「夏フェス」という言葉が使われるようになったのは、いつ頃だろうか。気づけば、この夏も7〜9月の3ヶ月間で100に及ぶ様々なイベントが、全国各地で開催されている。
00年代前半まで、「夏フェス」とは、「夏のロックフェスティバル」、「夏の野外ロックイベント」を指していた。ところが、03年〜04年あたりから、多種多様なイベントが夏に実施されるようになり、ラインアップや開催形態も広がりを見せていった。そのため、ロックであるかどうか、野外であるかどうかで線引きすると、各イベントの紹介の仕方がかえって難しくなっていった。
いつの間にか夏に行われるイベントはシンプルに「夏フェス」と呼ばれるようになり、その便利な言葉をメディアは頻繁に使用した。そうやって言葉は市民権を得ていき、ブランド力もアップしていったのである。
『オリジナル コンフィデンス』ではこれまで、幾度となく「夏フェス」について記事を取り上げてきた。その内容を振り返ると、音楽ファンのなかで夏の風物詩として定着したのは00年代前半だが、ライトユーザー層にまで定着したのは、00年代半ば過ぎであった。
このようにして「夏フェス」文化は国内に根付いていったわけだが、その立役者がフジロックフェスティバル(以下フジロック)であることは、誰しもが認めるところだろう。97年の初開催から今年で18回目を迎えたフジロックは、出演者が数十組となるウッドストックやグラストンベリーのようなスタイルを日本に持ち込んだ。
主催者であるスマッシュ代表取締役の日高正博氏は、かつて『オリジナル コンフィデンス』のインタビューで「夏の風物詩になればいいと思っています。「3日間休暇とって遊びに行くんだ」みたいなね。もう誰が出ようと構わないものにしたい」と語った(00年9月18号より抜粋)。その目標は初開催から6年目、「早割引チケット」を導入して完売した02年に達成されている。
それから12年が経過した今の状況を見渡してみると、「フェス」と呼ばれるイベントの数は膨れ上がっている。主に増加しているのは、邦楽を中心としたもので、ジャンルもさらに広がっているのだが、近年では、それよりもむしろ主催者のバリエーションの広がりのほうが目につく。
時代の影響を受けながら、「フェス」の意味合いは変化を遂げてきた。これからの「フェス」はどう変わっていくのだろうか。
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年9月1日号掲載)
00年代前半まで、「夏フェス」とは、「夏のロックフェスティバル」、「夏の野外ロックイベント」を指していた。ところが、03年〜04年あたりから、多種多様なイベントが夏に実施されるようになり、ラインアップや開催形態も広がりを見せていった。そのため、ロックであるかどうか、野外であるかどうかで線引きすると、各イベントの紹介の仕方がかえって難しくなっていった。
いつの間にか夏に行われるイベントはシンプルに「夏フェス」と呼ばれるようになり、その便利な言葉をメディアは頻繁に使用した。そうやって言葉は市民権を得ていき、ブランド力もアップしていったのである。
『オリジナル コンフィデンス』ではこれまで、幾度となく「夏フェス」について記事を取り上げてきた。その内容を振り返ると、音楽ファンのなかで夏の風物詩として定着したのは00年代前半だが、ライトユーザー層にまで定着したのは、00年代半ば過ぎであった。
このようにして「夏フェス」文化は国内に根付いていったわけだが、その立役者がフジロックフェスティバル(以下フジロック)であることは、誰しもが認めるところだろう。97年の初開催から今年で18回目を迎えたフジロックは、出演者が数十組となるウッドストックやグラストンベリーのようなスタイルを日本に持ち込んだ。
主催者であるスマッシュ代表取締役の日高正博氏は、かつて『オリジナル コンフィデンス』のインタビューで「夏の風物詩になればいいと思っています。「3日間休暇とって遊びに行くんだ」みたいなね。もう誰が出ようと構わないものにしたい」と語った(00年9月18号より抜粋)。その目標は初開催から6年目、「早割引チケット」を導入して完売した02年に達成されている。
それから12年が経過した今の状況を見渡してみると、「フェス」と呼ばれるイベントの数は膨れ上がっている。主に増加しているのは、邦楽を中心としたもので、ジャンルもさらに広がっているのだが、近年では、それよりもむしろ主催者のバリエーションの広がりのほうが目につく。
時代の影響を受けながら、「フェス」の意味合いは変化を遂げてきた。これからの「フェス」はどう変わっていくのだろうか。
(ORIGINAL CONFIDENCE 14年9月1日号掲載)
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2014/08/30