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海外進出、レーベル設立…進化する音楽クリエイター集団

 リスナーの音楽の聴き方が多様化するなかで、チームとして個々の強みを集約させるという狙いから、00年代に入って以降、複数のクリエイターが所属し、チーム制をとって活動する“音楽クリエイター集団”の活躍が目立つようになってきた。

ディグズ・グループはウェブ、SNSマーケティング戦略業務も実施している。写真はキングレコードVenus-BレーベルのFacebookページ

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 彼らがチームとしての活動を志すようになったのは、ごく一部のアーティストやジャンルを除き、大ヒットが出にくくなっている今のマーケットを反映してのものだ。コンペ形式による楽曲の発注が一般的である昨今、作家にとって、いかに多くの作品を受注できるかは大きな課題だ。

 その点、さまざまな才能を持つクリエイターが複数所属するシステムは、クライアントの多様なオーダーに応えるキャパシティに直結する。制作に専念できる好ましい環境のなかで、所属クリエイター同士がアイデアをぶつけ合い、切磋琢磨し合ったりすることによるメリットも大きい。創作の質が上がるからだ。そうしてクオリティの高いものを提供していけば、受注数の増加が見込め、チームのブランド力が高まることにもなる。要は、プラス作用こそあれ、マイナス要因は見当たらない状況だ。

 そして今、その状況に変化の兆しが見えてきている。いや、正しくは、変化ではなく変貌、あるいは進化と言ったほうがいいだろう。クリエイターチームが“次の一手”を繰り出してきているのだ。ある組は海外進出に踏み出し、ある組はレーベルの新設に乗り出した。あるいはプロデューサーの育成で集団の強化を図っている組もある。手法はさまざまだが、いずれも“チーム力によるケミストリー”を変わらぬ武器に、新たなステップへと歩み出していることは確かなようだ。

 もともと海外のトレンドに目を向けた楽曲作りに定評があったディグズ・グループは、5人組のガールズグループ、FAKYをもって本格的に海外進出を果たす。FAKYはFacebookを日英2ヶ国語で展開し、すでにYouTube配信で120ヶ国からアクセスがあるなど、注目度が上昇している。同社にとって本格的なグローバル化は、日本のマーケットが冷え込んでいることへの打開策。海外へ向けて積極的に発信し、また海外陣営との共同制作などをテコに、クリエイターの活路をできるだけ広く太く持っておく心づもりだという。

 音楽業界の昨今の気運に敏感に反応する動きを見せているのは、レーベル新設を果たしたSCRAMBLESと、プロデューサー育成に注力するSUPA LOVEだ。膠着する国内市場になんとか風穴を開けたい、と試みるレコード会社側の変革意識に応える動きと言ってもいいだろう。

 SUPA LOVEが今このタイミングで、プロデューサー視点を備えた人材の確保と育成を強化するのはなぜか。それはレコード会社の制作チームが、従来のスタンスからプロモーションやマネージメントへといっそう軸足を移しつつあるからだという。「クリエイター集団はもの作りのプロ。我々に制作を委ねてくれる健全な空気を歓迎したい」とは、SUPA LOVE の松原憲氏。SCRAMBLESも、インディーレーベルらしい自主独立のフレッシュな気風を取り込んだ制作物で、新たな息吹を吹き込もうとしている。

 今、彼らは次なる局面へと踏み出し、単なるクリエイター集団に止まらない可能性を提示した。そして、その施策と行動力は、ミュージックシーンにとって最良の刺激となるに違いない。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年3月3日号掲載)

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  • ディグズ・グループが手がける5人組ガールズグループ・FAKY
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