブだったんだよね。
【長谷川】 それで、第2弾に「あったかいんだからぁ」をやって、そこからどんどん歌ネタが増えていったという。

――佐藤さんは歌ネタをどう思ってました?
【佐藤】 “あったかいんだからぁ”に関しては、こんなイカつい見た目のヤツがアイドルソングを歌ったらウケるだろうとは思ったけど、そのフレーズがこんなにフィーチャーされるとは思っていなくて。
【長谷川】 4分間のネタなんだけど、「あったかいだからぁ」は2ヶ所しか出てこないんです。でも、ライブでやるたびにこのフレーズがウケることに気づいて。もしかしたら、そこだけに特化した短いネタにしたほうがいいのかなと思って今の形になったんです。

――「あったかいんだからぁ」が何でここまでウケたと思います?
【長谷川】 ちょっとアーティストぽいこと言っちゃいますが(笑)、メロディラインじゃないかな。僕も作ったとき、やけに曲がまとわりつくなと思ったので。それとしぐさですかね。これも自然に出たんですよ。

――メロディも自然に浮かんだの?
【長谷川】 下りてきましたねぇ。それこそ歌詞と同時に出て来たパターン?(ドヤ顔)。まあ考えて作るパターンもありますが。

◆苦労知らず!月40万のタワーマンションに住んでいる佐藤と実家暮らしの長谷川

――クマムシさんが一気に注目されたのは、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「パクリたい芸人」の回ですね。
【長谷川】 あれは企画に助けられた。ザキヤマさん(アンタッチャブルの山崎弘也)とフジモンさん(FUJIWARAの藤本敏史)がマネしてくださったのが、世間に広まったひとつのきっかけというか。ただ、その前に実は解散の危機もあったんです。

――それはいつ頃?
【長谷川】 養成所時代でコンビを組んで1年もたっていないとき。『青春!イモトの門』(BSフジ)という番組で、養成所生を密着して追いかける企画があったんですね。それで、僕らが選ばれたんだけど、佐藤くんがロケに2回も遅刻したんです。1回目は何とか許してもらえたけど、2回遅刻したんでメチャクチャ怒られたんです。それで、反省のために「佐藤、坊主にしてこい」って言われて、髪を切りにいったら、すげーオシャレなツーブロックの坊主にしてきて。「お前、なんだよ、その髪型!」って言われたら、「青山の美容室でやってもらって……」って言いながら怒られていました。「オシャレ坊主じゃねーか」って。
【佐藤】 テレビ業界は厳しいなあって思いました(笑)。
【長谷川】 それで「佐藤はダメだから、ひとりで頑張ったほうがいいんじゃないか」っていろんな方から言われ、僕も考えて、距離を置いたんです。でもスクールの一番偉い方に「番組に密着されたってことは、お前ら2人に何かあるんだからもう1回、ゼロから佐藤とやってみたら」って言われて。解散せずにやりなおすことにしたんです。

――佐藤さんもホッとした?
【佐藤】 いや、(解散は)しないだろうなぁって思っていたので。ネタがウケていたし、そこまでしないだろうなと。でも、あとから聞いて、そこまで考えていたんだなってびっくりしました。

――そこから2人でやってきたわけですが、貧乏時代はあったんですか?
【長谷川】 僕、ずっと実家なのでごはんだけはなんとかなるんです。あと、バイトをしていたのでそんなに貧乏はしてなくて。佐藤くんなんかもっとすごくて、社長令嬢の彼女と一緒に月40万のタワーマンションに住んでるんですよ。
【佐藤】 もうつき合って3年ぐらいかなぁ。
【長谷川】 彼女は「佐藤くんは、私がいないとどうにかなっちゃうから」っていう、使命感があるみたいです。

◆ブームはひとりじゃ作れないから、(歌ネタ芸人同士)お互い高め合っていければいい

――(笑)。いま歌ネタ芸人さんが増えてますが、ライバル心とかはあります?
【佐藤】 8.6秒バズーカは、よくセットで収録に呼ばれますが、ライバル心はないですね。
【長谷川】 この前もLINEを交換したしね。お互いに「どっちのネタも頭から離れない」って言い合ったり、「どこのフレーズを歌ったら気持ちいい」とか共有しあったりもして。ラッスンゴレライのほうは“ちょっと待ってちょっと待って、おにーさ〜ん”ってところが気持ちいいらしく、わかるって盛り上がっていました。だから全然仲は悪くない。むしろ、一緒に話題になっているので、がんばっていこうって。
【佐藤】 ブームってひとりじゃ作れないから、お互い高め合っていければいいって気持ちなんです。

――みなさん、ピースフルなんですね。
【佐藤】 歌ネタ芸人さんは本当にピースフルですよ。どぶろっくさんもAMEMIYAさんも、すごく受け入れてくれるし。この間、『ナカイの窓』(日本テレビ系)で歌ネタ芸人さんの回があったときも、楽屋でギター持ってみんなで歌いました。

――それ“歌ネタ芸人さんあるある”なんですかね? 楽屋はいつも歌っているみたいな。
【佐藤】】 そうかもしれない。互いのネタを合唱しています。
【長谷川】 それがすごく楽しくて、やっぱり歌とお笑いって素晴らしいなって思った。いつか歌ネタ芸人さんを全員集めて、フェスとかやってみたいです。

(文:若松正子)

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