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苦悩乗り越え完全復活の藍井エイル、歌えない時期も 「かっこ悪くても無理するのはもういい」

 シンガー・ソングライターの藍井エイルが、3年ぶりのアルバム『FRAGMENT』を4月17日に発売した。16年11月に東京・日本武道館ライブを持って無期限活動休止し、昨年2月に活動再開を発表。8月には東京・日本武道館で復帰後初のワンマンライブを行った。ストイックに活動してきた彼女は、「どこかで無理が生じていた、お休み中に歌えなくなってしまった時期もあった」と振り返る。活動休止中は、改めて歌と向き合い、普通の生活をするなかで、「本来の自分に戻れた」と言う。復帰後の彼女は、無理なく自然体でキラキラと輝いている。それは本作からも感じ取ることができ、透き通った力強い歌声はそのままに、以前よりも懐の深い印象を受ける。そんな藍井エイルが今何を感じているのか、改めてこれまでの活動を振り返り語ってもらった。

実はお休み中に歌えなくなってしまった時期があった

──アルバム『FRAGMENT』の完成で、いよいよ藍井エイルの完全復活ですね。復帰第一弾シングル収録の「約束」のときも透き通った力強い歌声はそのままに、それでいて以前よりも懐の深い印象を受けたのですが、どんな変化があったのでしょうか。
藍井 実はお休み中に歌えなくなってしまった時期があったんです。頭のなかでバグが起こっていていたのか何なのか、原因は不明なんですが、カラオケでも1曲を歌いきれない。無理して歌おうとすると、息が漏れて倒れそうになる。そんなことが1年以上続いて…。ボイストレーニングも基礎から始めたんですが、そのときに先生が「以前の自分と比べることはやめて、新しく藍井エイルを育てていきましょう」とおっしゃってくれたんですね。そこからマインドを切り替えて、改めて歌に向き合ってきたことが、復帰シングルやこのアルバムにも繋がっているんだと思います。

──ジャケットもアーティスト然というよりも自然体な雰囲気で、等身大な1人の女性である藍井さんが感じられます。
藍井 外からどう私が見えているかはわからないんのですが、自分はそんなにアーティスティックな人間ではないんです。ただ活動をしていくなかで、「アーティストでなければならない」と自分を洗脳していたところはあったかもしれないです。そうすると弱音も吐けないし、弱いところが見えそうなときは、人を寄せ付けないようにしていた。それは意識してやっていたことではないのですが、身近な友だちからそう指摘されました。

いつも重い鎧を着て戦っている感じで、どこかで無理が生じていた

──弱音を吐くのって勇気がいりますよね。
藍井 そうなんです。しかもプライベートの時間もあまりなかったので、本来の自分と藍井エイルを混同してしまって、いつも重い鎧を着て戦っている感じでした。だから、どこかで無理が生じていたんでしょうね。そんななか、長期のお休みをいただいたことで、地元に帰って、小学生の頃からの同級生と会ったり、久しぶりに家族や友だちとたくさんの時間を過ごせました。

──小学校の頃からの……それこそ“藍井エイル”が生まれる前からのお友だち?
藍井 そうなんです。今度結婚するんだとか、子どもがいるんだよとか、そんな幸せな皆の日常に触れるなかで、本来の自分に戻れたのとともに、自分が歌っていきたいことにも向き合いました。これまでの私はわりと大きな世界観を歌うことが多かったんですが、それだけじゃなくて、もっと「私とあなた」くらいの近い距離感の歌も歌いたいと。それが今回のアルバム全体に通じるテーマになっています。

──収録楽曲は復帰後からセレクト、制作していったものなんですか?
藍井 ほぼそうです。大ファンのいきものがかりの水野良樹さんやカノエラナさんにお願いして曲を書いていただいたりと、これまで歌ったことのないJ-POP感満載の楽曲にも挑戦できて、とても楽しい制作でした。ただ、なかにはかなり昔に作った曲もあります。例えばTAMATE BOX(FUZ)さんと共作した『螺旋世界』は2、3年くらい前にできていたものなんです。それもお互い仕事としてではなく、たまたま一緒にいたときに『なんか作ってみない?』ってできたもので。

──そうしたラフで気負いのない曲作りが、今になって結実しているのもなんだか意味があるような気がしますね。
藍井 たしかに。作った当時はまさにバキバキにやっていた頃だったので(笑)、遊びの延長で純粋に楽しみながら曲作りするのがすごく新鮮だったのを覚えています。しかも今回、改めて歌ってみて前よりもしっくり来るんですよね。ちょっとジャジーな手触りのある曲なので、どっしり歌うと映えるんじゃないかなと思ってたんですが、前はどうしても声にトゲがあったので表現しきれなかったというか。

無理するのは「もういいかな」って思えるように「毎日幸せですね」

──その“トゲ”がある種のギラギラ感を醸していて、かっこよくもありましたが──。
藍井 前の自分を否定しているわけじゃないですし、ギラギラと攻撃的にやってたから会得できた歌い方もあります。だけど、それこそSNSで「命削って歌っている」と書かれてるのを見て(苦笑)、そんな危うかったかな、私って。でもそれってファンの方を心配させているってことじゃないですか。そうすると「ごめんね」って気持ちになるし、そんな気持ちで歌うのも違うと思うし、だから今は「もういいかな」って思っています。

──命削ってたら、長く歌い続けていられないですしね。
藍井 だからたとえかっこ悪いところが見えても、無理するのは「もういいかな」って思えるようになりました。復帰後も海外ライブをやったりと忙しく見えるみたいで、ファンの方から「大丈夫ですか?」というメッセージをいただくのですが、マイペースにやらせてもらっています。1人でのんびりすることもあるし、友だちと会う時間も以前より増えました。毎日幸せですね」

──5月からは久しぶりの全国ツアー、そして夏には『Animelo Summer Live』と、昨年よりもさらに精力的な活動が続きますが。
藍井 そう、のんびりやらせてもらえている分、人前に出るテンションからすっかり遠ざかってしまって。『Animelo Summer Live』の会見のときも、緊張で口元がカラカラになってしまったので、まずい、そろそろ人前に慣れなきゃと思ってるところです。ツアーも緊張しそうだなあ(笑)。

──皆待ってますよ。それこそ昨年の武道館での復帰ライブに行けなかった方も全国にたくさんいますから。
藍井 あの時もガチガチでしたからね(笑)。でも、皆が『あ、緊張してるな』って微笑ましく見守ってくれてる感じがして、それがうれしくて。それこそ1万人を前にしながらも『私とあなた』の距離感を感じられたんですよね。だから今回のツアーはもっと、1人ひとりと繋がれるものにしたいと思ってます。抽象的な意味ではなく、具体的に来てくれた1人ひとりと繋がって完成するような仕掛けを演出家の方とアイデアを練っているので、皆と一緒に忘れられないツアーになるんじゃないかと今からすごく楽しみなんです。

(文/児玉澄子)
藍井エイル オフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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